イノセント・ラブ(2)

イノセント・ラブ DVD イノセント・ラブ

販売元:タキコーポレーション
発売日:2006/11/03
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  コリン・ファレル情報です。明日の夜、「S.W.A.T」が地上波で放映されます。1度レンタルで見たのですが感想を書いてませんでした、再見して感想を書かないと。

51dr39saxnl  本日は昨日の「ゾディアック」とは逆に、日本版のDVDジャケットがひどい、というお話です。左記が海外のものですが、絶対にこっちのほうがいいですよね。日本版はコリンが正面を向いていますが、だからなに、です。本作でのコリンの演技はとてもリリカル、左記のジャケット写真がぴったりです。なんでこんな訳のわからない改悪をするのでしょうか? 邦題もなってない、といってしまいますよ、もう!

 前の感想でキスシーンの映像を紹介しましたが、後にBGMはモーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」で歌われる3重唱(No.10 Terzettino  第10曲 小三重唱)だと判明しました。私も大好きな歌ですがタイトルがわからなくてー。「風よ穏やかに」というのですね。こちらで聞けます。歌詞は下記の通りです。

Soave sia il vento,         風よ、穏やかに
Tranquilla sia l'onda,      波よ、静かに
Ed ogni elemento          そして自然のもの全て
Benigno risponda          慈愛に満ち、聞き届けたまえ
Ai nostri desir              私たちの願いを
(Fiordiligi, Dorabella e Don Alfonso)

「日曜日は別れの時」でもこの歌が何度か流れましたが、他にも使用している映画がたくさんあるのかもしれません、名曲ですものね。05年の「クローサー」でも使われたそうです。

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ウーマン ラブ ウーマン 

ウーマン ラブ ウーマン DVD ウーマン ラブ ウーマン

販売元:ハピネット
発売日:2006/04/28
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ウーマン ラブ ウーマン」(邦題、確かに変です)。1軒の家に住んだ3組のカップル(じゃないケースも)を描いていきます。61、72、00年が舞台。61年にはヴァネッサ・レッドグレーブが出演、押さえた演技ながら圧巻です。72年にはミシェル登場、「ゾディアック」でジェイクと共演のクロエ・セヴィニーも。3話目がジャケ写にあるようにシャロン・ストーンと、今年のアカデミー賞で司会を務めたエレン・デジェネレス。

 本編の感想の前に、まずジャケットのキャッチに疑問が。女同士の赤裸々な性愛、みたいなあおりは、この作品の本質からかけ離れてます、喝!

 レビューは概ね好評ですが、「真面目な映画だが、 見る側としては興味本位でしか見ることができないので」ってさあ。なんでこう、自分を消したような、言訳めいた書き方するかね。見たのは貴方自身でしょう、「私は興味本位でしか見ることができない」とはっきり書けばあ、と、セクシュアル・マイノリティ映画の感想に特有の奥歯にものの挟まったような書き方にイライラ。

*以下、ネタバレ気味に話を進めますが、TV用に造られたというこの作品、とても完成度が高いし考えさせられます。ミシェルも出てるし、BBMファンは義務として見てほしいです。レズものはー、なんて尻込みしてる場合じゃないです。

◇1961

 冒頭、映画館で2人が見ているのは「噂の二人」。涙なくして見られないシリアスシーンになんと笑い声が。BBMの再会キスで笑いが起きたと公式BBSで話題になりましたが。ゲイでも笑った人は「見られて間抜けだなあ」くらいの意味、とさらっと書いてたけど、別のゲイが「早くDVDが出てほしい、自宅でじっくり見たい」と。今は「笑い声」に傷つくことなくBBMを鑑賞しているでしょうか。この映画を見て、やはりあそこで笑うのは不適切だと感じました。

 かなり救いのない話です、30年連れ添っても世間的には女2人が同居してるだけ。共同でローンを払ったといっても家が先立った彼女名義なら、残されたほうには何の権利もなく。ああー、どうして早めにどうにかしておかなかったの、いや、その矢先に、だろうか。胸が潰れるような思いで見ておりました。家族でもないエディス(V.レッドグレーブ)は最愛の人の死に目にもあえなかった。

 押しかけてきた甥とそのヨメは自分たちの権利を主張するばかり、来るなり家の中を物色です。あまりのことにエディスはベッドに突っ伏し吠えるように泣く。もう何と言っていいのか、せめてもの救いは甥夫婦の娘、亡き彼女の血を引いた娘のやさしさでした。

◇1972

 エディスが悲哀をかみ締めた家ではレズビアンの女子大生4人組が共同生活。ウーマン・リブの時代、なんですが、女性解放グループからつまはじきに。「私たちまでレズだと思われるから」って、なんじゃそりゃー!?

 そんな中、リンダ(ミシェル・ウィリアムズ)は男装のエイミー(クロエ・セヴィニー)に惹かれていくのですが。「男の真似をしてる」エイミーに仲間たちは冷たい。男の服の方が楽だっていってるのに、女らしい服(スモックなんですよ、流行りましたね、なつかしい)を無理強いするんじゃない! 女性「解放」運動の限界を見た気がしました。

 リンダとエイミーのベッドシーンは、あまりに平和で無邪気で笑顔いっぱいで、「女同士ってこんなに楽しくHできるんだー」って目からウロコが落ちまくり、こちらまで幸せな気分になれました。男×女、男×男のこうしたシーンは腐るほど見ましたが、これほどのびやかで愛にあふれた世界ははじめてかもしれません。ミシェルは抱きしめたくなるほど可愛いし、男装のクロエの魅力的なことといったら宝塚の男役もまっつぁお?

◇2000

 時代は移り、女性同士のカップルが人工授精で子供をつくろうとしてのすったもんだ、が語られます。「1961」の悲壮感はどこにもありません。それでも「将来、子供が差別されたら?」など不安は尽きません。2人の愛の結晶が大人になる頃は、セクシュアル・マイノリティだけでなく、あらゆる少数派が生きやすい世の中になっているように祈るばかりです。

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イノセント・ラブ

イノセント・ラブ DVD イノセント・ラブ

販売元:タキコーポレーション
発売日:2006/11/03
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  大のお気に入り映画「めぐりあう時間たち」のマイケル・カニンガム原作、となれば絶対よさそう、と思いつつなかなか見るチャンスがなかった同作品。ついに見ましたー。結果、いつも同じこと言ってるけど、どうしてもっと早く見なかったの!? そして、なんなのこのジャケ写は、この邦題は。邦題に合わせるなら元のコリンの横顔の方がよほどしっくりくるしA HOME AT THE END OF THE WORLD(この世の果ての家)という含みのある原題も生かしてほしかったです。

 自身ゲイであるカニンガム、主人公ボビー(コリン・ファレル)とジョナサン(ダラス・ロバーツ)の交流は心に沁みました。この映像では「兄弟のキスだ」とボビーは言っていたけど。別のダンスシーンも良かったし、高校生のボビー(エリック・スミス)がジョナサンの母(シシー・スペイセク、さすがの存在感)と踊る場面もなかなか。このエリックくんが気に入ったのですが年齢不詳? 「コールド・マウンテン」に出ていたそうですが記憶にないのですー。

「めぐりあう…」同様、あの病気がこの作品にも影を落とします。そして遺灰のエピソード。BBMを思い出して泣けます。BBMが気に入った方はきっとこの映画も好きになってくれそう、と勝手に思っております。

 唐突ですが、コリン・ファレルの魅力は「意外に首が細い」ことではないでしょうか? 眉毛のせいで濃ゆい顔に見えるコリンですが、けっこう首が細いしガタイもそんなに出来てない感じ。それが持ち前のピュアな資質とあいまって頼りなげで放っておけない、どこか脆い面を感じさせるのでは? 

 年上の女性相手に初体験で泣いちゃうシーンとか、私はけっこうコリンに似合って見えました。アレキサンダー大王もいいですが、パンを焼いたり赤ちゃんのおむつを替えるコリンも大好きです。いちばんいいのはコリンは女より男といた方が似合うこと、ですね。うーん。なんでこの役を引き受けたのでしょう、もちろん脚本(カニンガム)が素晴らしいのは認めますが。コリンもインタビューで美しい脚本と言ってましたね。

【本を読み終えるころは涙があふれて文字を読むのに苦労しました。家や家族をもとめて心の旅を続けた二人がたどり着く場所…忘れられない一冊になりました。そして、胸が一杯のまま見たDVD、原作者が脚本を執筆していますが、ストーリーがやや端折られていて説明不足かなぁと感じました。でも、とてもきれいにまとめられている映画です。】

 といった感想を頂いております。映画は97分、短いですよね。やはりはしょってあるのですか。でも確かにきれいにまとまってました。あの家もとっても素敵! ラストは余韻を残します、きっとあのあと…と希望を抱かせます。シシー・スペイセクが「私は2日で読破しました。未読の方は本屋に走って!」とインタビューで語っていたし…、この際、原作を読むべきでしょうか。

 こちらは真紅さんの感想です。自分で記事を書くまでは、と読まないできましたが、やっぱり原作は素晴らしいのですねー。同記事から「イノセント・ラブ」の感想に飛べます。

この世の果ての家 Book この世の果ての家

著者:マイケル カニンガム
販売元:角川書店
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エデンより彼方に

エデンより彼方に DVD エデンより彼方に

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2005/07/16
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「DAT」以来、デニス・クエイドがいいなー、と思い始め他の出演作も見たくなりました。「オーロラの彼方に」に出てたんですね。あんまりクセのない顔のせいか気づかなかったです。でもってメグ・ライアンの夫だったとは。ジュリアン・ムーアとも共演したのかあ、とこの「エデンより彼方に」の粗筋を読んで、ぶは!

 ななななんと妻に同性愛がばれた夫の役です…、結婚前から自覚はあったようです。「DAT」では頼れるデニス@パパ・ジャックでしたが。プロモで来日のとき、この経験を生かしジェイクにアドバイスをしたかも、BBMの撮影中だったし。「遠い空の向こうに」でジェイクのパパ役クリス・クーパーも「アメリカン・ビューテイー」では…だし、ジェイクも相談役に事欠きませんね?

 舞台は57年、コネチカット州ハートフォード。大好きなカラヴァッジオの絵はここの美術館にあるはず、私の憧れの地なんですが。キャシー(ジュリアン・ムーア)の夫はTV販売会社の重役・フランク(デニス・クエイド)、2人の子供にも恵まれたブルジョア家庭の主婦。地方社交界の花だけど、本当はストレスも感じてます。夫の「病気」を知ったキャシーはフランクに「治療」を受けさせ、彼も「立ち直ってみせる」と。

★以下、ネタばれ&BBMにからめた話も。読んでから見てもOKとは思いますが。非常に気に入りました、この映画はオススメです!

 まず概要はこちら。お上品なキャシーの言い回しは、こんな感じ

 フランクの「病気」がきっかけでキャシーはレイモンドという黒人男性に心ひかれていきます。またレイモンドがいい人なんですが、まだまだ差別が激しい時代、友人のつもりなのに、噂がキャシーと家族を追い詰めます。そして破局。フランクは涙ながらに告白、「べつの人を愛してしまった。その人はどうしても僕と暮らしたいと。」

 BBMを思い出してしまいましたよ。キャシーはアルマ同様、決定的な現場を見てしまっている。違うのは夫も見られたことを知り、なんとか夫婦間を修復しようと「治療」も受ける、でも結婚前に解決したはずの「問題」は消えるどころか…。運命の相手と出会ってしまったフランクは彼の希望を叶えようと、いや自分も彼と暮らしたくて妻に告白するんです。苦しかっただろうなー。

 デニス・クエイドの演技がなかなかです。本作の演技は高く評価されたようです。ジュリアン・ムーアもますます好きになりました。

 音楽は饒舌。エルマー・バーンスタインがメイキングで大いに語ってたけど、メロドラマとはメロ(音楽)+ドラマだそう。15年ぶりで好きな曲が書けたと喜んでましたが、半世紀に及ぶキャリアの最後が「エデンより彼方に」になった模様です。正直、まだご存命だったとは(2年前に逝去・合掌)。たっぷりと彼の音楽を聞かせてもらいました。

 極度に人工的な赤や緑は、50年代のテクニカラーの再現だとか。確かに当時の映画ってこんな色調だったような。色だけでなく「すべてがまがいもの」、そうかもしれません。「ベルベッド・ゴールドマイン」のトッド・ヘインズ監督作品。「ベルベッド…」を再見したくなりました。

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ウェディング・バンケット

Irvaibii  公開時に見たときは、あんまり印象が強くなくて。見たのがちょうどチャイナ・エアラインが名古屋の空港で大事故を起こし多くの死者が出た直後。ウェイトンの両親が台湾から同航空機でやってきてウヒャー、それだけははっきり覚えてます。

 粗筋は皆さんご存知と思いますが、台湾出身でアメリカに帰化し、ゲイの恋人のサイモンと暮らしているウェイトンが主人公。 台湾の両親を安心させるため、中国人女性ウェイウェイと の結婚を擬装する。 すると披露宴の夜、偽夫婦はなりゆきでHしちゃって、ウェイウェイが妊娠……。

 で、サイモンがとても出来た恋人で。ウェイトンの両親の面倒をとてもよく見てあげる。妊娠をめぐっては両親の目の前で3人がいさかうんだけど、英語通じないし、と本音をぶつけあってました。

 こんなことになって、ウェイトンとサイモンは元通りにやれるのか? 5年もいい関係を続けてきたのに。ウェイウェイにしたって、グリーンカード欲しさの結婚とはいえ、妊娠は全くの想定外ですよ。ほんとにどうなっちゃうのかなあ。

↓淀長先生の感想。けっこう、あっさり? 

http://www.sankei.co.jp/mov/yodogawa/931116ydg.html

↓アン・リーのことを女流作家と! 実は私も以前、アンちゃんは女性だと思い込んでました。(爆)名前って難しい。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10136/index.html?flash=1

★ここからネタばれです。

 ウェイトンのお父さんはサイモンを呼んで、何もかも分かっていたと。「恋人たちの食卓」でもお父さん役(「推手」を含めて父親三部作というんですね。)のラン・シャン、いい味だしてます。母親の方にはウェイトンがカミングアウト。「(ゲイは)一時的なものなんでしょ」なんて、こちらは素直に現実を認められない様子。

 3人が下した結論は、3人で夫婦と言うか家族としてやっていく、というものだった。両親は、互いに相手が何も知らないと思い、気を使いあいつつ台湾に戻る。さわやかなラストではあるんだけど、これから先、問題は多い。

 ウェイウェイに好きな男ができたら? その時は子供をおいて出ていけるか。ウェイトンとサイモンの関係に終止符が打たれたら? 3人のうち誰かにもしものことがあったら?

 その時はその時か。考えこんでも仕方がない。

 それにしても私、公開時に何を見ていたのだろう? こんなに深い話だったとは。さすがアン・リー監督、繊細な表現ぶりですよね。再見できてよかったです。

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王は踊る

王は踊る DVD 王は踊る

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2001/12/21
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 今日は4月に来日するパリオペラ座バレエ団のチケット発売日。あまり希望通りにはいかなかったが、なんとかチケットをゲットできてホッ。下記のように仰天価格なのに高い席からがんがん売れている、さすがあ。
http://www.nbs.or.jp/news/detail.php?id=284

 さて、バレエはイタリアで生まれ、フランスで発展したが、その立役者が太陽王ルイ14世。その辺の経緯が映画化されている。タイトルもずばり「王は踊る」(00・仏/ベルギー/独)。

 老いたる作曲家・リュリは死の床で少年王ルイ14世の幻を見る。出会ったころの幸せなだけの日々。王はこよなくダンスを愛し庇護した。
 華麗なる足さばきのバロックダンス、見惚れました。通常よりかかとの高いデコラティブな金色の靴を太陽王に差し出すリュリ。「私が履いて慣らしておきました」てさあ。主君・信長の草履を懐で温めた秀吉のエピソードを彷彿とさせるんですけど。(笑)

 それはともかく、フィレンツェ出身のイタリア人リュリは、太陽王を熱烈に愛している。けして触れられない相手ではあるが、舞踏音楽家として寵愛されているのだ。
「音楽は動きだ。王を踊らせてみせる」、リュリの音楽を王は気に入る。「リュリの音楽は喜びだ、満足している」。若きルイ14世を演じた役者、名前はわからないがなかなか美しい。いや、長じての14世(ブノワ・マジメル)も美しいですが。王の選んだ女と嬉々として結婚するリュリ(男色家なのに)。

 劇作家モリエールと組んで次々と王好みの作品を生み出すリュリ。しかし王の寵愛を独占しようとモリエールを排除したとたん、作品は輝きを失う。モリエールは現在も読み継がれているが、リュリなんて…、だものね。バロックダンスのBGMとしては聞けるが、単独だと眠くなります。癒されると言い換えてもいいが。

 一方、舞踏は進化していく。時代が進むにつれ、ジャンプや回転が増え、だんだんバレエに近づいていくのだ。王自らが踊り、フランス・バレエ界を擁護発展させていく。これが現在のパリ・オペラ座の礎になったかと思うと感無量である。ルイ14世が絶対君主として君臨していく過程が壮麗なダンスシーン、ベルサイユ宮殿の造営などを絡めて紹介されていき、なかなか楽しめる作品であった。

 ところで、王は踊らなかったという説がある。華麗な衣裳をつけて舞台に立ったのは事実、でもなにせ太陽だから、惑星役のダンサーが周囲をぐるぐる回っただけ、とどこかで聞いた。せっかくこんな映画も作られたことだし、本当に踊ったと思いたい~。

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永遠のマリー

シチリアへ行きたい Book シチリアへ行きたい

著者:小森谷 賢二,小森谷 慶子
販売元:新潮社
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シチリアへ Music シチリアへ

アーティスト:オムニバス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2002/12/18
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 ツアーでシチリアに行ったのは2000年の年明けだから、もう6年になる。なんといっても東の景勝地タオルミーナが忘れられない。フォン・グレーデンというドイツの貴族が、ここで地元の少年たちのヌード写真をたくさん撮り、それがきっかけでゲイのメッカとなったらしいのだ。あのオスカー・ワイルドも訪ねた街でもある。グレーデンの絵葉書も売っていて、私は当然、おみやげに購入。http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2003/Victorian/exhibits/gloeden_ja.htm

 前置きが長くなったが、「永遠のマリー」の舞台はパレルモだ。シチリアの州都にして、中世シチリア王国の中心地。
 しかし今のパレルモは没落の極にあるようだ。私は廃墟が好きなので、パレルモの街角で廃墟を見かけるたびに喜んでいたが、次第に滅入ってきた。あまりにも廃墟だらけなのだ。シチリアのかつての栄華は過去のものとなり、崩れかけた豪邸の跡地のひとつひとつに亡霊が住みついていそうだった。

 主人公マリーは16歳、女の子のようにきれいな男娼だ。長い髪、どぎつい化粧、女装してパレルモの街角に立つ。ある夜、警察の手入れがあり、マリーは少年院に送られてしまう。マリーが少年たちの牢の前を通ると、口笛と叫びの渦。女のようなマリーは少年たちをいたく刺激したらしい。

 少年院に、新しい教師マルコがやってくる。彼らを親身に指導するマルコ先生。
マフィアに憧れる少年たちに、マルコ先生は真実を語る。
彼らはシチリアの水道をコントロールしており、断水が多いのもそのためだ。騙されてはいけない、と。
 後にシチリアに興味をもって調べたとき、観光客向けのホテルの水道代は住民の百倍(!)と知って仰天した。高い分、ホテルでは水はふんだんに使用でき、プールもOK。普通の水道はしょっちゅう断水するのだとか。シチリアのホテルで水に困ったことはなかった。住民の水事情はどうなのだろうか。

 マルコ先生に、マリーは次第に惹かれていく。きっと初めて、自分を肉欲の対象として見ない、人間として扱ってくれる人に巡り合ったのだろう。
 マリーは先生に告白したのだっけ、何も覚えていない。告白されたら先生は…困っただろうなあ。

 データによれば88年製作、イタリア映画。私はいつ見たのだろう、場所が六本木シネマテンだったことだけは覚えているが。
 結末さえ思い出せない、ほとんど記憶の底に沈んでしまった映画なのだが、マリーのつぶやきだけは忘れられない。

 早く年寄りになりたい、とマリーは言った。そうすれば苦しまずに済む、と。
 男娼として生きる自分に、16歳にしてマリーは疲れてしまったのか。美しい顔立ちも、男の欲望をそそるだけ。だったら若さなどいらないと。
 M.デュラスは「18歳にして私は老いた」と書いたが、マリーは16歳にして、心はすでに老人なのだろうか。

http://www.walkerplus.jp/movie/kinejun/index.cgi?ctl=each&id=16716

↓チラシの画像が見られます。

http://www.babu.jp/~cagney/chirashi_1993-001.html

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M.バタフライ

ともだちシネマ Book ともだちシネマ

著者:中野 翠,石川 三千花
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  中野翠さんと石川三千花さんの言いたい放題が楽しい「ともだちシネマ」。近所の古書店の2冊100円コーナーで見つけて即ゲット!
 95,96年頃の対談だが、いま読んでも面白い。いろんな作品、アクター、アクトレス、カップル。そうそう、そうだった、とか、こんなアクターがいたんだー、と感心したり。リアルタイムで読みたかったかも。
 
 で、この二人のことだから当然、ジョン・ローンの「M.バタフライ」にも言及されている。
 三千花さんの「勝手にシネマ」によれば、「これを劇場で見た人は10年後、自慢できます」とのこと。公開は94年、もう10年以上たっている。
 私、公開時に見ているのだ、よーし、思いきり自慢しちゃおう。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167582023/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-2004234-7919944

 実話だそうである。中国に赴任したフランスの外交官が、中国女性を愛人にした。彼女はスパイで20年にわたって彼から得た情報を当局に流していた。おまけに「彼女」は実は男性で、外交官は20年(!)もそれに気づかなかった、のだそうだ。

 1964年、北京。フランスの外交官ルネ(ジェレミー・アイアンズ)はオペラ「マダム・バタフライ」を見てヒロインのソン・リリン(ジョン・ローン)に夢中になる。彼女こそルネの理想の「東洋の美」そのものだった。

 しかし、ジョン・ローンって女装すると男っぽく見えるのよねー。これに20年も騙されるか? まさに恋は盲目。
 もちろんHはするのだが、彼女は絶対に脱がない、裸を見せない(見せられない)。「君のすべてを見たい」と乞われると、「私、妊娠したの」。どこからか赤ん坊を調達してくるのだが、それが全くの東洋人顔。これにも騙されるルネって?

 やがて真実が暴露される。男に戻ったソンと対面させられるシーンは痛々しいというより、思わず目を背けたくなる何か(ブキミと書くと語弊あり?)が…。
 護送車の中で何故ヌードなんだジョン・ローン!? 「本当の私を見て」って言われてもなあ。
刑務所に入ったルネのパフォーマンスに至ってはホラーである、いやー、冷や汗の連続。

 いったい監督は誰…と思ったら、D.クローネンバーグ。これで納得、やはりホラーとして見るのが正解?
 石川さんは「ヘンなもの見ておもしろかった、と言える度量が必要」とコメントしてるけど、私も楽しみましたとも♪
 
ちなみにタイトル「M.バタフライ」の「M」は、マダムではなくムッシュの略だそう。

 スターチャンネルをご覧になれる方、29日にオンエアとのことです。明日の「暗殺の森」といい、いいなー♪

http://tv.starcat.co.jp/channel/tvprogram/0993200601100700.html

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オルランド

オーランドー Book オーランドー

著者:ヴァージニア ウルフ
販売元:筑摩書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この映画のDVDも入手困難なのねー。概要は下記から。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006AUTL/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-2004234-7919944

「けっして老いてはならぬ」
 エリザベス女王の言葉で、貴公子オルランドは不老不死となる。
戦場をくぐり抜けた夜から6日間、昏睡。目覚めたとき、オルランドは女になっていた。
その裸身を鏡に映し、彼女はつぶやく。
「同じ人間。性が変わっただけ」
 オルランドはその後、女として生き、子どももできる。それが現代の話で、オルランドは自伝らしきものを書き、出版社に売り込むのだった。

 ヴァージニア・ウルフがこんな小説を書いていたとは知らなかった。というか、ウルフの小説は読んだことがなく、せいぜい「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」という映画があったなあ、程度の知識なのだ。

 サリー・ポッター監督作品はなんとなく敬遠してきたのだが(ほら、フェミニズムの視点がどうとか、鼻につくような気がして)、ティルダ・スウィントンの好演もあって、楽しく見ることができた。
 彼女は故デレク・ジャーマンの作品でも異彩を放っている。「カラヴァッジオ」でイモ娘から美貌の娼婦へと変身したのも見事だったし、「エドワード2」では憂愁の王妃イザベラを演じ、その美しさに息を呑んだ。
が、けしてベタベタしたお色気タイプではない。だから優しげな貴公子が似合うし、ロシアの少女と愛を語り合っても違和感がないのだ。

 それにしても「ある朝、突然性が変わっていました」と、あっけらかんと語られても困る。このエピソードで思い出したのが萩尾望都の「スター・レッド」だ。

スター・レッド Book スター・レッド

著者:萩尾 望都
販売元:小学館
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 クライマックス、主人公の少女レッド・星(セイ)は昏睡状態、少年と二人(関係は忘れた)、宇宙に取り残される。脱出できるのは一人のみ。
 しかし二人は生還する。少年が女性に変容し、セイを身ごもるという形で。聖母マリアもびっくりだ。
 あれ以来の驚きでしたね、「老いてはならぬ」と言われただけで不老不死となり、途中で性転換までしちゃうなんて。敬遠してないで、もっと早く見ればよかった。

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エドワード2

DVD エドワード2(廉価版)

販売元:ビデオメーカー
発売日:2005/04/22
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B00005hkho09 2年前の夏のことだが、モンテカルロ・バレエ団のAsier Uriagerekaというダンサーが気に入り検索したら、真っ先にヒットしたのがバレエ「Edward 2」。
 エ、エドワード2世!? と激しく動揺してしまった。
いや別に不思議なことではない、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団で上演された作品だし、Uriagerekaはここに在籍していたのだから。

 http://www003.upp.so-net.ne.jp/gyokusekikonko/edward.html

 エドワード2世は13世紀、イングランドの王。妻イザベラを顧みず、愛人のガヴェストンを寵愛し出世させた。貴族たちは反発し、イザベラを愛する軍人モーティマーとともに反旗を翻す。ガヴェストンは惨殺され、復讐を誓う。

 バレエの方もデレク・ジャーマンの映画「Edward2」と筋は同じようだ、というより映画の影響が見られる個所もあるとか。牢番の衣裳はSMのボンデージ風。「この作品には性的に露骨な表現が含まれています」と注意書き付のバレエなのだそうだ。(汗)

コロス:世界がこれほど嫌っているものをなぜ寵愛なさるのか?
エドワード:全世界を併せたよりも、彼が私を愛してくれるからだ。

 そう、映画でもエドワードのガヴェストンへの寵愛ぶりは印象的だった。主演の2人に共感を抱けないのが難点だったが。

 エドワードは弱々しく、タカビーなガヴェストンに振り回されているが如く。しっかり国政をやらんかい、とどやしつけたくなる。
 私はどうしてもイザベラや貴族たちの立場になってしまい、「こんなに愛しているのに、あんな男にいれこんでッ!」だの「でたらめにも程がある、許せん」だのと怒ってしまうのだ。
 が、ジャーマン(彼自身もゲイ)は別に共感を得られる愛を描きたかった訳ではないだろう。

 エドワードは結局、「外に傷を残さない方法で」始末される。しかし、息子のエドワード3世によって、イザベラたちも捕らえられ…。
まことに人生は諸行無常。

 ところでバレエ「Edward2」のレポートには、エドワードとイザベラ以外、キャストの記録がないのだった。Uriagerekaは何役だったのか、当時(98年)はまだ22,3歳だからたぶんガヴェストン、まさか牢番ではないだろう。

 きっとガヴェストンよ、あのワンコロのように可愛かったロミオ役の彼が、20代前半の若さでボンテージ牢番ってことないわよね、そうよそうよ!
と必死に心を鎮めようとする私であった。

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