タイタニック

タイタニック アルティメット・エディション DVD タイタニック アルティメット・エディション

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2006/01/07
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「タイタニック」(97・米)は例をみない大ヒット作品だが、膨大な非難も浴びたようである。巨額の制作費をかけておいてハーレクイン的チープな恋しか描けなかった、主人公以外の描き方がステレオタイプ、等々。

 私もパニック映画はどうも、といいながら、豪華客船に乗った雰囲気を味わいたいがために(映画の日だったし)見ただけである。だが、続出したリピーターは、パニックを乗り越えて生き抜こうとするジャックとローズに何度も逢いたかったのだろう。誰もがアルトマン監督ではないのだから、そうそう集団を細やかに描くのは無理だろうし。

 いよいよ沈没というとき、最後まで「主よ御許に近づかん」を演奏した弦楽四重奏団の毅然とした姿、そのメロディの乗せての、各々の最後の姿が印象的だった。
絶対に沈まない船のはずだったタイタニック。船長は、あまりのショックに呆然自失。タイタニックの設計者は時計を止め、静かにその時を待つ。

 あがくことをやめ、ベッドの上で抱き合う老夫婦。子供たちにおとぎ話しを語って聞かせる母親。覚悟を決め、ブランデーグラスをくゆらせる紳士。もちろん、先を争ってボートに乗り込もうとする男たちがいる。制止しきれなくなった船員は客に発砲、それを恥じて自殺する。
 これだけ見せてくれたら充分ではあるまいか。巨額の制作費もとっくに回収できてるんだろうし。

 恋愛映画としての「タイタニック」での私の最大のツボは3箇所。

 その1。ローズはジャックの勧めで一旦はボートに乗りこむ。それでいいの? もうジャックと逢えないかもしれないよ、と気を揉んだものだった。
 と、やはりローズは無理にボートから降り、ジャックの元に駆け寄る。「君はなんてバカなんだ」と言いつつ、ジャックもローズを抱きしめる。よかったー、と安堵の涙がこみあげるシーンだ。一方、ローズの婚約者は嫉妬に狂い、二人はまたピンチに。

 2。海上でのジャックの最後の言葉。「君はここでは死なない。どんなことがあっても生き延びると約束して」。やはり泣けます。ジャックの亡骸が海中に消えていく場面は辛いが、生きるために、次のステップに踏み出すために、ジャックとの約束を果たすために、ローズには必要なことだった。

 3。ラストシーン、ボールルームの大階段の上でローズを待つジャック。あのシーンは本当に忘れられない、夢で逢いたい人が私にもいるから。

バック・トゥ・タイタニック Music バック・トゥ・タイタニック

アーティスト:サントラ,シセル,ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団
販売元:ソニーミュージックエンタテインメント
発売日:1998/09/09
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  98年の元旦。散歩に出た私は、たまたま「タイタニック」上映館の前を通りかかった。今日は映画の日か、安く見られるけど混むだろうなあ、と映画館の前を一旦は素通りして山下公園へ。

 公園に着き、氷川丸の姿を目にしたとたん、やはり「タイタニック」を見たくなった。飛行機も好きだが、船も好きなのである。上映開始にも間に合い、なんとか2列目に席を確保できた。
 結果、私はものすごーく感激し、心地よい浮遊感に包まれて映画館を出た。封切られて3週間しかたっておらず、「タイタニック」が社会現象にまでなる映画とは夢にも思わなかった。

 そもそも公開前は「史上最高のパニック映画」という評判ばかりで、ラブストーリーはつけたし程度の印象であった。それが、蓋を開けてみたらレオさま大ブレイクのメロドラマ。キャメロン監督は恋愛映画として作ったつもりはないと思うのだが。

 それが意外にも、ジャックとローズの恋、正確にはレオさまことディカプリオの魅力に参ってしまったりして。
 彼を見たのは「ギルバート・グレイブ」がお初、演技の上手さに舌を巻いたが、まだまだ子供な感じで、ときめきは覚えなかった。

「タイタニック」では少年ぽさを残す青年を熱演しており、私は少年以上・青年未満の男性がいちばん好きなのかもしれない。とにかく一途で、目が離せないジャック。こんな人となら凍てつく海に飛びこむのも怖くない?

 ディカプリオ出演作は他に「太陽と月に背いて」が好き。当時は19くらいだったか、16歳のランボーを鮮烈に演じていて、これと「タイタニック」の頃、彼は本当に輝いていたなあ。

 それにしても、「タイタニック」ほど結末が知れている映画も少ないだろう。「タイタニック」と聞いただけで、あの悲劇の豪華客船、乗客はほとんど死んだ、と誰でも想像がつく。出港に浮き立つ乗客たち、1等の上流階級と、船底に近い3等の庶民の船室は天地ほどの差があったが、死は平等に訪れた。金持ちからボートに乗ったが、あのブランデーをくゆらせていた紳士のように、船と運命を共にした人もいたのだろうか。

 人類の歴史が始まって以来、死ななかった人は一人もいない。栄華を極めた者も必ず死ぬのだ。そして、タイタニック号に限らず、世界の海の底には膨大な数の死者が眠っているのだろう。

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ギルバート・グレイプ

ギルバート・グレイプ DVD ギルバート・グレイプ

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2005/08/26
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 ギルバート(ジョニー・デップ)は24歳。父の自殺後、母は過食症で体重200キロに。弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)は知的障害、妹も難しい年頃である。そんな問題だらけの家族を支えるギルバートのため息が印象的だった。
 そりゃ、ため息をつきたくもなるわなあ、と彼をとりまく環境を思う。「音楽のないダンスのような」田舎町、アイオワ州エンドーラ。私ならそれだけで窒息しそう、出て行きたくなる。24歳といえば奇しくも(?)私が上京を考えていた頃だ、いったん故郷に戻ったものの、やはり酸欠の金魚状態で。

 町から一歩も外にでたことのないギルバートを、ジョニー・デップが好演していた。顔はいいけど、特に輝いてはいない、そんな普通の青年をナイーブに演じていた。
 弟を演じたレオ様の上手いこと! こんな家族がいたら、どんなに大変だろう、と私もはあーっとため息をついたものだった。
 ギルバートは人妻と情事などもしているが、特に事件は起こらず、淡々と日は過ぎていく。
 そして旅の少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れる。ギルバートは町を出ることができるのか?

 監督はスウェーデンのラッセ・ハルストレム。93年のアメリカ映画なのだけど、私が好きなアメリカ映画は大体、非アメリカ人監督の手になるものが多いようだ。
 この監督は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」の評判が高く、これは私も友人に勧められて見た、「ギルバート・グレイプ」が気に入ったなら、きっと好きになると思う、との言葉は本当だった。
 
 特に期待もせずに見た「ギルバート・グレイプ」だが、さわやかな風のような1本だった。出口のない生活に息苦しさを感じたときに見たら、元気がでるかも。

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太陽と月に背いて

パリ歴史探偵術 パリ歴史探偵術

著者:宮下 志朗
販売元:講談社
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 03年にパリに行ったとき、パサージュ・ショワズールにあるネットカフェ(日本語OK)にずいぶんお世話になった。その47番地に、ランボーゆかりのルメール書店があったという。
「パリ歴史探偵術」(宮下志朗・講談社新書)でそのことを知り、興奮気味にかのパサージュ(ガラス屋根のアーケード街)を訪ねたことは言うまでもない。「高踏派詩集」の版元であり、ランボーがヴェルレーヌに書いた手紙もこの書店気付だったそうだ。
 通りの向こうからレオ様@ランボーが歩いてきそうでドキドキしてしまったのだった。
 パサージュ、と聞くだけでパリが恋しくなる。ヴェルレーヌも後に、こんなふうに歌っているとか。

 昔の香りただようショワズール小路よ! 
 オレンジ、稀少なる羊皮紙、そして手袋を売る女たちよ!
 あの67年から70年にかけての
 ぼくたちの<デビュー>よ、直情径行という美徳よ
 それらは今いずこ?

Book 太陽と月に背いて

著者:クリストファー ハンプトン
販売元:徳間書店
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Bntaiyoto

 

  私は妻のカラダよりランボーの才能に欲情した。

「太陽と月に背いて」(95・英)のこのキャッチ・コピーは一生忘れられない。レオさま演じるランボーとヴェルレーヌ(デビッド・シューリス)の破滅的な愛を描いた秀作。監督はアニエスカ・ホランド、女性だったのね。
「タイタニック」で情熱的なジャックを演じる2年前、こんなゴーマンかました少年詩人を演じていたレオさま、似合いすぎ&痛快。この2本が私のベスト・レオさま作品である。あとは演技は凄いけど、の「ギルバート・グレイブ」しか見ていないけど。

 古臭い考えの詩人たちを笑い者にする16歳のランボー、そんな彼を小気味よく眺める27歳のヴェルレーヌ。彼はいつしかランボーの才能だけでなくカラダにも欲情しちゃったらしい。才能あふれる若き肉体に、というべきか。ロマーヌ・ポーランジェ扮する妻は非常に肉感的で熟れすぎていたような。ヴェルレーヌは青い果実がお好みだった?
 しかしランボーは容赦ない暴君でもあった。魚を提げて帰ってきたヴェルレーヌを嘲笑、ついに2人は決裂。その後、詩作を放棄しアフリカで商人となったランボーには魅力を感じなかった。30代で彼は生を終える。
 老いたヴェルレーヌはカフェでランボーの幻を見る。出遭った頃の少年の姿だ。彼はそっとヴェルレーヌの手を取り、かつて自分が傷つけた掌にキスをする。やさしくて切なくて大好きなシーンだ。

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