地球の静止する日

地球の静止する日 (2枚組特別編) [DVD] DVD 地球の静止する日 (2枚組特別編) [DVD]

販売元:20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン
発売日:2007/07/27
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 キアヌ・リーヴス主演でリメイクされた作品です。別にキアヌでリメイクだから見ようと思ったのではなく、タイトルに惹かれて廉価版DVDをふとゲット(2枚組にあらず)。が、なかなか見る気にならないまま月日は流れました。やがてリメイクの情報を聞き、映画は完成、公開。DVDもリリースされた今になって、やっと見ました、やれやれ。

 1951年の映画、「ウエストサイド物語」のロバート・ワイズが監督、しかもモノクロ。古色蒼然たるSFですが、なかなか深い。リメイクの方は、一般的に不評ですし、やっぱ見なくていいか、なのですが、こちらは一見の価値ありです。まず、ワイズ監督=ウエストサイド、の印象が覆りました。こちらでは、「彼はオールラウンドだという印象が強い」と。確かに、本作を見た後では、その言葉にも納得。

 何せ58年前の映画。いろいろ稚拙だし宇宙船や宇宙人クラトゥの衣装など「?」な点が多いのですけど、当時としては画期的なのでは、私たちが親しんでいるSF映画は、ここが原点では、と思われる点も多々あります。ひゅ~ん、ひゅる~ん、という、不気味シーンにつき物のオンド・マルトノの音も、バーナード・ハーマンのこの作品がお初ではないのでしょうか? おそらく、私たちは、この映画の亜流に馴れ過ぎているのだと思います。

 allcenemaによると、【M・レニー扮する異星人クラトゥと、その配下であるロボット、ゴートは、「未知との遭遇」が登場するまで、友好的宇宙人の代名詞であった。】由。いろんな面でSF映画のパイオニアなんでしょう。そして、特筆すべきは得点映像の1951年のアメリカのニュース。「サンフランシスコ講和条約」では吉田正が赴いたことしか記憶にないですが、なんと52に及ぶ国が調印したのだと。はじめて知った事実、そして映像でした。ほかにも帰国したマッカーサー元帥、ミス(ミセス)・アメリカコンテスト(脚、太い)等が紹介されました。

 なにやら牧歌的なSF、の一面もありますが、東西冷戦時代の空気、エピソードが上手く取り入れられており、そのへんを考え合わせると、一見の価値あるクラシックSFだと思います。監督と、本作のファンによる音声解説も、時代を感じさせてなかなかです。

↓リメイク版のジャケット。TVでの予告も非常に迫力がありましたが、レビューによれば見るほどの価値があるのか疑問? 及び腰な私です。

地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD] DVD 地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD]

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2009/05/02
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チアガール VS テキサスコップ

チアガールvsテキサスコップ DVD チアガールvsテキサスコップ

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2006/09/27
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 いまトミー・リー・ジョーンズ主演のDVDを見るなら「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」が筋でしょうに、何故か私はこちらです。(汗)前から気になってたんです、このパッケージの中にはどんな物語が? 半額デーなので思い切ってレンタルしてきました。

 チアガール、けっこう好きです。先日、マイアミ・ドルフィンズに初の日本人チアガールが採用されたと聞いたこともあり? それにとにかく舞台はテキサスですから。ほら、カウボーハット被ってるし。

 邦題ではテキサス・コップですが、本当はテキサス・レンジャー (The Texas Ranger) 。

【米国テキサス州公安局 (Texas Department of Ranger) に属する法執行官である。この名称は200年近く前にその原型となる民兵組織から発達した "The Texas Rangers" を源とし、「北米大陸最古の州管轄法執行組織」という歴史を持つ。】

 主人公シャープ(トミー・リー)は由緒正しいテキサス・レンジャー の1員なわけです。

【レンジャーに就任するには8年以上の法執行官としてのキャリアと2年以上のテキサス公安局における職歴等の資格要件がある。現在は空席の補充以外に採用機会はない。平均年齢も45歳を超える。

 歴史と伝統に基づく誇りを大切にし、現在でも新任のレンジャーはブーツ、白のカウボーイハット、ピストルベルトを前任者より引継ぐ。発足当時より、僅かな日当以外、馬や銃などの装備類はすべて自分持ちであったことから、現在でも制服はない。日常業務時には胸にバッジを付け、ブーツを着用することになっている。】

 うーん、なかなか奥が深いですね。

↓こんな映画もあったんですね。HPはこちら

DVD テキサス・レンジャーズ

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2004/02/26
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【正義のヒーローとして数々の武勇伝に飾られたテキサス・レンジャー、しかしその「正義」とは専らアングロサクソン系アメリカ人の視点からのものであって、先住民や、国境を接するメキシコ人達にとっては全くの「不正義」だった。

 メキシコ人に対しては「文明的に劣っている」と信じていたため、法執行官という権力を持つ者が行った悪辣な暴虐の類は目を覆うものが数多い。先住民にいたってはキリスト教徒でないという理由だけで人間扱いしなかった。】

 といった負の歴史もあるようです。

 前置きが異様に長くなりましたが、結論、けっこう楽しく見られました。トミーリーのダンスシーンにウィリー・ネルソンの歌が流れたり♪ 音楽に関してはこの記事が詳しいです。映画の総評はこちらで。ストーリーや見所がぜんぶ分かります。手抜きですみません。

 テキサス大学の協力でアメフトの試合シーンは大盛り上がり、とても楽しかったです。シャープの娘が進学先に「SMU=ラショーン(ラリーンも?)の母校、南メソジスト大学)」も候補にしてました、テキサスだなーとにやにや。

 深く考えずに軽いノリの映画を見たいときにいいんじゃないでしょうか。トミー・リー、シリアスもいいけどコメディもなかなかですね。ウィル・スミスと共演して開眼したそうですが? メイキングも楽しいし、なかなかお得な1本でした。

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チョコレート

チョコレート DVD チョコレート

販売元:日活
発売日:2003/02/21
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「MONSTER'S BALL」(怪物の舞踏会)という原題は、イギリスの刑務所で死刑の前日に執行官たちが開くパーティのこと、と映画の中で語られる。主人公ハンクは死刑囚棟の看守、今夜は黒人の死刑囚の執行が。

 ハンクの息子ソニー(ヒース・レジャー)は父と違って近所の黒人の子たちと親しくしているし、初めてらしい死刑の立会いで「粗相」をやらかす。そんな息子をハンクは厳しく叱責する。

★以下、激しくネタばれです。

 自宅に戻り、銃を父に突きつけるソニー。「俺を憎んでるんだろ」。Noという答えを期待したのだろうけれど。ハンクの答えに「俺はずっと愛してた」。次の瞬間、ソニーは…。

 葬儀に参列したのはハンクとその父、つまりソニーの祖父だけ。「あいつは腰抜けだった」などと言う。このじいさんこそがMONSTER。人種差別の意識を、ハンクはこの父から受け継いだ。ハンクの家は女気のない男ばかりの3世代で暮らしているが、捻じ曲がった心持の夫に、彼らの妻たちは耐えられなかったのだろう。負の連鎖をハンクの代で断ち切るべきだったのだが。ソニーを失うまで、ハンクは目覚めることができない。

 冒頭、ソニーがいきなり娼婦とバックで…、のシーンになんだこりゃ、だったが、のちにハンクもこの娼婦と馴染み(関係したのはハンクが先だろう)だったと分かる。ソニーはそんなところまでハンクを模倣していたのだ。なんと哀れな。看守になったのも父と同じ道を歩けば認められる、愛してもらえると望みをつないで?

 ソニーの出番は少ないし、かなり早い段階でいなくなってしまうのだが、その後も存在感が素晴らしい。ヒースの演技、なんといっていいのか。あの家で唯一、まっとうな人間だったが、あの家やあの仕事で生きていくにはナイーブすぎた。

 痛ましく唐突な死。ソニーはもういない。だが不在ゆえに存在感が増す。ハンクのすべての言動にソニーの死が良い影響を及ぼしているみたいだ。ソニーはよみがえり、ハンクの中で生きているのか?

 後半のハンクとレティシアの交流も、ソニーの犠牲があったからこそ。ハンクは劇的に変わり、同じ痛みをもつレティシアと本気で愛し合うまでになる。

 しかし、レティシアの夫にハンクが何をしたか? それを伝えぬままやっていけるのか。既にレティシアは事実を知ってしまったというのに。レティシアの息子と、ソニーとの写真を並べて見入るレティシア。ハンクがすべてを打ち明け許しを請うなら、彼らと彼らの亡き子供たちは、本当の家族になれるだろうが。

 映画は唐突に終わってしまう。あとは自分で考えろ、とでもいうように。説明過多で甘ったるい終わり方をする映画よりずっと好感が持てる。

 監督はスイス出身のマーク・フォスター。なかなかの力量、脚本もいい。聞いたことないと思ったけど「ネバーランド」を撮ってました。あの映画見てさんざん泣いたくせに、すっかり監督の名前を失念していた。 

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蝶の舌

蝶の舌 Book 蝶の舌

著者:マヌエル リバス
販売元:角川書店
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 公開当時、興味はあったが見送ってしまった映画。第2次大戦へ向かう、辛い時代を描いているからだ。「追想」の感想にも書いたが、若いときに欧州製の戦争映画を見て、もう沢山! だったから、なるべくこの手の映画は避けてきたのだが。

 スペイン内乱。1936年、フランコ軍が共和派を制圧、独裁への道が始まる。私の子供時代、フランコ将軍は健在で、スペインは西ヨーロッパで唯一の独裁国家だった。

 主人公の少年モンチョは、喘息もちで内向的。はじめて学校に行った日には皆にからかわれ家に逃げ帰ってしまう。
 老いたグレゴリオ先生は、モンチョの家を訪ね、また来てくれるように説得する。やさしいグレゴリオ先生にモンチョは心を開いていく。

 春。グレゴリオ先生は生徒たちを森に連れていく。授業で話した「蝶の舌」を観察するために。蝶の舌は、ふだんは渦巻き状で、蜜を吸うときだけまっすぐ伸びるのだった。
 モンチョは森で発作を起こし、先生に救われる。モンチョの父は仕立て屋の腕を生かし、お礼に先生のスーツを仕立てる。共和派であるモンチョの父と先生の交友が深まっていく。

 しかし平和な日々は続かなかった。問題の36年がやってくる。緑したたる田舎町にも共和派粛清の嵐が。モンチョの母は夫の党員証を焼き、「先生の服を仕立てたことは誰にも言うな」とモンチョに念を押す。
 連行される共和派の人々。心ならずも罵声を浴びせる隣人たち。同情のそぶりを見せたら自分の身が危ないのだから。

 グレゴリオ先生も、その中にいた、モンチョの父が仕立てたスーツを着て。モンチョさえ「アカ」と先生に向かって叫ぶ。
 囚われた人々を乗せ、車が走り出す。モンチョは追いかけ、先生に思いを伝えようとする。あの最後の言葉が先生に届いたことを祈らずにはいられない。

「蝶の舌」は99年製作。フランコ将軍が没して20年が過ぎたこの頃から、ようやく当時を描いた映画が作られるようになったそうだ。当時、たくさんのモンチョ、たくさんのグレゴリオ先生が存在しただろう。これは彼らへのレクイエム。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005YWD0/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-2004234-7919944

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