パリ・オペラ座のすべて

フィガロブックス パリ・オペラ座バレエ物語 夢の舞台とマチュー・ガニオ (FIGARO BOOKS) Book フィガロブックス パリ・オペラ座バレエ物語 夢の舞台とマチュー・ガニオ (FIGARO BOOKS)

著者:大村真理子
販売元:阪急コミュニケーションズ
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 川崎での公開初日に行ってまいりました。「パリ・オペラ座来日公演ブログ」によると、先週初日だったル・シネマでは3連休の上映がすべて満席だったそうです。無理もないですね、キャパが小さい上に単館上映ですから。一方、今日の川崎はまだ席に余裕が。とはいえ、それなりの入りでしたー。

 7年前に同じくパリ・オペラ座のドキュメンタリー映画「エトワール」がありましたが、私は見逃してDVDでの鑑賞。やはり大画面はいいですね。実際の公演だと舞台が遠くてダンサーが豆粒に見えたりしますが、スクリーンならストレスなし。「エトワール」では来日公演の様子やダンサー、教師へのインタビューも多く、あまりバレエを堪能できる感じではなかったです。一方、こちらはバレエそのものがしっかり楽しめますし、オペラ座の裏方さん事情などもしっかりと。衣装部やお掃除の皆様、ご苦労様です。

 私が最後にオペラ座に行ってから、まる4年になります。オペラ座、特にガルニエ宮の外装や内部の様子。ただひたすら懐かしく、またあの夢の殿堂を訪れる日は来るのだろうか、としんみりしてしまいました。

 上映する劇場が少ないのが残念ですが、公式サイトでは予告も見られますし宣伝マンのブログも楽しい! そして来年3月にはオペラ座の来日公演が~! キャストも決まってどきどきです。全部見たいのはやまやまですが、先立つものがねー。

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アン・ハサウェイ/裸の天使

アン・ハサウェイ 裸の天使 DVD アン・ハサウェイ 裸の天使

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2007/04/25
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 先日も触れましたが、アン・ハサウェイが「RACHEL GETTING MARRIED」でゴールデン・グローブ賞の最優秀主演女優賞(ドラマ)にノミネート。BBMではミシェルの演技ばかりが評価された感がありますが、私はアンの演技が過小評価だと残念でしたので、とてもうれしいです。公開は来年でしょうか、結婚がテーマの作品? BBMと何か共通点がありそうですね、早く見たいです。そういえば「BECOMING JANE」も当初、秋に公開とされていたのが来年に延びてますね。早めに公開してください!

 というわけで寂しい…訳でもないのですが、「アン・ハサウェイ/裸の天使」を見ました、といってもこの未公開作DVD…見たのは夏だったような。今や師走も20日じゃないですか、ひえー。いや、けっこう面白く拝見したのですけどね。巷で囁かれるような、お嬢様イメージを払拭するために痛々しく奮闘するアン、といった感じは受けませんでした。私も「プリティ・プリンセス」は見ましたがアンがイコールお姫様イメージにはなりませんでしたから、いろいろ演じられる女優さんなんだな、とBBMでも本作でも感心した次第。

 しかし、この「裸の天使」というタイトルはいただけません。もう4ヶ月たち記憶が定かでないのですが、アンは脱いでいたのでしょうか? むしろBBMでの大胆バストぽろり、の方がよほどインパクトありました。

 ストーリーですが、お金はあるけど冷え切った家庭、愛に飢えた少女が刺激を求めて暴走する、といったありがちなものです。でも危惧していたような中だるみもなく最後までしっかり見られたのは意外、といっては失礼か。アンはきっちり脚本に目を通して出演したのではないでしょうか。もっと中身が薄い作品かとびくびくしていたんですが。やはりアンの選択眼はきっちりしていたんだと思います。必見、とはいいませんが、アンの体当たり演技を見たい方にはお勧めですー。

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ハッピー・エンディング

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DVD ハッピー・エンディング

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2008/06/25
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ハッピー・エンディング」とは、なんとも希望のもてるタイトルですね、本当はENDINGSで複数なんですけど。マギー姉さんが出演、歌も歌うそうで楽しみにしていました。なんとビリー・ジョエルの「オネスティー」です、めちゃうまいというわけではないですが、とても情感がこもっていました。シャンソンは語るように歌うもの、とかいいますがシャンソンに限らず歌とはそういうものかもしれません。ラストでは「素顔のままで」も披露、これも味わい深いです。

 愛をめぐる群像劇なんですね。核となるのは、親が再婚して義理の姉弟になってしまった2人? いけない関係になり、姉メイミーが妊娠してしまったのが発端でした。弟チャーリーはそれが発端でゲイに? などなど、数組のいろんな愛の形が描かれます。すったもんだの末、ほぼハッピーエンドなんですが、マギー姉さん@ジュードの扱いはどうなんでしょうか、彼女がそんなに悪いことをしたのかなあ? 弁解しなかったこともありますが、ちょっと納得がいきません。

 出演者たちがそれぞれにゆるくつながっていて、最初は全く無関係のエピソードの羅列かと思いましたが、なかなかです。詳しくは書けませんがローラ・ダーンも出てるし見ごたえがありました。日本未公開ですがDVDリリースはありがたいです、未公開作品に佳作がたくさんありそう。「Rendition」も相変わらず公開が決まらないようですし~。

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バロウズの妻

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DVD バロウズの妻

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2007/02/07
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  バロウズといえば「裸のランチ」の作者、ということくらいしか知りません。ビートニク世代? アレン・ギンズバーグも主要キャラとして出てきますが、彼も名前しか知らないし、大体アメリカ文学ってほとんど読んだことないじゃないですか、私。ジョニデがギンズバーグから口説かれた、と雑誌で読んだことがあるくらいです。それは95年のこと、ジョニデはケルレアックの詩を朗読した模様、そこにギンズバーグが同席してたんでしょうか? 

↓映画もあったのですね。ジョニデもちょこっと出ているそうです。

DVD ビートニク

販売元:コロムビアミュージックエンタテインメント
発売日:2005/03/23
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「24」でブレイクしたキーファー・サザーランドが主演(バロウズ)という事でめでたく廉価盤、登場、私はだいぶ前にレンタルで拝見しました。今になってどうにも気になって再見しました、というのもノーマン・リーダス演じるルシアンが…。

*以下、ネタバレとなります。ルシアンの問題行動は冒頭なのですが、うーん。

 ルシアンが罪を犯した経過が忘れられなくて見たのです、はい。ボーイスカウトの指導員だった男から一方的に慕われ大学生になっても追い回され、ついに殺してしまうんですよー。未成年だし正当防衛もあったのでしょう、2年の刑期で済みましたが。かなりストーカー的だったし、ルシアンも災難でした。

 バロウズもゲイだったのですね。メキシコに移住し、妻子はほっぽって恋人(つうより契約愛人。週2回のセックスが条件で、それ以上は拒否されてました。追加料金を払う余裕はバロウズにはなし)と旅に出てしまう。

なぜ、バロウズの妻
愛する夫に射殺されたのか。

 これがテーマだとすると全然、解明されてません。バロウズと妻ジョーン(コートニー・ラヴ。カート・コバーンの妻でしたね)の「ウィリアム・テルごっこ」に向かって時間が過ぎていくだけです。

 男と旅に出た夫。その留守にギンズバーグと共に訪ねてくるルシアン(もちろん出所後、記者になってます)。ルシアンはジョーンが好き。でもジョーンは貞淑な妻、夫の裏切りを知りながらもルシアンの思いに応えることはないのです。そしてギンズバーグはルシアンを愛しているのに、彼の思いを叶えるべく、なるべくジョーンと二人きりにさせてやったり。複雑です。バロウズ、ルシアン、ギンズバーグ、ジョーン。4人のすれ違いが見所といえば見所でしょうか。淡々としていますが私は気に入りました、つかみどころがなくて妙な感想になってますが。

 今回、見直してよかったと思うのは、妻ジョーンを演じたコートニーがあまりに色っぽいため、前回は「私は貞淑」と言われてもぴんとこなかった、でもきちんと見てれば本当にそうだ、とわかった点です。バロウズは妻に触れようともしません、よく2人も子供できたなー。ルシアンが一緒にNYに帰ろうと説得しても、やはりジョーンは夫バロウズのそばを離れることが出来ないのです、どうしようもなく愛しているから。

 バロウズの妻殺しは辣腕弁護士のおかげで無罪となったようです。映画の中ではさっぱり小説を書いていませんが、妻の死後、インスピレーションが湧いたのでしょうか。

 しかし解説やレビューを読むと「裸のランチ」って相当やばそう、とても見る気にはなりませんが、クローネンバーグらしい作品? ゴキブリ型タイプライター? ゾゾゾ。

裸のランチ DVD 裸のランチ

販売元:アスミック
発売日:2002/09/25
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バベル(2)

1000ピース バベルの搭 10-569 Toy 1000ピース バベルの搭 10-569

販売元:エポック社
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 ブリューゲルが描いた「バベルの塔」です。拡大画像はこちら

 ラフマニノフさんから「バベル」にコメントを頂きました、ありがとうございます。ラフさんの「バベル」レビューも素晴らしいです、ぜひご一読ください。ただしネタバレがありますので本編をご覧になってから。こちらです

【この作品、なぜか『クラッシュ』を評価する方には不評のようです。

 この作品に出てくる人々を、「浅はか」としてしまうのは簡単ですが、人間って、そんなに完璧じゃないし、コミュニケーションって、そんなに簡単なものじゃないと思うんですよね。でも、監督の真の狙いは、この作品を通して、「いい、わるい」を人々に言わせること、さらに言えば、コミュニケーションさせることなのかも、なんて深読みしたりして。】

「クラッシュ」を評価する人には「バベル」は不評ですか、BBMのときもそうでしたね。「クラッシュ」好きはBBMがぴんとこなかったようです。逆にBBMファンで「バベル」を評価する人は多いようです。

 本日は再度、「バベル」について書きます、見終えて数日たちましたが、鮮やかに心に残っていて、先日書き損ねたことを書きたくなりました。「クラッシュ」は見たその日のうちから忘れ始めて、今では「そんな映画もあったわねー」ですが。しつこいけど同じ日に見た「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の方がずーんと心に響きました。やはり時は厳然と答えを出しますね。

 ラフさんのご指摘【監督の真の狙いは、この作品を通して、「いい、わるい」を人々に言わせること、さらに言えば、コミュニケーションさせることなのかも】はずばり、という感じです。BBMほどではないけど評価が分かれる映画で、少々レビューを読んだところ、白黒はっきりつけたい人には不評のようです。白黒はっきり、はもともと無理なんですけどね。

【人間が抱える孤独の前では、言葉で伝えられることなど所詮たかが知れているのだという孤絶感と、それでもなお、そうした絶望を超えて人と人とが触れ合う道があるのではないかという、希望というよりは切望に近い思いが感じ取れて、見応えのある映画だと思いました。】

 上記の感想も頂いております、ありがとうございます。私はこの映画、「絶望」とは呼びたくなかったのです。でも「希望」もしっくりこない。「切望」、たしかにそうですね。半ば諦めながらも、やはり人間は何かを希求してやまないものなのでは…。

 ネタバレに行く前に、これから見る方は、ブラピのガイドを務めたのがアラブ人に迫害された「ベルベル人」であることを覚えておいて下さい。教えてくださった方に感謝です、別れのシーンはベルベル人のことを知らずに見てもぐっときましたが、誇り高き民族と聞いて納得、今になって涙がにじみます。(アラブ人はチップに貪欲だそうです)

 フランスサッカー界の至宝・ジダンもベルベル人と知り、ますます彼が好きになりました。ジダンは単にアルジェリア移民の子、ではなく誇り高きベルベル人だったんですね。国ではなく民族の枠で考えないといけないとつくづく思いました、こういう視点に日本人は非常に弱いですね。こんな記事もあります。

*以下、ネタバレに突入です。

 というわけでまずはガイド、あのベルベル人のガイド! さんざんキレてアメリカ人の傲慢さ(アメリカそのものの象徴?)を見せ付けたブラピですが、最後には素直に彼に感謝し、多額の紙幣を渡そうとします。が、彼は受け取りませんでした。あの毅然とした瞳。「私は友人として当然のことをしただけです。私と貴方は対等、同じ人間です」といってたんですね。

 ベルベル人の村では、無言でキセル(沈静効果あり?)を差し出した老婆も印象的でした。こちらのレビューをご覧ください。「チエコが再演しようとしたもの」ですかー。余談ですが、チエコの母の遺影、目の化粧が異様に派手でしたね。心が空しい女は厚化粧、とBBMのときも思いましたが。

 素晴らしい「バベル」解説をご紹介いただきました。(6ページ目のN氏)ハンカチ王子で盛り上がってる早稲田の先生なんですね。下記は特に考えさせられました。

【現在、人々の間には、アメリカとメキシコを隔てるフェンスのような可視の境界もあれば、銃撃をただちにテロと結びつける観光客の心の中にあるような、不可視の境界も存在します。映画はそれらを容赦なく暴き出します。】

 アメリカとメキシコの国境シーンでのサンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)を愚かと言う人もいます。しかし、私は怒って当然と思いました、あそこまで差別的に扱われては。挑発されているようにも見えましたね。彼は英語が、警官はスペイン語が話せない。唯一、両方を解する伯母は助手席でおろおろ。「サンチャゴ~、悔しいのは分かるけど、お願い、伯母さんのいうことを聞いて冷静になって~」と私もはらはら。あれは監督の実体験に基づくそうです。NewsWeekによれば監督は「(ビザや仕事の関係で)半年ごとに家族を連れて国境を越えなければならない」。

【アメリカ入国は屈辱に耐える訓練。礼儀正しい警官もいるが、職権を濫用する者も。サンチャゴのシーンでは正確な描写を目指した。何もしていないのに犯罪者の気分にさせられる気持ちを。】

「何もしていないのに犯罪者の気分にさせられる」苛立ち、私はひしひしと感じたのですが、そうでない観客もいたのですね。

 以下、先日の感想を書いた後にメモったものを少々。

*モロッコの父の嘆き。経済面がダメならせめて愛情面だけでも、と願ったのに。

*先進国、発展途上国(かつての後進国)の落差は縮まるのか。

*NewsWeekのレビュー。アメリカ人視点でしか見られないのだね。鵜呑みにしてあやうく上映を見逃すところだった。喝!

*モロッコ警察の荒々しさ。アラブ人なのか?

*メキシコでの結婚式の破天荒な楽しさ! アメリカの子も大喜び。最初は捻られた鶏にビビッてたけど。

*あの高層マンションがバベルの塔だったのかー。

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パニック・ルーム

パニック・ルーム DVD パニック・ルーム

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/05/30
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  嬉しい情報を頂きました! ジャレッド・レト出演作2本の日本公開が決まった模様です。“Chapter27”(スクロールしてご覧下さい)と“Lonely Hearts”。未公開に終わるかも? だっただけに嬉しいですう、ううう~、どっちも少々難あり、いえジャレの役者魂が窺える力作! のはず。どきどきしながら公開を待ちましょう。

パニック・ルーム」はジャレ出演作であり、今月16日に公開を控えた「ゾディアック」のD.フィンチャー監督作品でもあります。監督、カンヌで語ってますね。となりにジェイクもいますが無言で見守るだけです、残念。シリアル・キラーではなく新聞の映画? ふと気づけばもう6月、「ゾディアック」の前売り券はゲット済みです、初日の初回に行くつもりです。

 フィンチャー監督作としては「ファイト・クラブ」に続いて私にとっては2本目。く、暗い。いや話がというより画面がです。せっかくジャレが出てるのに~、なんだよ~、て、明度を上げて見ればよかったんですね、返却してから気づきました。(涙)出番が多くて嬉しいなーと思ったら、あらー、またもや酷な扱い。まずお脳が不自由そう。肉体面でも苛められる苛められる。フィンチャー監督のテーマソングは「佐渡おけさ」に決定!? おいたわしやジャレ、やっぱり途中でいなくなっちゃうし。

 さっぱりまともな感想になりませんが。ええっと大人になってからのジョディ・フォスターの映画ってあまり見たことなくて。娘役がジョディによく似てて感心、この役でチャンスを掴んだようですね。メグ(ジョディ)はコロンビア大学の教授という設定? 誰も入れないというパニック・ルームでの攻防。舞台はほとんどお屋敷内。んー、なんといっていいのか。

 今年のオスカー主演男優賞のフォレスト・ウイッテカー、例によっていい人でしたね。どうしても大金が必要だったんですよね、「ずいぶん違うもんだな」との嘆きを聞いて、改めて思いましたよ、母娘2人であんなだだっ広い家に住む意味あるの? 前の住人もお金があっても幸せじゃなかったんでしょうね。薄幸な家って感じがしてしまいました。

 物語は一晩の攻防、だからずっと暗いまま。仄暗いというべきでしょうかね。「ファイト・クラブ」でも感じましたが、フィンチャー独特の光の使い方があるようで、「ゾデイアック」ではどんなシーンを見せてくれるのか(内容的に夜が多そうな気がしますが)期待が高まります。フィンチャー作品としてはあまり評価が高くない「パニック・ルーム」。私はそれなりにハラハラしながら(特にジャレの運命・あんまり苛めないで~、とか)見守ってました。最後はああ空しい~、風に散るほにゃらら~、ウイッテカーさああん!(涙)

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バベル

バベル-オリジナル・サウンドトラック Music バベル-オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:サントラ,チャベラ・バルガス,アース・ウィンド&ファイアー,ファットボーイ・スリム,小山田圭吾,坂本龍一,アマデオ・パセ,スケッチ・ショー,デヴィッド・シルヴィアン,コントロール・マチェテ
販売元:ユニバーサルクラシック
発売日:2007/04/11
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 上映も終わろうとする今になってやっと観ました。間に合ってよかったです、お勧めくださった方に感謝。その気になれなかったのは同じイニャリトウ監督の「アモーレス・ペロス」がいまいち趣味に合わなかったからですが。「バベル」はオープニング、闇の中の風の音(いかにも荒野に吹くような)から引き込まれ、映像に身をゆだねるうちにエンドクレジットになってました。

 賛否が分かれるという点で去年のBBMを思い出させるとか。群像劇でもあり、「クラッシュ」に似てる? との声に不安でしたが、こちらの方がずっと秀作ですね。音楽がやたらといいのも当然、サンタオラヤさんでっせー、祝・オスカー2年連続受賞! 撮影はこれまたBBMでおなじみのプリエトさん! 日本では菊地凛子がオスカーにノミネートされたばかりに観なくてもいい人が見に行って理解できずにブーたれてんじゃないかと勝手に想像。ある程度、観客を選ぶ映画かもしれません。

 映画館を出るときには、いいドラマを見た充実感に包まれてました。元旦に「リトル・ミス・サンシャイン」を見たときのような? 特に暗いとも思いませんでしたね、タイトルからしてハッピーエンドの大団円はありえないって判るじゃないですか、言語で分かたれた人間たちの話なんですから。ものすごーく暗い映画では、と覚悟して行ったのがよかった?

 モロッコ、メキシコ、そして何故か東京。過酷な自然の外地に比べ、東京はこんなにも人工的な場所であったか、と、これがNYやLAなら却って違和感がなかったかもしれません、見慣れた景色と聞きなれた言語が外国映画の中で飛び交うのが、とっても奇妙な感じでした。普段、ぜんぜん関係のない場所と思いがちの土地と実はこのようにつながっているんですよ、て話ですか。日本とモロッコのリンクにはため息。結局、こういうつながり方しかできないの?

 役者はそれぞれ良かったですね。話題の菊地さん、オスカー候補にならなくても注目したと思いますが、わりあい地味な役なのにきちんと見出され評価されて喜ばしい限りです。チエコの孤独が表情だけでなく全身からにじみ出てました。早くもハリウッド2作目が決まってるんですね。

 大好きなケイト・ブランシェットは出番少なく「この役で自分にできることはあまりない」と疑問をぶつけたものの監督に説得された由。「サイレント映画に出てる気分だった」そうです。しかしそんな役だからこそ演技力が必要、久々にスクリーンで彼女を見たけど引き込まれました。「あるスキャンダルの覚え書き」、やはり見たいです。ブラピと夫婦役ってどんなもんか? でしたが意外や似合ってまして、特にブラピのくたびれ加減は大ヒット、この人、これからが役者としての本領発揮かもしれません。こんなブラピならもっと観たい。

 メキシコでの場面は、監督のホームだけに一番いきいきと描かれてたような。エピソード的にも(始めは)明るいし。モロッコの話は~、だから銃を甘く見ちゃイカンよってことですか。きっとこの話がいちばん希望がないと思われるでしょうけど、「砂と霧の家」の救いのなさに比べたらどおってことないですよ、ハッハッハ、と力なく笑ってみたり。

 公式ブログもあるんですね、これから楽しみに読みたいと思います。

 いやー、本当に充実の時間を過ごすことができました。迷ってらっしゃる方、ぜひとも劇場に足を運ばれることをお勧めします。

*以下、ネタバレ全開です。

 前半に力を入れすぎたせいか、そんなに書くことも?

 日本編は、やはり菊地凛子に尽きますね。彼女の存在意義がわからないって声も聞きますが、言語によって分かたれた人間でも同じ言語ならコミュニケーションはとれるはず、しかし会話ができない者もいるわけで。手話もあるし、ゆっくり話せば通じるんですが。喧騒の街を歩いても無音、聴覚障害の世界を垣間見た気がします。

 クラブで踊るチエコ。アルコールも入って高揚しているはずなのに、キスもしたのに、どんどん気持ちが醒めていく。その過程が表情だけでわかる。母の死はショックだったろうな、しかも死因がアレでは。日本には少数の銃のある家。田宮二郎の自殺を思い出しましたよ。

 陰部を見せて気を引くチエコに日本の若者の異様さを感じたオジサン評論家もいたようだけど、あれはチエコのどうしようもない空虚さ、孤独がさせたこと。軽薄な男たちを嘲笑すると同時に自分をも嘲笑する。もっと自分を大事に、と言うのは簡単だけど、誰からも必要とされない自分をどうやって大事に思えっつーの、てな時期はきっと誰にでもあるから。あんな豪華な高層マンションに住んでいてもぜんぜん幸せじゃない、自殺した母もきっとそうだったんでしょう。

 事前の情報はNewsWeekのシネマ特集を読んだくらいですが、「ひねりなき運命論」なるレビューはかなり辛口。「登場人物に深みが欠ける」って、それじゃ「クラッシュ」はどうなんでしょ、深みのあるキャラが1人でもいた? 「辻褄合わせだけ」の映画でした、私にとっては。メキシコとアメリカの国境地帯のシーンは「本来は過酷な運命に胸が痛むシーンなのだろうが、過剰な演出に悪態をつきたくなった」ってずいぶんですこと。べつに過酷な運命とも思わなかったけど。乳母のその後は(砂漠をよれよれになってさまようシーンも)確かに過酷でしたが。ライターはデービッド・アンセン? 覚えておこうっと。

 モロッコの兄弟は受難でした。カインとアベルなんでしょうねえ。あからさまに悪い子の弟。姉ちゃんもあれじゃやばいぞ。お父さんもお母さんも気の毒に、と最後は小学生のような感想になってしまいました。

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ハイ・フィデリティ

ハイ・フィデリティ 特別版 DVD ハイ・フィデリティ 特別版

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2006/04/19
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音楽オタクで恋愛オンチ。
誰の胸にもラブソングが流れだすHi-Fiな恋の物語。

  機内で朦朧としながら一部を見て、面白そう、公開されたらちゃんと見ようと前売り券を買って、なのにいざとなったら気が進まず~、券は映画好きの職場の後輩にあげてしまいました。今回、ようやく重い腰をあげたのは「ホリデイ」でジャック・ブラックに開眼した故。本当は「スクール・オブ・ロック」が見たいのだけど、いつも貸し出し中なんですよねー。

 が、しかし。こちらもとっても面白かったです、なんで行かなかったんだー! と今ごろ後悔しても遅いですね、ジャック・ブラックのおかげで見る気になって良かったです。彼が演じるのはロブ(ジョン・キューザック)が経営するレコード店の店員バリー。うんちくを垂れるのはまだしも気に入らない客には売らない等、めちゃくちゃです。もちろん弾けた演技も全開、この映画で注目されたんですね、最初は硬くなっていたそうですが。ほんまかいな?

 もう1人の店員ディック(トッド・ルイーソ)も風変わりで、大丈夫かこの店。そして店主のロブは自分をふった女たちを行脚し自分探し。その1人、黒髪のチャーリーがやけに魅力的だなあ誰だっけーと思ったらキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、なんで気づかなかったんでしょ、黒髪だとぐっと色っぽくなりますね。監督は「クイーン」(早く見たい!)のスティーヴン・フリアーズ、ジョン・キューザックは脚本にも参加、原作にほれ込み企画段階から関わり、監督を決めたのも彼なんですね。特典映像のインタビューが充実してました。

 舞台は元々はロンドンですがキューザックの故郷、シカゴに変更。LAもNYも似合わない物語ってのは本編を見れば納得です。シカゴが舞台の映画も多いですよね、新しいところではジェイクの「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」。フランコくんの「バレエ・カンパニー」もシカゴのバレエ団が、「ある日どこかで」も冒頭はシカゴだし、私的には愛着のある街です。

「音楽オタク映画の最高傑作」の声も高い本作、いろんな音楽が楽しめるしジャック・ブラックも最後に歌ってるし、なかなかです。なんとなく敬遠してきたけど構える必要はぜんぜんなかったです、音楽が好きな人なら文句なく楽しめると思います。そうそう、ティム・ロビンスも出てました(怖かった)、豪華キャストですね。

↓インタビューでジョン・キューザックが手にしていた原作本。

High Fidelity Book High Fidelity

著者:Nick Hornby
販売元:Riverhead Books
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↓翻訳文庫の表紙もいいですね。耳がハートに?

ハイ・フィデリティ Book ハイ・フィデリティ

著者:ニック ホーンビィ
販売元:新潮社
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バベットの晩餐会

Babe95  前々からお勧め頂いていた「バベットの晩餐会」をようやく拝見しました、またもやGyaOの無料配信で、6月5日正午までです。87年のアカデミー外国語映画受賞作品、見所はずばり晩餐会。

 老姉妹が主人公というと「ラヴェンダーの咲く庭で」を思い出します。こちらの舞台はデンマーク、プロテスタントの牧師を父にもつ姉妹です。一瞬「エルサレム」みたく過激な信仰の話かと思ったけどぜんぜん違いました。求婚者が跡を絶たなかった美人姉妹なのに、二人には地上の愛より神の愛の方がしっくりきたのでしょうか。

 オープニング、潮風に干されるヒラメ(カレイ?)で思い出したのは学生時代に目にした大島弓子さんのコミック・エッセイ。大島さんが舌ビラメをムニエルにしようとしたら小麦粉がない。バタ焼きにしようとしたらバタがない。酒蒸しにしようとしたら、お酒も…、やむなく愛猫にやってしまったというのです。「アデュー」(涙)の吹きだしつき。私は当時ヒラメどころかカレイの煮付けしか食べたことがありませんでした。未知の味=舌平目に猛烈に惹かれスーパーに走り冷凍のを一切れ購入、バタ焼きにて食しました。おいしかったー! 

 しかし映画に出てきたヒラメ(?)はどう料理したのでしょう、ぜんぜん美味そうではなく。あれに限らずどれもこれも…? 「ホテル・スプレンディッド」の食欲がなくなる料理を思い出しました。プロテスタントってそんなに美食を避けるものなのでしょうか、よくわかりません。

 バベットが晩餐会の準備にとりかかります。食材にウズラ登場で大笑いしたのは、一気に高校の古文の時間にワープしたせいです。

 夕ざれば 野辺の秋草 身にしみて うずら鳴くなる 深草の里

 藤原俊成のこの歌について、プラトニック・ラブのことも教えてくれたI先生は「実は!」とまたもや奥深い解釈を。

「うずら鳴くなる→うずらなくなる=うずらは美味なので獲られてなくなってしまう」のだそうです。ウズラはそれほど美味なんでしょうか。

 食は世界を救う。イタリアはアモーレ、カンターレ、マンジャーレ(愛、歌、食)の国と言われますが、バベットの晩餐会も隣人愛、歌(オペラ歌手パパンが歌ってたのは「ドン・ジョバンニ」?)最後に豪華な食も出てきます、デンマークも地味だけどイタリアに負けてない? 

 食を楽しむことを恐れていた人々もラストではとっても幸せそうで、やっぱり食は平和だなあと感じた次第。感想が書きにくい映画ですが、ぼーっと見ていてなごみます、うまくいえないけどやはり傑作なのでしょう。北国の空と海の淡い色もよかったです。

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パリ、ジュテーム

パリところどころ DVD パリところどころ

販売元:紀伊國屋書店
発売日:2006/10/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 まずはジェイクの映像です、マギー姉さんに赤ちゃんが誕生、めでたく叔父さんになったジェイクですがやはりその事はgreatでamazingだと。但しオムツの取替え(チャレンジしたんですね!)には…。

 本日はマギー姉さんも出演の、パリの街が主役の映画のご紹介です。私のパリ熱はとっくに沈静したはずだったのに、「パリ、ジュテーム」を見て再燃してしまいましたた。5分と言う短い作品が18本、「?」な作品も皆無とは言いませんが、、しゃれた短編集です。

パリところどころ」は6本の短編が入ってましたが、こちらは3倍の18本、実に様々なパリが描かれています。「パリところどころ」は40年以上前、当時に比べると人種も多彩だしバラエティに富んだ内容になってます。HPにはそれぞれの解説が。私は全く予備知識なしに見たのですが、パリに興味がある人、特に1度でも訪問したことがありパリが好きな人にはたまらない映画だと思いますね。

 まずマギー姉さんは「3区 デ・ザンファン・ルージュ地区」に登場。パリで撮影中のアメリカの女優というそのまんまの役、ちょっとアブない女優さんです。フランス語みごとですねー、感心してしまいました。「シェリー・ベイビー」早く見たいです!

 思いつくままに気に入った作品を挙げると、「5区 セーヌ河岸」。監督のグリンダ・チャーダはケニア出身ですか。ベール(ヘジャブ)からこぼれ出たザルカの黒髪の美しさにフランソワ同様ハッとしました。ザルカの祖父の言葉「インシャラー」(アラビア語で「アラーの思し召しのままに」)、聞き覚えのある言葉です。アダモの歌にありましたね、「インシャラー」。イスラエル旅行の印象を歌ったのだとか。フランソワの恋が国際理解につながりますように。

「20区 ペール・ラシェーズ墓地」では「ロック・ユー」で悪役だったルーファス・シーウェルがいい味だしてます。見直しました? 

「4区 マレ地区」はガス・ヴァン・サント監督。【ギャスパー・ウリエルが、カート・コバーンを引き合いに出したのは、もちろんガス・ヴァン・サントの『ラストデイズ』を意識】、やっぱりね。

 ウリエルくんの後姿がそれはそれは色っぽくて見蕩れてしまいました。相手役の短髪のイライアス・マッコネルくんもとても素敵でした。「エレファント」に出てるんですか、見なくては。しかしウリエルくん「運命の相手を信じる?」なんて初対面の男性に言うんですよ、焦ったー。またまたBBMを思い出してしまいました。

「19区 お祭り広場」、「16区 16区から遠く離れて」の悲哀。「2区 ヴィクトワール広場」は諏訪敦彦が担当。ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォーと出演者も豪華です、パリに何故カウボーイが? それには深い訳が…。

 観光客という立場からは「1区 チュイルリー」ですか、スティーヴ・ブシェミがとっても気の毒な役回りです。コーエン兄弟がメガホンをとってるんですね。

 いちばん沁みたのは「14区」でした。2年フランス語を学び、デンヴァーから憧れのパリにやってきた中年女性のキャロル。彼女の仕事は郵便配達、いつかパリに住んで郵便配達をしたいそうです。本当は2週間いたいけど犬を飼っているので6日、と控え目な日程。食事も散歩もひとりきり。でも…。

 公園でサンドイッチを食べながらキャロルが「気づいたこと」に涙してしまいました。他にも泣いてる人がいたようです。その理由をここに書くのはためらわれます、ぜひご覧になってキャロルの思いを「体験」してほしいのですが。

 人生ってこうだよな、パリってこういう街なんだよね、なんだか胸がいっぱいになってしまって。この掌編だけでも映画館に足を運んだ甲斐がありました。監督は「アバウト・シュミット」「サイド・ウェイ」(どちらも感想が書けてないですが佳作)のアレクサンダー・ペインと聞いて納得です。 

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