Normal 新しい私

51r2t1hkf5l  けっこう前に見たのだけれど、なかなか感想が書けなくて、と、最近こんなのばっかりですね。それにしても、これは難しいテーマです。「トランス・アメリカ」に似てはいますが、深刻度が…。日本ではWoWoWで放映されたそうです。私はアメリカ盤DVDで見ました。以下、はじめからネタバレになりますが、ご了承ください。

 周囲に祝福され銀婚式を迎えたイルマ(ジェシカ・ラング)とロイ(トム・ウィルキンソン)。しかしロイはその日、「自分は女だ」とイルマに打ち明けます。2人の子供もいる「ノーマル」な夫婦だったはずなのに、何故? 混乱するイルマ。ロイはゆくゆくは性転換手術を受けて女になるのだと宣言します。25年も、いやきっともっと前から苦しんでいたであろうロイ。妻を傷つけると分かっていながら、偽りの人生に堪えられなくなったのだ。しかしイルマの苦しみも分かるし、と、冒頭から涙が止まりませんでした。

 アメリカの、保守的な田舎町が舞台です。「トランス・アメリカ」と違い、イルマもロイも何処に行くこともできません。ロイが働くのは農機具の工場(BBMを思い出します)、同僚はマッチョな男ばかり。そんな中、次第に女としての自分を主張していくロイ。イヤリングをつけて職場に~、はさすがに不味いでしょう。軋轢を避けるために配置転換されます。

 髪を伸ばし、ホルモン投与もして少しずつ「本来の自分」を取り戻していくロイ(ルース)。娘パティ・アンは意外にあっさり事実を受け止め、元(?)パパのジャケットを拝借したり。と、それに反発するのがイルマと兄ウェイン。特に家を離れているウェインは久々に会う「父」の変化に戸惑い、ロイもウェインと会うための衣裳は男っぽいものにしたり。しかし既に少しバストが形成されていて…、複雑です。(こういう役はイギリス人に回すんですね? アメリカのアクターには拒否されたんでしょうか)

 自分の愛したロイはいなくなってしまうの? これからの性生活は? ほかの男とつきあっていいのだ、とほのめかされてイルマは…。実家を訪ねるロイ。厳しかった父は老いて母を求める子供返りを。「息子がいたような気がする」とつぶやく父に、「いや、最初から娘だけだった」と応えるルース。子供時代からSissyと呼ばれていたことが分かります。Sissyは「お茶と同情」にも出てきたようですが、日本では「シスター・ボーイ」ですか。

 これからイルマとルースはどうなるのか。最後はそれなりに家族は和解し、元夫婦は姉妹のように同じベッドで眠るのですが。イルマは新しい結婚相手を探すかもしれないし、ルースは完全に女性となり、恋人をみつけるかもしれません。2人が、家族がこの町で暮らし続けることが可能なのか? 都会でシングル女性として新しい道を模索できる「トランス・アメリカ」のブリーとはだいぶ違うのでした。

 こんな作品こそ日本でもDVDリリースして欲しいものです。「ウーマン ラブ ウーマン」で第1話を手がけたジェーン・アンダーソンの監督・脚本と聞いて納得です。悠雅さんの素晴らしいレビューもぜひご一読下さい。

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日曜日は別れの時

B00009y3nl01  こちらは「ラ・ピラート」とは違って、複雑な人間関係ながら、えらくあっさりした展開。原題が[Sunday,Bloody Sunday]と物騒なわりには内容は至って平和、流血騒ぎはありません。「真夜中のカーボーイ」のジョン・シュレシンジャー監督が故国イギリスでメガホンを取った作品。「真夜中のカーボーイ」の監督だし設定も私のツボだし、かなり期待して見に行った覚えが。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16935

 30代の女アレックス(グレンダ・ジャクソン)、40代の男ダニエル(ジョン・フィンチ)。彼らの恋人は、ともに彫刻家の卵・ボブ(マレー・ヘッド)。当初、互いの存在を知らなかったアレックスとダニエルだが…。

 男女の愛人の間を淡々と行き来するかに見えるボブ。どこかふわふわした印象だったな。当時としては男同士のキスやベッドシーンがしっかりあったが、ボブもダニエルも粛々とやることやってます、といった感じで熱っぽさはなかった。それでも私はこんなにきちんとした(?)男同士のラブシーンがあることに感激していたっけ。若かったのねー。

 やがてボブは(解説によればバイセクシャルであることに疲れて)アメリカに旅立ってしまう、そこで男女の愛人たちが顔を合わすが、特にいさかいも起こらず。大人の味というか、ほんとに淡々と終わった作品。

 特筆すべきは、これがダニエル=デイ・ルイスの映画デビュー作ということだろう。まだ12歳くらいか、公園で車に傷をつける悪ガキの役でちょっとだけ出ている。大人になってからの顔とぜんぜん違うけど。この映画がきっかけでオスカーを受賞するまでになったんだから、よかったよかった。

↓そのダニエルの出演シーンがこちらから見られます!

http://aaddl.pro.tok2.com/sundy.htm

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