キラーコンドーム(2)

キラーコンドーム DVD キラーコンドーム

販売元:ハピネット
発売日:1999/11/25
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 いつの間にかDVDが出てたんですね。私はビデオで見ました、前の感想はこちら。書きたいことは前回、書き尽くしていたんですが、わざわざ(2)をアップした理由は。例の歯が生えたコンドーさんを思い出したせいです。先日、岸田秀さんの「不惑の雑考」を読んでいたら「歯にまつわる恐怖」というエッセイがございまして。

「精神分析では、歯はしばしば生殖のシンボルといわれる。歯が抜ける夢は去勢の夢。」このあたりは、ふんふんと読んでおりました。しかし【「歯の生えた膣」という幻想】が出てきたのでブッ飛びました、あのコンドーさんそのものじゃないですか!(画像はこちらから)もしかして「キラーコンドーム」はそこからヒントを得た?【文学座がドリフをやっても面白くないのと同じで、】という感想にはなるほど、と思いましたが、それはおいといて。「歯の生えた膣」で検索したら、けっこうヒットしました。この「ゴルゴーン」がいちばん怖い? 少しスクロールして「ヴァギナ・デンタータ」をご覧ください。沖縄の伝承も載ってますね。

↓前々から見たくてたまらない映画、「キラーコンドーム」DVDの紹介にリンクが! レビューだけでここまで笑える映画も珍しいのでは。脚本がエド・ウッドだと聞くと、それじゃ仕方ないわね、と素直に思ってしまいます。

【「何度見ても、見終わったあとに『もう二度と見るかっ!』と怒りに震えるのに、何故かまた見てしまう。。。 」

「ここまで最低と満場一致で、それでいて人々に愛される(いろんな意味で) 作品を作った監督に拍手を送りたい。」

「ごめん、一生懸命褒めようとしたけど無理だった。劇中のカップルよろしく磔にして無理やりこれを見せるなど、拷問道具としてどうぞ。」

「最低最低という噂話だけは聞いていました。
DVDが出ているのを最近知って、欲望に勝てずに見てしまいました。
期待を裏切らない最低っぷりで泣けました。
こうなる事は分かっていたのに、人間の心は不思議だなあと思いました。」 】

死霊の盆踊り デラックス版 DVD 死霊の盆踊り デラックス版

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2005/07/22
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キャバレー

B0000ccngk01  先日、かがみさんからマイケル・ヨークの「三銃士」についてコメントを頂き、なつかしさでいっぱいになりました。けっこう好きだったのに書いた感想は「悲愁」だけですか、がっくり。

 この「キャバレー」ではロンドンからベルリンにやってきた純情な留学生ブライアンを演じます、マイケルにぴったりの役でした。キャバレーの芸人サリー(ライザ・ミネリ)に惚れられたのはいいんですが、ヒューナ男爵(ヘルムート・グリーム)が出現して妙なことに。三角関係? 「セルロイド・クローゼット」にも出てきますが、嫉妬したブライアンに問い詰められ、男爵と寝たことをばらすサリー。と、ブライアンは苦笑して「僕もだよ」。映画館の闇の中ででぶっ飛びました、マイケルがこんな役を! 確かに妙なムードではあったんですよね、男爵と2人きりのとき。

 結局、ブライアンは帰国。その見送り(若きマイケルのアップ!)とライザの熱唱、ナチの台頭を示すラストシーンはこちらです。アカデミー賞8部門に輝く名作です、ぜひこの映像だけでもご覧ください。

 ここからは20年代末のベルリンの話です、ヒトラーが政権を握る直前のベルリンは「前衛芸術と頽廃のメッカであった」と、復刊「薔薇族」(すぐ再休刊してしまいましたが)第1号(05年6月号)に海野弘さんが書いてらっしゃいます。

 フィリップ・ジョンソンも29年にベルリンを訪問しているそうです。2年前に98歳で他界したアメリカ建築界の巨匠。彼はゲイで、94年に出た伝記でカミングアウト(ゲイだと明記することを伝記作家に許可)。当時88歳、高齢ゆえ伝記が完成する頃にはもう生きていないだろうと思ってたらしいんですね。ところがさらに長生きして仕事もしっかり、90歳にして世界最大のGAY CHURCHを設計。

 世界最大のゲイ(正確にはLGBT)の教会とは、テキサス州ダラスにある「カテドラル・オブ・ホープ」、左端の画像のステンド・グラスがナイスです(拡大します)。ジョンソンの設計であることは下記の解説で確認しました。他にもテキサスでたくさん手がけているんですね。

Philip Johnson & Texas Book Philip Johnson & Texas

著者:Frank D. Welch
販売元:Univ of Texas Pr
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ホモセクシャルの世界史 Book ホモセクシャルの世界史

著者:海野 弘
販売元:文藝春秋
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↑海野氏はこの本にもP.ジョンソンについて書かれているそうです。表紙がカラバッジオの絵なのに彼については語っていないらしく残念です。

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ゴッド・アンド・モンスター

ゴッド・アンド・モンスター DVD ゴッド・アンド・モンスター

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2003/11/27
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 皆様、引き続きメールを頂き、感謝しております。「(BBM記事終了は)私のせいでしょうか?」と心配されてる方が多くて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。原因はすべて私にあります、あまりに飛ばしすぎて疲れてしまったんですね。やはりBBMは魔物、せめて週1にするとかしてたら細く長く続けられたと思うのですが。でも勢いでやったから、あれだけ書けた気もします。

 今後については、少しずつ考えております、記事よりお返事を書くのが先決、と思ってましたら、それより記事を、というご意見を頂きました。それで、今日は前々から書きたいと思いながら…だった「ゴッド・アンド・モンスター」について少々。へろへろの内容ですが、どうぞよろしくー。

 かなり前に見た映画なのに、なかなか感想が書けず…、サー・イアン・マッケランが98年のアカデミー主演男優賞にノミネートされ、脚色賞も受賞。そう、BBMに負けない名作なのです。なのに日本ではなかなか公開されず、ついにファンの熱意で劇場公開されたといういわく付きの映画。私が知ったときは既に上映は終了、DVDで見るしかなかったのだけど、本当に素晴らしいです。あー、なんといっていいのか。Amazonのレビューが素晴らしいので、そちらをお読みください。(笑)

 ゲイであり有名なモンスター映画の監督であったホエイル(マッケラン)と庭師クレイトン(B.フレイザー)との交流…といっていいのでしょうか。ホエイルは第一次大戦に従軍、戦友と思いを通わせたようで、その回想シーンは胸に迫ります。B.フレイザーも繊細な演技を見せて、なかなか。根無し草のようだったクレイトンもホエイルの影響か、ラストではすてきな成長振りです。雨の中のクレイトンの姿にじーんときます。

 ちょこっと映画界の裏事情も覗けます。「マイ・フェア・レディ」のキューカー監督もゲイだったんかー、とかですね。いろいろ皮肉で人生の悲哀を感じますが、見るべき映画だと確信しております。

 こんなに素晴らしい、アカデミー脚色賞を獲った映画(というだけで見たくなる。やはり映画は脚本だから)が最初から日本での公開予定がなかった、この事実に「…」。BBMや「カポーティ」と違い、なかなか公開が決まらなかった「トランスアメリカ」も同じ轍を踏むのかとひやひやしたのでした。めでたく公開の運びとなりましたが、こちらは松竹が配給、ザジフィルムズが宣伝と。他社に宣伝を任せたのが好結果を生んだ? 宣伝マンのブログ、相変わらず熱いです。

↓サントラのジャケット、なかなかいいですね。音楽も良かったのでちゃんと聞いてみたいかも。

トランス・アメリカ Music トランス・アメリカ

アーティスト:サントラ,ミリアム・マケバ,オールド・クロウ・メディスン・ショウ,ラリー・スパークス
販売元:テイチクエンタテインメント
発売日:2006/07/05
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恋する女たち

38m_1  69年のケン・ラッセル監督の出世作、らしい。暖炉の前での全裸の男同士のレスリング・シーンが公開前から話題になってました。お子ちゃまだった私も「スクリーン」誌の紹介記事でその写真を目にし、絶対見る~、と鼻息荒くしたものの、例によってイナカじゃ上映されず。

 やっと本編を見たのは十数年後、池袋文芸座で。いやー、念願かなって見られて良かったが、あんまり記憶に残ってないのよね。そして再会(レスリング・シーンのみ)は意外なところで。この映画の音楽担当は大好きなジョルジュ・ドルリューなのだが、ある日、教育TVで彼の音楽を使った映画の紹介番組をオンエア。「恋する女たち」は、このシーンが採用されたのであった。

 何故に裸でレスリング? 原作(英語)は持っているのだが、途中で挫折。なんとか読み返さないと。ガウンから出た男の白い脚を、男がじーっと見つめるというシーンだけは覚えてる。

 粗筋は下記から。ソフト入手は難しそうなので、ネタばれですがよろしければどうぞ。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD3037/story.html?flash=1

 こうしてみるとタイトルは「恋する女たち」より「恋する男たち」Men in Love、いや、バーキンの片思いらしいからMan in Loveか、そっちの方がふさわしいような。けっこうゲイテイストの強い話だったんだな、と何を今更? 意識しあう男たちの伴侶(恋人)が姉妹だってのが、何か意味深。

 なんでこんな記憶もあやふやな映画の話をするかというと、原作のD.H.ローレンスが「男女を問わず、肉体関係をもたなければ人は本当には分かり合えない。」と発言したことを思い出したから。BBMを知った今では、肉体関係があるからなんだよ、て気もしないではない。幾度体を重ねてもわかんない所はわかんない、なんだけど。最初にローレンスの言葉を聞いた時は、けっこう考え込んでしまった。

 えー、肝心のレスリング・シーン。演じたのはバーキン(アラン・ベイツ)、ジャケ写真右。ジェラルド(オリバー・リード)、写真左。ご覧のように立派なヒゲを蓄え、たくましく毛深く、汗まみれでレスリングを。こぼれ話として、「撮影中にヌード・レスリングを嫌がったリードが、ラッセル監督を得意の柔道で投げ飛ばした」のに、その後もリードはラッセル作品に何度も出演したようで。気に入られてたみたい?

↓下記のCheck!も多少、参考になりそう。

http://britannia.cool.ne.jp/cinema/title/title-ko.html

 一応、邦訳も出てるけど、高い! 昔は文庫も出てたはずなのに。「もう一つの国」「心は孤独な狩人」に加え、これも気軽に読める文庫が出るといいなあ。

Book Women in Love 恋する女たち

著者:D.H. ロレンス
販売元:英潮社
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「カポーティ」予告編

冷血 Book 冷血

著者:トルーマン・カポーティ
販売元:新潮社
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 今日、10回目のBBMを見てきました。詳細は明日、記事にしますが、秋に公開の「カポーティ」の予告が流れたので、その話を。

 なんといっても主演のフィリップ・シーモア・ホフマンがアカデミー主演男優賞を受賞。BBMフリークにとっては「なんでヒースが獲れなかったのよ!」の怒りの1作かもしれません。でも私、個人的にはヒースはまだ獲れなくていいっていうか、ノミネートされただけで大変な栄誉じゃん。S.ホフマンに花持たせてやりなよ、というか。それ以上に、過去、数本しか見てないけど彼の演技力に注目してたし、「カポーティ」をご覧になった方は納得されてるようだし。ヒースにはまだまだこれからチャンスがあると思うのです。

 で、予告なので映画の片鱗しか分かりません。しかし面白そうです。カポーティは子供の頃から独特の話方(要するに女ぽい)等で偏見を持たれてきたようですが、いやー、なんともいえないムードで演じてますね、さすがあ。

 カポーティは作家として成功。私が10代の頃はカポーティ=「冷血」でした。読んではいないけど、大変な作品、というイメージ。作者がゲイだったとは知りませんでした。「ティファニーで朝食を」はDVDで昨年見たばかりですが、明るい話でびっくり? 

 共演にクリス・クーパー。予告にも数カット登場。「遠い空の向こうに」「ジャーヘッド」でジェイクと、「パトリオット」でヒースと共演したシブいオジサマです。大好き♪

 というわけで、とってもとっても公開が楽しみな作品です。

http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/CAPOTE.htm

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クライング・ゲーム

クライング・ゲーム DTSスペシャル・エディション DVD クライング・ゲーム DTSスペシャル・エディション

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2005/03/11
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 今頃やっと見ました。なにやってたんだろ、私。とてつもない悲劇だろうと勝手に想像してなかなか手が伸びませんでした。もったいないことをした。ほんと、よく練られた脚本、アカデミー賞獲っただけありますね。好みじゃないと思っても脚本賞とった作品くらいは見ておいて損はないよね、と改めて感じ入りました。

 このジャケ写の噂の美女ディルを演じたのはジェイ・デヴィッドソン、元モデルですか。道理で歩き方もサマになってた。ディルに会うべくロンドンにやってきた元テロリスト・ファーガス(スティーヴン・レイ)。ディルに恋してしまう。

 酒場で「クライング・ゲーム」(ボーイ・ジョージの歌? なつかしー)を歌い踊るディルは本当に妖艶でしたね。もうファーガスは骨抜き。けど、実は~。という種明かしは最後にあるのかと思ったら、わりと早め。私は見る前に知っていたけど、そう思ってみれば一目瞭然。気づかないのもどうかとは思うけど、恋は盲目。でもさ、ゲロゲロはないでしょうよ、失礼なヤツだなファーガス。

 こういうタイプはテロリストに向かなそう。早く足洗ってよかったね。元々、ディルに会うことになったのも、ファーガスのテロリスト向きでない性格のせい。冷酷になりきれる男が主人公なら、こんな話は出来なかった。

 さてさて。わりあいほのぼのとしたラストで安心しました。経緯は複雑怪奇だし、2人が今後、どうなるかは? 気の弱いファーガスのこと、ディルに押し切られて同棲しちゃいそう。それはそれで幸せなんじゃないかな。思い込みが激しく嫉妬深いディルに、また銃口を突きつけられないよう、くれぐれもご注意を。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16737/?flash=1

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カラヴァッジオ

カラヴァッジオ DVD カラヴァッジオ

販売元:ビデオメーカー
発売日:2001/02/26
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「”それは恋ではなかったのか!?”という大胆な解釈。」デレク・ジャーマンの映画「カラヴァッジオ」のパッケージにはそんな心惹かれるキャッチがある。

「それ」とは画家カラヴァッジオが犯した殺人のことなのだろうか。その罪のため彼が逃亡生活を続けたことは知っていた。しかし、原因を”恋”にするとは。さすがジャーマン?

 カラヴァッジオ(ナイジェル・テリー)が執着するラヌッチオにショーン・ビーン。このキャスティングが絶妙だ。私は「パトリオット・ゲーム」のテロリスト役でビーンに注目した。弟を殺されどこまでも主人公を追っていく妄執の男。「カラヴァッジオ」では恋人で娼婦のレナ(ティルダ・スウィントン)がいながら、次第にカラヴァッジオにも惹かれていく男を魅力的に演じていた。

 若き日のカラヴァッジオにはデクスター・フレッチャー。この絵と同じような扮装をしたり、特に美形ではないが、けっこう雰囲気が出ていて感心。

Ca01_smallhttp://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11179/?flash=1

 出演者は他にカラヴァッジオの弟子で彼の死を看取るエルサレム(スペンサー・リー)。農家の子だが、聴覚障害のある彼は羊飼いにはなれず、カラヴァッジオが引き取って何くれとなく面倒を見る。実際は孤独に死んだであろうが、こんな弟子がそばにいたかも、と想像すると少し救われる。

 見所はたくさんある。画家としてのカラヴァッジオに興味がある人は、彼の名作の数々が映画の中でモデルによって再現されるのを楽しめるだろう。ジャケ写の右側の女性像は「マグダラのマリア」で、ティルダ・スウィントンが原画(ローマのドーリア・パンフィール美術館所蔵)そっくりの扮装をしている。

http://www.doriapamphilj.it/ukhome.asp

 また、カラヴァッジオの罪がジャーマン監督の解釈通り恋ゆえ、と思いながら見ると、また味わいが違う。この映画について語りだすとキリがないのだが、ご興味ある方、まずは見て欲しい。

↓私のローマ半日放浪記。カラヴァッジオの絵を求めて歩き回りました。上記のパンフィール美術館にも♪

http://tokyo.cool.ne.jp/moonflower55/pages/bianco-rome.html

画家カラヴァッジオについては下記のHPが詳しいです。

http://pure.cool-rock.com/caravag/

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きらきらひかる

D111143761 トヨエツと筒井道隆がゲイのカップル。でもってトヨエツ演じる医師の睦月は見合いで笑子(薬師丸ひろ子)と結婚。笑子は情緒不安定でアル中のケが。夫となる人がゲイであることも知っていた…よな気もするが記憶が定かではない。

 一方、大学生の紺(筒井)は睦月の結婚に納得していない。そうだろうなあ。睦月はどうして結婚を決めたのか。ゲイであることを明かしても笑子が動じなかったせいか。睦月の父は息子をなじるのだ、自分の道をゆくんじゃなかったのか、と。息子がゲイであることを知っていたのかも。

 92年制作。トヨエツのブレイク前の作品だ。ぼちぼちTVドラマにも出ていたが悪役が多く、でもちょっと雰囲気が好きだったので、まだフレッシュな筒井道隆(当時21歳)とゲイ・カップル役で共演と聞いて大喜びで見に行った。

 キス・シーンだけはありました。なんか「仕事なんだからやらなきゃ!」と半ばヤケクソで唇を重ねているだけだった? 二人にとって初のキスシーンが、この映画だったらしい。なんでも松岡監督もラブシーン撮るのは初めてで「3人ともこれが初体験、男3人とも不幸だった」とインタビューで語ってました。

 睦月が紺のアパートに行き、洗濯物をきちんとたたんでおくシーンは、あら年上の世話女房、と思ってしまった。繊細な感じのトヨエツにはお似合いだったな。今となっては貴重な作品かもしれない。でも、なんとなーく現実感がなくて、ファンタジーって感じ。10数年前に、こんな映画が作られたのは画期的…だったんだろうか。

 私としては雷蔵の出た「剣」で、ライバル賀川(川津佑介)が童貞の国分(雷蔵)に「なんとしても女を知らせてやらねば」と自分のガールフレンドをあてがおうとした、そんなエピソードの方がよほど妖しく感じました。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=151805

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恍惚/ヴァレンティノより美しい

Swoonphoto1  かなり期待して見たんだけど、イマイチだったかも。

 期待した理由は、公開当時、友人がこの映画について熱く語ってくれたから。恋人リチャードに捨てれられたくない一心で、誘拐、殺人という罪に加担する青年、ネイサン。私も興味はあったのだけど。史上初の理由なき殺人、ということで。

 おろかな坊ちゃんたちは、あっという間に逮捕され、世間は騒然。99年だかの懲役を課せられる。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10185/comment.html?flash=1

 友人が語ったのは、小鳥を愛するネイサンが、ベッドに横たわり、ズボンから次々と小鳥の死体を取り出す、その意味がわからないと。

 私は胸が痛んだ。これから殺人に加担する自分が鳥を愛する資格などない。決意を固めるためにも愛するものの命を奪ったのだろう、と想像して。

 で、そのシーンを楽しみにしてだんだけど、期待が大きすぎたのか。ちょっと主演の二人も魅力に欠けてたなあ。邦題に偽りあり、です。いまいち意味不明だけど「恍惚」だけでいいよ。

 ムショん中で殺されてしまったリチャードの口に、指輪をくわえさせるネイサン。ここは良かった、友人が言ってた通りだった。

 でも、リチャードって取り調べのとき、ネイサンに罪をなすりつけようとしたんだよねー。お坊ちゃまの正体が見えてガッカリ。スポイルされて大きくなると、ほんと、大きな子供のまま、善悪の判断もつかなきゃ人の痛みも分からない。ネイサンはひたすら可哀想だった。彼の実像はどうあれ、ネイサンにだけは少し同情できました。

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恋人たちの曲/悲愴

Meisakue2  雪のモスクワ、祭りでにぎわう広場は、まるでバレエ「ペトルーシュカ」の冒頭のよう。チャイ様、いきなり男友達とはしゃいでおります。そう、この映画ではチャイコフスキーがゲイであったことを前提に描いているのだ。
 チャイコフスキー役はリチャード・チェンバレン。当時(70年)よく聞いた名だが、作品を見るのは初めて。なかなか男前でヒゲも似合う。

 母親をコレラで失ったチャイ様は、どうもマザコン気味である。女性への淡い憧れはあるが、肉体関係は結べない。なのに、ニーナ(グレンダ・ジャクソン)という女性の熱意に負けて結婚してしまう。
 結婚は失敗だった。「兄と妹のように」という希望はニーナには受け入れられないものだった。次第にチャイ様は追い詰められていく。そしてニーナも。

 パトロンのフォン・メック夫人は、チャイ様とニーナが別居したことを喜ぶ。結婚してからロクな曲が書けていなかったから。彼女は深く彼の才能を愛していたのだ。
 フォン・メック夫人は別荘をチャイ様に解放し、チャイ様は思う存分、創作活動に打ちこめるようになった。彼は交響曲4番を夫人に捧げる。

  マザコンなチャイ様は、高貴な夫人に、母の面影を求め、さらには理想の女性として崇拝していたようである。
 夫人もまた、成人した息子がいるような未亡人にも関わらず、チャイコフスキーにプラトニック・ラブを感じていたようだ。ベッドで午睡するチャイコフスキーの横に夫人が横たわり、指1本触れもせずに、それでも至福の表情を浮かべるのが印象的だった。

 しかし、幸福な時は続かない。チャイコフスキーの昔の愛人(♂)が夫人に彼の過去を告げる。潔癖な夫人は許すことができなかった。
突然、夫人はチャイコフスキーの前を去り、援助も打ちきられる。

 思い出の別荘の前で「何故なんだあーっ!?」と号泣するチャイコフスキーの痛々しさ。
 コレラが流行っていたのにも関わらず、いやそれだからこそ危険な生水を飲み干したのも無理はない。死にたかったのだ。
 苦しみの果てにチャイコフスキーは世を去る。
 その頃、かつての妻ニーナも精神病院で「私はチャイコフスキーの妻よ!」と叫びつつ、悲惨な日々を送っていたのだった。

 こんなに皮肉でシビアで、ある意味、小気味良い描き方をする監督がいたとは、一体、誰なのだろう?
 とエンドマークでやっと分かった、ケン・ラッセルだったのだ。さすがあ!

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16990/?flash=1

 かつて私にとって、チャイコフスキー=「白鳥の湖」だった。そのバレエシーンが映画にも出てきて嬉しかった。
 湖畔の野外ステージ。「白鳥」の3幕、黒衣のオディールが王子を誘惑している。

 妻と居合わせたチャイコフスキーは、「君の理想の愛は終った」と揶揄される。舞台ではオデットが王子の裏切りを哀しんでいた。
チャイコフスキーの音楽(とバレエ)を使って結婚生活の行方を暗示するシーンでにやりとしたが、それ以上に感心したのが「幻想序曲ロミオとジュリエット」の効果。

 チャイコフスキーの支援を申し出たフォン・メック夫人の元に、モスクワ音楽院長のルビンシュテインがやってくる。
「彼はいい曲を書きます」と、ルビンシュテインがこの「R&J」をピアノで弾くのだ。

 午睡するチャイコフスキーの隣にフォン・メック夫人が横たわるシーンで、再度、この曲が流れた。2人の愛のテーマなのだろうか。
私には、この2人もまた「ロミオとジュリエット」だったと思えてならない。
 ゲイの作曲家と、彼の才能を愛し、陰から支えた未亡人。「R&J」の世界からはほど遠く見えるが、障害の大きさからいえば、家同士の対立にも負けない。
 絶対に結ばれることのない恋人同士ながら、心から(心だけ)愛し合っていたはずである。

 だが、現実は、この理想の愛の存続を許さなかった。チャイコフスキーの過去を知って、夫人の理想の愛は音を立てて崩れてしまう。
並んでベッドに横たわったあの時が最高の瞬間だった。初夜の床であり、共に葬られた墓場の石の寝台でもあった。

 実際には、この「恋人たち」は1度も顔を合わせたことはないようだ。
ただ、フォン・メック夫人が突然、援助を打ちきり、その理由も不明、これは本当らしい。この作品では、そのへんをうまくチャイコフスキーの自殺決意に結びつけていて興味深かった。

 あまりにも激しく傷ましいチャイコフスキーの生涯。同時期にソ連でもチャイコフスキーの映画を撮っているが、こちらは多分、こんな赤裸々なものではないだろう。
 R.チェンバレン、G.ジャクソンの熱演(時にはおぞましいほどの)を見た今、ソ連製作の作品を見ても、きっと気の抜けたものに感じてしまうだろう。

 今後、チャイコフスキーの音楽を聴くたびに、夫人に去られて泣き叫ぶ顔を思い出してしまいそう。

http://cinema-magazine.com/new_meisaku/hisou.htm

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