ターミネーター2

ターミネーター2 特別編<期間限定スペシャル・プライス版> [DVD] DVD ターミネーター2 特別編<期間限定スペシャル・プライス版> [DVD]

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008/12/19
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 先日、「3」を地上波で見て、そこそこ楽しんだのですが。前の2作は何度も放映されてはいましたが、きちんと見たことはなく。昨夜は「2」の放映をしっかり拝見しました。2作目まではジェームズ・キャメロン監督によるもの。彼は「ターミネーター」は「2」で完結している、として「3」の製作には疑問だったようです。「2」のタイトルに「Judgement Day」というサブタイトルを見たとき、やはりキャメロンの疑問はまっとうなものだった、と実感しました。

「3」だけ見たのなら、これはこれで面白い、と思ったでしょうが。「2」を見た後では、映画としての格が違うといいますか、91年の製作というハンデを超えて、圧倒的に「2」が質的に高い、とわかります。日々、SFXの技術は進歩していますから、それは「3」の方が見ごたえはあるのかもしれませんが、ドラマの点で言えば。そして、未来の危機は回避されたはずなのに、「先延ばしされただけだった」と、新たな危機が創作された点には、やはり疑問が残ります。

「2」ではT-1000という【変幻自在の液体金属の身体を持つ最新型モデル】アンドロイドが画期的でした。旧式である、シュワちゃん演じるT-800は、まともには太刀打ちできない。ということも、今回やっとわかりました。過去の放映では、ちらちら見ただけ。ラストの溶鉱炉での壮絶な最期、その直前、マグナムを打ち込まれてシュールに裂けた液体金属の身体など、12年後の「3」には、さしてショッキングなシーンはなかったですね、今思えば。作る意味があったとすれば「確実に儲かるから」、それだけでは? エドワード・ファーロングも出てないしね。「3」の製作自体が、今の私には疑問なので、彼が出なかったことも、もはやどうでもいいですが。久々に輝く姿を見て、子役から大人の役者への脱皮の難しさを思いやるのでした。

 そういえば「4」の主演は、やはり子役から見事、大人の役者に成長したクリスチャン・ベール。特に見たいとは思わない「4」ですが~。そんなことより、来週の「土曜プレミアム」は「トランスフォーマー」が地上波に登場! 「トランスフォーマー・リベンジ」公開に向けて、しっかり復習したいと思います。

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ダークナイト(2)

ダークナイト 特別版 [DVD] DVD ダークナイト 特別版 [DVD]

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2008/12/10
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 ヒースが、見事ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞に輝きましたね! おめでとう、ヒース。アンは残念でしたが、ノミネートだけでも素晴らしい快挙です。コリン・ファレルもコメディ部門で主演男優賞、よかったです。しかし、ヒースの名前には「故」が付き、「助演男優賞が捧げられた」という表現は、せつないです。生きていて自身で授賞式に出られたら、どんなにか。3年前はBBMで主演男優賞の候補になりました。受賞はできなかったけど、BBMが高く評価され、ジェイクと共に注目の存在に。

 さて、「ダークナイト」です。結局、私は映画館で1度、見ただけなんですよねー。ヒース@ジョーカーは震えがくるほど凄かった。思い出すだけで怖いのと悲しいのと、複雑な気持ちが入り混じって、やはりDVDには手が出ていません。これじゃいかんのでしょうけど。しかしヒースが渾身の力で臨んだ役です、どうか皆様、1度は見てくださいませ。

 前にも書いたけど、私はマギー姉さんがヒースと共演してくれたことが、とてもとても嬉しかったです。映画館で泣いてしまったのは、ヒースの最後の時間(残された時間は少なかったですよね)に、ジェイクの身内であるマギーがいてくれたこと。それだけで、なんだかほっとしてしまって、涙腺がゆるだ模様です。

 これからも多くのアワードで、イニスの演技が評価されるのでしょう。一周忌も近いですが、今回も含めて、演技を評価され、ノミネートや受賞されることが、少しでもイニスの供養になれば、と願うばかりです。

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ダークナイト

ダーク・ナイト Music ダーク・ナイト

アーティスト:サントラ
販売元:Warner Music Japan =music=
発売日:2008/08/06
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 2日前に見てきました。かなり濃密で悪夢のような映画、といえばいいのでしょうか。主役のはずのバットマンはヒース@ジョーカーの前に霞んでしまったような。とにかく見てください、あのジョーカーには圧倒されました、今までイージーにこの表現を使ってきたのだと反省、生まれてはじめて「圧倒される」という真の意味を体感しました。

 来日会見でマギー姉さんは「ヒースは本当に自由で、あらゆるものを超越していました。」と。プログラムには、「その自由は伝染する」と。ジョーカーのキャラクターもとてつもないものだし、演じたヒースも。後半は「ヒース、どうしてこんな役を引き受けてしまったの?」と涙しておりました。マギー姉さん@レイチェルとヒース@ジョーカーが向き合う場面ではなんとも言えない複雑な気分で、でも最後に彼女が少しでもヒースのそばにいてくれてよかった、なんて思って泣けてしまいました。

 みのわあつおさんがプログラムに寄せた「正義、ルール、疎外ーバットマンのジレンマ」の冒頭に「『ダークナイト』は最初から最後までリミッターが振り切れている。だから、傑作だ」とありますが、実に的確な表現だと思います。常にリミッターが振り切れている、まさにそんな感じ。ここまでやらなくても、というシーンやエピソードが満載、人間ドラマも濃厚で、普通の映画が5本くらい出来そうです。人間の2面性が大きなテーマではありましょうが、いやー、出演陣も主演級がずらりと揃い、それこそ5本分の豪華さとクオリティの高さがあり、大満足でした。

 好き嫌いは分かれると思います、私は大好きだけど続けて見たいかと問われると、うーん。次回はDVDで、と帰り道に考えていました。それにしてもマギーを見直しました、今回はいつにも増して美しいですね、存在感も素晴らしくて、以前よりずっとずっと好きになりました。「恐ろしいシーンでもヒースと一緒に演じるのは楽しかった」そうです。

 ヒースについては「今までで一番楽しかった役」との発言の意味がわかりました、とにかく超絶キャラなんですよ、でも楽しかっただろうなあ、と思えましたね。見るのが怖いというファンも多いでしょうが、ヒースが打ち込んだ役ですから是非、見てくださいね、劇場で見逃したら後悔しますよ、それだけは請合います。

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旅立ちの時

旅立ちの時 DVD 旅立ちの時

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2007/12/07
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 もう20年も前の作品なんですね。1年半ほど前にDVDで拝見しました。3回も続けて見て感銘を受けたくせに何故か感想を書けないまま。ジェイクのママがアカデミー脚本賞の候補になった作品。当時8歳のジェイクは、受賞発表まで起きているつもりが睡魔に勝てなかったそうですね、8歳じゃねー。そんな彼も今年で28歳! 

 リヴァー・フェニックスも本作でアカデミー助演男優賞にノミネート。獲らせたかったですね、とても爽やかでリリカルで琴線にふれる演技でした。マーサ・プリンストンとの辛い会話など泣けてきます。彼が亡くなってから、15年がたとうとしてるなんて。当時は映画に疎かったこともあり、リアルタイムで作品を見たことはなかったんですけどね。本当に惜しいです。

「代理人」でも思ったのですが、親のエゴで子供を縛っていいのか? ということです。タイトル通りの結末でほっとしますが、ダニー(リヴァー)をあそこまで苦しめる前に解放してやってほしかったです。この両親の場合、特殊ケースですけどね。逃げ回ってもどうしようもないと思うのですが。

 ダニーと両親の関係もそうですが、ダニーの両親が、それぞれの親に対する思いも丁寧に描かれていて、せつなかったです。ママが父親に会い、和解するシーンは特に。若さゆえの正義感、そして暴走。でも、いつかは付けが回ってくるんですねー。

 ラスト(だけじゃないけど)に流れる「Fire and Rain」は名曲ですね! ダニーはあのまま立派なピアニストに成長したと思いたい。本作でのリヴァー、まぶしいくらいに輝いてました。今になって彼の映画を見てファンになり、それから逝去していたと知ってショックを受ける方もいるそうです。ヒースより更に若くして世を去ったリヴァー、本当に残念です。

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代理人

代理人 DVD 代理人

販売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日:2008/02/20
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 95年の未公開作品です、ジェイクのパパが監督、ママが製作・脚本ということで思わずゲット。ジェシカ・ラングとハル・べリー、2大オスカー女優が火花を散らし、男性陣もデヴィッド・ストラザーン、サミュエル・L・ジャクソン、キューバ・グッディング・Jrという豪華キャスト。現在、この顔ぶれで撮るのは大変では? 演技面だけでも見ごたえが。前向きなドラマで「Rendition」の後でもあり非常にさわやかな気分になれました。

 データにありますように、子供の養育権を巡って、育ての親と産みの親が法廷で争う話です。シカゴの病院でソーシャルワーカーとして働くマーガレット(ジェシカ・ラング)。ゴミ捨て場で置き去りにされた黒人の赤ん坊(イザヤ)が病院に運ばれてきて、マーガレットは、養母となることを決意します。

 麻薬漬けの母親カーラ(ハル・ベリー)はその後、更正してイザヤを取り戻そうとしますが…というわけで法廷シーン。互いに傷つけあうことになります、イザヤを愛している母親同士が争うのは辛い。黒人の子は黒人の母親のもの、というカーラの弁護士の考えには、そう決め付けていいのかなと疑問を抱いたり。いや、考えさせられました。

 どちらの母親の気持ちも想像できるだけに。どうにか円満解決できないものか? 大岡裁き(例の「子どもの手を引っ張り合い、勝ったほうを本当の母親と認める」件。二人の母親が子どもの手を引っ張り合うと、子どもは痛がって泣き出します。遂に一方が手を放し他方は勝ち誇りますが、越前守は「手を放したほうが本当の母親である。本当の母親ならば、痛がる子どもの手を無理に引っ張る筈がない」)みたいにはいかないのか?

「幼子が彼らを導くであろう」、イザヤ書の言葉通りのほっとするラストシーンですが、途中から思ったように子供の気持ちを考えてほしかったので安堵しました。きっとナオミ・フォナーはこの言葉にインスパイアされて物語を考えついたのでは? 赤ちゃんの名がイザヤですからね。そう思うと「代理人」という邦題は、うーん。原題の「LOSING ISAIAH」を生かしてほしかったような。

 しかし「大岡裁き」も、子供の気持ちは? ですよね。その子はおそらく手を離してしまったお母さんを慕っていたのでは、と思いますが、エピソードからは子供の意思は読み取れません、大人の都合だけで決めちゃっていいのかな、と、こんなふうに考えるようになったのも「代理人」を見たおかげ。未公開作品ですがDVDで見られて嬉しいです、オススメです。「Rendition」も是非、日本公開を。せめてDVDだけでも~!

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題名のない子守唄

映画「題名のない子守唄」オリジナル・サウンドトラック Music 映画「題名のない子守唄」オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:エンニオ・モリコーネ
販売元:BMG JAPAN
発売日:2007/08/22
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 ジュゼッペ・トルナトーレ作品に特に思い入れはないのだけど、チラシ裏の下方に写っていた寺院に目が釘付けになりました。これはトリエステのカナル・グランデ(運河)の奥にあったあれでは? やはりそうでした、「題名のない子守唄」の舞台がトリエステなら見ないわけにはいきません。

 須賀敦子さんの「トリエステの坂道」を読み、どうしてもこの街を訪れたくなった私。7年前のちょうど今頃、ツアーではまず訪問できない街トリエステを目指しました。アリタリア航空のストでミラノ着は真夜中、中央駅で怖い目にあったり、乗り継ぎ便がオーバーブッキングだったり、難儀しましたが、一便遅らされたおかげでトリエステには夕方着。夕日に染まる海を見ることができたのです。

 というわけで思い入れたっぷりで見に行ったのですが、困りました、なんと書いたらいいものか。詩人サヴァが言った様に「棘のある街」トリエステにふさわしい物語といいましょうか。正直「ミス・ポター」を見るべきだったかと。あちらなら気持ちよく泣いて帰ってこれたはず?

 イタリアの街っぽくないなあと感じた方も多いのではないでしょうか。トリエステはオーストリア領だったせいか街並みがウィーンみたいだなあ、とウィーンに行ったこともないのに思ってしまった私。なんというか沈鬱なムードの街なのです。海に面した通りは違いますけど。この映画には海も出てこないし、言われなければイタリアが舞台と知らずに終わったりして。確かにトリエステはイタリアの辺境と呼ばれたりしますけどね。

 Hiro-peeさんの感想(映画観てある記をどうぞ)にはうなづくところが多いです。【トルナトーレ監督が「母の愛は、いつどんなときも強く、揺るぎのないものなのです」と言っている。(中略)ただ、「母の愛」を全面に出して映画を作りたがるのは男の勝手な妄想でしょ、とだけ言っておこう。】だそうです。

 Hiro-peeさん同様、疑問山積でありながら最後まで見せてしまうところは確かにトルナトーレ監督、さすがだと思いました。R-15指定も無理ないな、のシーンも多く見る人を選ぶ映画だと思いますが、私は見てよかったです。ただ、見終わって爽快とはいかない映画でございました。

須賀敦子のトリエステと記憶の町 Book 須賀敦子のトリエステと記憶の町

著者:岡本 太郎
販売元:河出書房新社
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*以下、ややネタバレ感想です。

 私は主人公イレーナの執着が「母の愛」なのか疑問でした。イレーナがレアにこだわるのは、唯一愛した男の子供だから、なんですよね。その気持ちは想像できますが、母ではなく女の妄執に感じました、レアに彼の面影を求めたとの告白もありましたよね。他にも何人も産んでいるのに、その子たちは奪われてもアクションを起こさなかった、母の愛なら他の子も探すのでは~?

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タイタニック

タイタニック アルティメット・エディション DVD タイタニック アルティメット・エディション

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2006/01/07
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「タイタニック」(97・米)は例をみない大ヒット作品だが、膨大な非難も浴びたようである。巨額の制作費をかけておいてハーレクイン的チープな恋しか描けなかった、主人公以外の描き方がステレオタイプ、等々。

 私もパニック映画はどうも、といいながら、豪華客船に乗った雰囲気を味わいたいがために(映画の日だったし)見ただけである。だが、続出したリピーターは、パニックを乗り越えて生き抜こうとするジャックとローズに何度も逢いたかったのだろう。誰もがアルトマン監督ではないのだから、そうそう集団を細やかに描くのは無理だろうし。

 いよいよ沈没というとき、最後まで「主よ御許に近づかん」を演奏した弦楽四重奏団の毅然とした姿、そのメロディの乗せての、各々の最後の姿が印象的だった。
絶対に沈まない船のはずだったタイタニック。船長は、あまりのショックに呆然自失。タイタニックの設計者は時計を止め、静かにその時を待つ。

 あがくことをやめ、ベッドの上で抱き合う老夫婦。子供たちにおとぎ話しを語って聞かせる母親。覚悟を決め、ブランデーグラスをくゆらせる紳士。もちろん、先を争ってボートに乗り込もうとする男たちがいる。制止しきれなくなった船員は客に発砲、それを恥じて自殺する。
 これだけ見せてくれたら充分ではあるまいか。巨額の制作費もとっくに回収できてるんだろうし。

 恋愛映画としての「タイタニック」での私の最大のツボは3箇所。

 その1。ローズはジャックの勧めで一旦はボートに乗りこむ。それでいいの? もうジャックと逢えないかもしれないよ、と気を揉んだものだった。
 と、やはりローズは無理にボートから降り、ジャックの元に駆け寄る。「君はなんてバカなんだ」と言いつつ、ジャックもローズを抱きしめる。よかったー、と安堵の涙がこみあげるシーンだ。一方、ローズの婚約者は嫉妬に狂い、二人はまたピンチに。

 2。海上でのジャックの最後の言葉。「君はここでは死なない。どんなことがあっても生き延びると約束して」。やはり泣けます。ジャックの亡骸が海中に消えていく場面は辛いが、生きるために、次のステップに踏み出すために、ジャックとの約束を果たすために、ローズには必要なことだった。

 3。ラストシーン、ボールルームの大階段の上でローズを待つジャック。あのシーンは本当に忘れられない、夢で逢いたい人が私にもいるから。

バック・トゥ・タイタニック Music バック・トゥ・タイタニック

アーティスト:サントラ,シセル,ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団
販売元:ソニーミュージックエンタテインメント
発売日:1998/09/09
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  98年の元旦。散歩に出た私は、たまたま「タイタニック」上映館の前を通りかかった。今日は映画の日か、安く見られるけど混むだろうなあ、と映画館の前を一旦は素通りして山下公園へ。

 公園に着き、氷川丸の姿を目にしたとたん、やはり「タイタニック」を見たくなった。飛行機も好きだが、船も好きなのである。上映開始にも間に合い、なんとか2列目に席を確保できた。
 結果、私はものすごーく感激し、心地よい浮遊感に包まれて映画館を出た。封切られて3週間しかたっておらず、「タイタニック」が社会現象にまでなる映画とは夢にも思わなかった。

 そもそも公開前は「史上最高のパニック映画」という評判ばかりで、ラブストーリーはつけたし程度の印象であった。それが、蓋を開けてみたらレオさま大ブレイクのメロドラマ。キャメロン監督は恋愛映画として作ったつもりはないと思うのだが。

 それが意外にも、ジャックとローズの恋、正確にはレオさまことディカプリオの魅力に参ってしまったりして。
 彼を見たのは「ギルバート・グレイブ」がお初、演技の上手さに舌を巻いたが、まだまだ子供な感じで、ときめきは覚えなかった。

「タイタニック」では少年ぽさを残す青年を熱演しており、私は少年以上・青年未満の男性がいちばん好きなのかもしれない。とにかく一途で、目が離せないジャック。こんな人となら凍てつく海に飛びこむのも怖くない?

 ディカプリオ出演作は他に「太陽と月に背いて」が好き。当時は19くらいだったか、16歳のランボーを鮮烈に演じていて、これと「タイタニック」の頃、彼は本当に輝いていたなあ。

 それにしても、「タイタニック」ほど結末が知れている映画も少ないだろう。「タイタニック」と聞いただけで、あの悲劇の豪華客船、乗客はほとんど死んだ、と誰でも想像がつく。出港に浮き立つ乗客たち、1等の上流階級と、船底に近い3等の庶民の船室は天地ほどの差があったが、死は平等に訪れた。金持ちからボートに乗ったが、あのブランデーをくゆらせていた紳士のように、船と運命を共にした人もいたのだろうか。

 人類の歴史が始まって以来、死ななかった人は一人もいない。栄華を極めた者も必ず死ぬのだ。そして、タイタニック号に限らず、世界の海の底には膨大な数の死者が眠っているのだろう。

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黄昏

黄昏 DVD 黄昏

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2005/11/25
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 昨日はずーんと落ち込んでいた。前夜、楽しみにしていたバレエ公演をローラン・イレールが降板と聞き、ショックで立ち直れなかったのだ。詳しくは昨日のバレエ日記をどうぞ。

 こんなときは思い切り泣ける映画を見たい、涙を流すことで癒されたい、と思ったが手持ちのDVDにはそういうのが見当たらない。と、テレビをつけたら、テレ東が午後のロードショーを放映中、少年と釣りをする老人の姿が。

 …これって、「黄昏」じゃないの? と思ったら、やっぱりそうだった。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=13995

 心臓病の80歳の夫。演じたのは「イージー・ライダー」のP.フォンダの父親、ヘンリー・フォンダ。これが彼の遺作になった。妻を演じるのはキャサリン・ヘプバーンだ。二人ともこれでオスカーを獲ったのだっけ。

 美しい水辺で暮らす老夫妻のもとに、孫の少年がやってくる。娘(ジェーン・フォンダ、ヘンリーの実の娘)とは不仲だが、老人と孫は仲良しになる。そして、娘もやってくる。

「J・フォンダが不仲だった実父ヘンリーのために用意した作品」と解説にあるが、人生最期のときに、こんな名作で共演、オスカーも手に入れて、ヘンリーは満ち足りて旅立ったのだろうな、と思うだけで涙。何気ないシーンの数々に、デイヴ・グルーシンのきらめくようなピアノ曲に、また涙。そう、公開時も音楽がいいと思ったんだっけ。

 この映画、上京してまもなく見たのだ。年をとった分、深く味わえたと思う。若かったあの頃、希望だけはあったなあ。もっと違う道が、とは思うが、いまある自分を否定しても仕方がない。

 泣いて泣いて、涙と鼻水にまみれて、イレール・ショックはやっと少し和らいだ。でもやっぱり、今夜の舞台に彼が立つことはないと思うと切ない。出演が決まって半年、本当に楽しみにしていたのに。あ、ぐちぐちとすみません。

 思いがけなく再会できた映画「黄昏」。改めて名作だと思い知った。ようやくのDVD化だそうで、しかも980円、素晴らしい。フォンダ親子の不仲は、ヘンリーの浮気がもとでジェーンたちの母親が自殺したからとか聞いたが、それじゃ不仲にもなるだろう。でも、最後に映画という親子の共通の仕事を通じて和解したようだ。

 それにしても、ありがとうテレ東! この午後の映画枠、意外に名作をオンエアしてくれるんだよね。「モーリス」を再認識できたのも、この番組だったし。気になる映画を選んで見るのもいいが、こうしてオンエアされた作品でお気に入りと出会う(再会する)のも嬉しいものだ。

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ダロウェイ夫人

ダロウェイ夫人 Book ダロウェイ夫人

著者:ヴァージニア ウルフ
販売元:角川書店
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「めぐりあう時間たち」とも深い関わりのあるヴァージニア・ウルフ原作の映画「ダロウェイ夫人」(97英・蘭)。http://orlando.jp.org/VWW/M/dalloway.html

 時は1923年、第一時世界大戦の傷跡が生々しく、路行く傷痍軍人が目立つロンドン。
 その朝、ダロウェイ夫人(ヴァネッサ・レッドグレイブ)は、夜のパーティのために花を買いに出かけた。夫は有能な政治家、なにひとつ不自由のない暮らし。そして夫人はいつも完璧なホステスだった。今日もパーティの成功しか頭にない。
 公園で戦友の幻を見て錯乱するセプティマス(ルパート・グレイブス)、どこかで見たような、と思ったら「モーリス」のアレックだ、おじさんぽくなったが、なかなかの熱演。

 夫人のかつての恋人、ピーターがインドから一時帰国する。皮肉屋の彼だが、なぜ夫人は彼と結婚しなかったのか。回想を織り交ぜながら話は進む、パーティに向かって。
「めぐりあう時間たち」の直後に見たので、両者の関わりがよく判って興味深かった。2001年のニューヨークのクラリッサは、ダロウェイ夫人と同じ名前であり、パーティ好き、それであだ名が「ダロウェイ夫人」。他にも複雑な絡みがある、夫人の代わりにウルフが殺したのは誰か、とか。
 セプティマスの妻は、なんとか夫を治そうとするが、戦友の幻影を消し去ることはできない。

 幸せなダロウェイ夫人、と周囲は思うが、本当は心の満たされない生活。それを「めぐりあう時間たち」の51年のローラは言い当てていた。ローラももう一人のダロウェイ夫人だったのだ。夫人と違うのは、家族を捨てて自分らしい生き方を求めたこと。結果、息子リチャードから「悪魔」と呼ばれ、彼の書いた自伝小説の中では死んだことにされたが。
「後悔はしていない、後悔してなんになるの?」老いたローラの言葉は重い。

 そしてダロウェイ夫人。空疎な幸せのなかで、今夜のパーティもなんとか成功だった。懐かしいピーターも姿を見せた。
 彼女はどうしたら満たされるのか、私にも判らない。これ以上を望んだらバチが当たるほど恵まれているのに。ただ、夫人の焦りのようなものは伝わってくる。

 結論は、自分の居場所できちんと生きること? 簡単なようでなかなか難しいことだ。

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太陽がいっぱい

DVD 太陽がいっぱい

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2002/10/25
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リプリー Book リプリー

著者:パトリシア ハイスミス
販売元:角川書店
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「リプリー」は「太陽がいっぱい」のリメイク、とされているが、話はぜんぜん違う。「リプリー」のほうが原作に忠実なのだそうだ。
「太陽がいっぱい」制作の60年当時は、原作通りに描くのは難しかったのだろう。あの頃「リプリー」が作られたなら、モーリス・ロネがリプリー役、ドロンはフィリップの方が似合い そう。とはいえ、ドロンのリプリーは貧しく野望を抱く青年という役どころがぴったりだった。スクリーンで出世作を見て、改めて美しいひとだったのだ、とため息をついた。

「リプリー」として映画化されたとき、フィリップに当たる役を演じたのがジュード・ロウ。私はてっきりドロンの役だと思いこんでいたが、リプリーが美貌の友人に思いを寄せるという本来のストーリーからすれば、ドロンの役はジュードにはそぐわない。

 はじめて映画館で「太陽がいっぱい」を見たのは04年11月。「フランスがいっぱい」なる特集上映で、最後の「太陽がいっぱい」だけをやっと見ることができた。
 観客は60年の封切時にご覧になっていそうな年配の方が多かった。私なんかの思い入れとは次元が違うのだろう、上映後は皆さん、感激の面持ちでいらしたような。
 私も感激した、あの耳慣れたニーノ・ロータの名曲。貧しいトム・リプリーが金持ちの友人フィリップを殺し、恋人マルジュを奪うが…。サスペンスあふれるルネ・クレマンの傑作だ。

「太陽がいっぱい」を初めて見たのは13歳の時だった。遠縁のお宅でTV放映で。「金曜ロードショー」の第1回記念放映、まだカラーTVがさほど普及していない頃、豪華なリビングに据えられたTVに映し出されたイタリアの青い海が強烈に目に染みた。そして衝撃のラスト、栄華を求めた結果がこれか、と人生の無常を知った気がした。
 父に連れられて伺ったそのお屋敷は別世界のようだった。私の家に遊びに来て、おみやげをくださった優しいおばあちゃま。息子さんは実業家その奥さまは開業医、息子さんは医大生。絵に描いたような幸せな一家。

 スクリーンで「太陽がいっぱい」を見たとき、あの春の夜のことを思い出した。おばあちゃまも息子さんも、医大生だったお孫さんも、そして私の父も。既にこの世にはいないのだ。
 だが、「太陽がいっぱい」の舞台になったイタリア、ローマはもちろん青すぎる海は永遠に変わらない。「太陽がいっぱい」に登場したドロンやモーリス・ロネ、マリー・ラフォレの若さと美しさも。

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