レセ・パセ 自由への通行許可証

レセ・パセ ~自由への通行許可証~ DVD レセ・パセ ~自由への通行許可証~

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2003/12/21
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 トリュフォーの「終電車」では、ナチ占領下におけるパリの演劇人の状況が描かれていたが、こちらは同時期の映画界の状況。

 42年、レジスタンス活動のため、あえてドイツ資本の映画会社で働く助監督ジャン=ドヴェーヴル(ジャック・ガンブラン)。屈辱ではあるが、レセ・パセ(通行許可証)をもらえるから活動には好都合だった。うまいこと立場を利用し、地道に活動していく。

 特に戦闘シーンはないのだが、ユダヤ人が収容所に送られる場面があった。ジャンの助監督仲間も逮捕される。と、ジャンは自転車で逃走、2度と撮影所には現れなかった。そしてフランス解放まで闘い、戦後はまた映画界に復帰したそうである。

 これもガンブラン目当てで見たのだが、チャリで田舎道を何時間も走るシーンはご苦労さん、でした。いつものことだが、好きなアクターが出ていることで、こうした映画を見られて嬉しい。自分の興味分野だけ追っていったら、この映画には出会えなかったはず。

 ところで、この映画を見たあと、フランスのネットラジオやCDG空港でも「レセ・パセ」という単語が耳につくようになった。要は通行許可証、当時も今も普通に使われる言葉なのだが。どうも映画の影響で特別な、つまりナチ占領下での許可証、とつい思ってしまうのだった。ひとつでもフランス語の語彙が増えて嬉しい?

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD33169/index.html?flash=1

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嘘の心

嘘の心 DVD 嘘の心

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2000/12/08
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 ジャック・ガンブランとサンドリーヌ・ボネールが共演、とあっては見逃せない。先にこのコンビを見たのは「マドモワゼル 24時間の恋人」、制作はこちらの方が後になる。タイトルから察せられるようにたった24時間だけの恋人関係。せつなかったけど、今回は夫婦役。仲良くやってるのかな、と思ったら。

 舞台はブルターニュ。ケルトの影響が強く、石積みの塀など、なんとなくケルトっぽい? ルネ(ガンブラン)は画家で自宅で絵画教室をやっている。妻ヴィビアンヌ(ボネール)は訪問看護婦。暮らしは厳しいがつつましく充実した日々を過ごしているかに見えた。が、ルネの教え子の少女が殺され、ルネに疑いがかけられて。

 やっていない、とルネは主張。ヴィヴアンヌの心は揺れる。彼女はルネに秘密があった。地元の名士である小説家との不倫。それを知ったルネは…。少女殺人の疑いは晴れるが、この夫婦、どうなってしまうのだろう? 

 大好きな二人の共演だし、ブルターニュの厳しくも美しい自然が拝める佳品だけど、苦いものが残った。「マドモワゼル…」みたいに何度も見てせつない思いに浸りたい作品ではないが、けっこう好きである。ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ(ふたりの5つの分かれ路)が刑事役で出演。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD31815/?flash=1

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マドモワゼル 24時間の恋人

DVD マドモワゼル 24時間の恋人

販売元:ビデオメーカー
発売日:2003/11/21
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 なぜ、こんなに胸が締め付けられるのだろう。
 ラストシーン、3回見て3回とも。せつなくてたまらなくなった。

 2児の母親でありキャリアウーマンであるクレール(サンドリーヌ・ボネール)。ふとしたきっかけで役者のピエール(ジャック・ガンブラン)と知り合い、1日を共にすることに。ほんのすれ違いだけのはずが、アクシデントが重なり、24時間の恋仲に発展する。

 冒頭、クレールがトゥールーズ市立劇場の前に張られた灯台のポスターに顔を曇らせ、そこから回想が始まる。
 どのようにしてピエールと出会い、思いを深め、後ろ髪を引かれながらも別れていったのか。

 大人だなあ、フランス映画。
 ジャック・ガンブラン目当てで見たのだけど、大のお気に入り映画になってしまった。風景や建物もすてきで、フランスへ旅した気分になれた。

 そしてもう一つの主役は灯台!
 ラストは冒頭シーンに戻ってポスターとクレール。そうだったのか、そうだったのか、と恋の一部始終を目撃した気分にさせられる。

 どうにもならない思い。別れるしかない関係。それでも、あの24時間はかけがえのない思い出。フィリップ・サルドの音楽がムードを高めている。こういう恋愛映画なら何度見てもいいな。というわけでDVDをゲット、もう何度も繰り返して見てます。

 そして昨年秋、予告で「灯台守の恋」の封切りを知った。同じフィリップ・リオレ監督でサンドリーヌ・ボネール主演。もしや「マドモワゼル 24時間の恋人」で話題に上っていた「灯台の話」の映画化?
 と思ったけど違う話でした。でも「灯台守の恋」も素晴らしかった。ガンブランが出てないのは残念だったけどね。

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クリクリのいた夏

クリクリのいた夏 DVD クリクリのいた夏

販売元:日活
発売日:2001/02/23
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 1930年代のフランス。当時のマレ(Marais=沼地)には世捨て人のような人々が住んでいた。原題の[Les Enfants Du Marais]は、「沼地の子供たち」といった感じだろうか。住人のひとり少女クリクリを中心に、沼地の生活が描かれていく。

 夏の1日、ガリス(ジャック・ガンブラン)とリトン(ジャック・ヴィユレ)とピクニックに行くクリクリ。
郊外行きの列車に乗り、適当な場所で降ろしてもらう。バケツいっぱいエスカルゴを取った後、帰りはまた通りかかったSLに合図して乗って帰ってくる。
 沼地出身で工場主のペペも、かつてはカエル取りの名人。窮屈な街の暮らしに飽きると、沼地に戻ってきてカエル取りに熱中する。
古き良き時代のフランス。したたる緑の中での自由で豊かな生活にため息が出た。

 公開時(99年)、フランスで200万人を動員したヒット作だとか、フランスの人にとっても失われた懐かしい夏の思い出が、そこにあったのだろうか。

 豊かな自然、舗装されていない道。私の子供時代ものんびりしたものだった。学校の帰り道、SLが黒煙をあげて横を通りすぎていった。私はいつも本を読みながら歩いていて、二ノ宮金次郎か、と笑われた。
 線路の向こうは防雪林。ひんやりとした林の湿地にはミズバショウも咲いていた。「夏の思い出」にも歌われるミズバショウ、私には身近すぎて、天然記念物といわれてもピンとこなかった。

 蝶の羽化の様子を息を呑んで観察したり、蟻たちが巣に大きなエサを運ぶのを眺めたり。母が作った畑からイチゴを失敬したり。思えばあれも贅沢な子供時代だった。モノに囲まれていても、今の子供たちはちっとも幸せそうに思えない。少なくとも私は存分に本を読み、妄想にふけっていられて幸せだった。

 映画は、現代の、かつてのマレを映し出して終る。開発が進んで、もはや昔日の面影はない。
 すべては老いたクリクリの回想だったのだ。少女時代に仲良しだったお金持ちの坊ちゃんと結婚し、幸せな人生を送ってきたようだ。

 下記の言葉が解説にあるが、全く同感である。
「蓄音機とワインとグラスをテーブルの上に置いて、採ってきたエスカルゴをほおばる。レコードから聞こえてくるのはルイ・アームストロング。
 ゆったりと過ぎていく時間。この情景に接するとき、私たちは永遠に忘れてしまった<贅沢>の意味を知らされるだろう。」

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