愛の手紙(3)

ゲイルズバーグの春を愛す  ハヤカワ文庫 FT 26 Book ゲイルズバーグの春を愛す ハヤカワ文庫 FT 26

著者:ジャック・フィニイ
販売元:早川書房
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愛の手紙」は、あれからも時折、読み返しています。こんなに愛せる小説も珍しい、主人公は「ジェイク」ですし。原文で読みたいなーと思いつつも、絶版のようであきらめていました。が、ここにきて、ヘレンの墓碑銘が気になって仕方ないのです。英語では一体なんと表現されていたのだろう? どうにかして知りたい! 再び「ゲイルズバーグの春を愛す」の原作を求めて検索したけど、ダメでした。

 最後に、わらをもすがる思いで、Amazonのレビューを覗いてみたら。あったのです、答えが。まさに灯台下暗し。湯島杢兵衛さん、ありがとうございます! この感謝の気持ちをどう伝えたらいいのでしょうか!?

【相手からの最後のメッセージに「とっても大切なキーワード」が添えられています。
訳者(故人の福島正実さん)は何故きちんと訳さなかったのだろう?
(ニュアンスが難しいです)

『愛の手紙』の原作を読んでこのキーワードの意味に気が付きました。
頭を金槌で打たれました。
心臓をわしづかみにされました。
このキーワードを読み飛ばした僕は話の半分しか理解しなかったのです。通りいっぺんに 読まれた方も,原作の意味を知ったら,きっと感銘を新たにするでしょう。】

 どうですか、湯島さんのレビューを読むと、「愛の手紙」を読みたくなるでしょう! 湯島さんは、なんと原文のURLを紹介してくださったのです。こちらです! そのキーワードを目にしたとたん、涙がこみあげました。本当に福島さん、どうしてこれを~? でも確かに難しい、もしかして福島さんは「原文を読め」と言いたかった? 

*以下、ネタばれとなります。どうぞ「愛の手紙」を読んでから、お読みくださいね。原文だけ読んでもいいと思いますが、和訳の後でないと、湯島さん同様(私も)「頭を金槌で打たれ、心臓をわしづかみにされる」ほどのショックは味わえないと思います。

 翻訳では、ヘレンの手紙と墓には「永遠の思い出のために」。

 ところが、原文では手紙では”I will never forget.”

 墓碑銘には、I NEVER FORGOT

 この差に私もやられました。生涯、ジェイクを思って生きていこうと決意した若き日のヘレン。その決意を貫き通した証を墓に刻んだヘレン。

 さらに最後の1行。ジェイクもまた、Neither will I. と、ヘレンを忘れずに生きていく、と。

 なんだかもう、胸がいっぱいで。

 これから、じっくり原文を味わいます!

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おれの墓で踊れ

おれの墓で踊れ Book おれの墓で踊れ

著者:エイダン チェンバーズ
販売元:徳間書店
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愛しき者よ、眠れる頭を
我が不貞なる腕に人らしく横たえよ、
物思いする子らの
ひとりひとりの美しさは
時と熱とに焼かれ、墓は
幼子のはかなさの証
されどこの腕に夜明けまで
生ける者は横たわれ、
死すべき身として、罪深く、
だが我には全てうるわしく

W.H.オーデン

  オーデンの「子守唄」です。「フォー・ウェディング」の例の詩を思い出しますね。作中で紹介(P190)されますが、他にもイギリス人になじみが深いであろう文学作品がいろいろ出てきます。第一部冒頭にはカート・ヴォネガットの含蓄のある言葉も。

【16歳の少年ハルが、「死んだ友人の墓を損壊した」という罪で逮捕された。だが「なぜそんなことを」という問いに、ハルは答えようとしない。深夜、18歳で死んだ友人バリーの墓で、ハルは何をしようとしていたのか。】

 上記Amazonの紹介で興味をもった方はたぶん期待を裏切られることはないと思います。これも「薔薇族」で知った本ですが、いわゆるヤングアダルト小説です(児童文学という紹介は誤解を招きそう)。80年代にヨーロッパ中の若者の心を捉え、今なお読み継がれているといいますが、読了してその理由が分かったような。心がひりひりする話ですが、どこか懐かしく甘い痛みを伴い、忘れがたいのです。きっとこれからも何度も思い出すでしょう。

 作者のエイダン・チェンバーズは教師、修道士を経て作家に。宗教的な記述もありますが抹香臭くはないです。チェンバーズは66年に「友人の墓を損壊したかどで逮捕された16歳の少年」の新聞記事を読み、すぐに2人の間で何があったのかわかった気がした、どうしてもそのことを書かなければと感じたそうです。

 ハルがダビデとヨナタンの愛が「女の愛にも勝るものであった」との聖書の記述(「サムエル記下」1章26節)を再発見するシーンはなかなかです。「一つだけ確かなことがあった。ダビデとヨナタンは心の友の原型。」(P62)「魔法の豆缶」も出てきます。<>に魅了された少年ハルの心の旅路に、ぜひ同行してみてください。

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愛の矢車草

05068669  橋本治の短編集ですが、なんといってもトップの「愛の矢車草」が衝撃でした。

 えーと、普通の小学生(5年生?)が突然、父親になってしまうんですね。近所の水商売の女性に誘われ何がなんだか分からないままHしたら子供ができちゃった。彼女は彼に子供を見せて「アンタの子よ」。

 まさか! と思いがちですが、ちゃんと発射できたんならありえなくはないです。普通はこの年代の子がHすることはないですけど。

 関係ないけど、まだ少女時代に、男は初めての射○で、もう大人の男と同じ快感を知る、と聞いてショックを受けました。女だと一生クライマックスを感じることなく終わる人だっていそうですが。男はそうじゃない、最初から大人なみ! これはかなり衝撃でしたね。

 で、生まれた子供は母親が蒸発したかなんかで施設に預けられ。高校生になった父親が、5歳の息子を引き取りたいと両親に相談します。父親はけっこう冷静に対処するんですが、母親の取り乱しようが印象的でした。まだまだうぶなはずの高校生の息子が、いつの間にか「父親」になっていた。彼女のパニックも想像できます、あまりに突然ですもんね。10年も後なら、ここまで拒絶反応を示さなかったと思うのですが。

 これ、ドラマ化されてたそうです。母親は夏木マリ。見てみたかったな。

http://lowlife.jp/yasusii/static/vellum/2003-06.html

 他に、「レズビアンの女性トラック運転手と駆け落ちしちゃう52歳のフツーの主婦」なんて話も収録されてましたが、あまり印象に残ってないです。

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=05068669&introd_id=Xmo46Wk9o36G9m92i81Gi1XX6AGm3m6A&pg_from=u

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