華氏911

華氏 911 コレクターズ・エディション DVD 華氏 911 コレクターズ・エディション

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2004/11/12
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 イラクから帰還したアメリカ兵にPTSDが多いそうだ。そうだろうなー、と思いつつ、9・11についても書いておくべきなんじゃないかと思った。このブログは耽美とゲイ術がメインだけど、少しは現実も見ておりますよ、といいたいのか、私。

http://square.umin.ac.jp/tadafumi/PTSD.html

 9・11。そりゃ衝撃だったし、テロは憎い。でもアメリカがどうして世界中から嫌われるのか、少しは考えてみたら、と思ったのも事実だ。

 個人的には、9・11の半月後にマルタ行きが控えていた。旅行サイトのBBSは、この時期、旅行に出て大丈夫だろうか、とか、家族や周囲が反対している、といったカキコがたくさんあった。どこにいたって死ぬときは死ぬ、そんなに心配なら部屋にこもって毛布を被っているしかないだろう、という意見が寄せられ、同感した。部屋にこもったところで安全ではない。トラックが突っ込んでくるかもしれないし。

 マルタ方面としては格安のツアーを見つけ、遅い夏休みをとって楽しみにしていた。マルタ騎士団に思い入れがあり、ぜひ本拠地を訪ねてみたかったのだ。あんなリーズナブルなツアーはそうないはず、チャンスを逃してなるものか。

 当日、成田に着くと、2組がキャンセルしたと知らされた、もったいない。とても楽しい旅だったのに。マルタは旧イギリス領なので、テロの標的になる恐れがまったくないわけではなかったが、東京の方がよほど危ないだろう。マルタは平和そのものだった。9・11の影響といえば、帰国便ではナイフ、フォークがプラスチック製品に変わっていたことくらい。

 ツアーでご一緒した方々もブッシュに責任があるのでは、と口々に言っていた。彼が落選してたら、9・11は起きたかどうか。「フロリダのおじいちゃん、おばあちゃん、なんてことしてくれたの」という方もいた。

 冬が近づき、ユニセフからアフガニスタンの子供たちへの緊急援助の要請が届いた。難民となった彼らは食べ物にも事欠く有様、冬は寒さが厳しくテント生活では生死に関わるのだそうだ。アメリカへの寄付は膨大な額にのぼったが、アフガンへ目を向ける人は少なかった。ビンラディンの行為は許されないことだが、だからって空爆していいのか。危険にさらされるのは武装テロリストではなく、非力な一般市民だ。

 そうこうするうち、「華氏911」が日本でも封切られ、けっこうなヒットを記録した。わざわざ見に行く気はしなかったが、わりと早めにテレビでオンエアされので見た。以下はその時の日記である。

2004年11月24日(水)

 マイケル・ムーアの意図はアメリカそのものの批判とか、思い通りに作れたのだろう、ブッシュ嫌いにはちゃんと納得できる出来のようだ。

 かの超大国に最初に「?」を感じたのは、アグネス・チャンがLAに留学したときのエピソード。TVであまりにアメリカのニュースしか流さないのでアグネスが学友に疑問をぶつけると、「だってアメリカが世界の中心だもの、当然よ」という答えが返ってきた。
 アグネスはショックを受けたというが、私も同様だ。たかが北米大陸のみの大リーグ野球の王者を決める戦いが「ワールド・シリーズ」なのは、そのせいか。サッカーがアメリカで人気薄なのはアメリカが世界一になれないスポーツだからだっていうし。
 
「華氏911」を見て、義弟は「結局、貧乏人が戦争に借り出されて命を落とすってことか」と言った。
 アメリカは志願制なので、戦争に行きたい人だけが行くのかと思ったらそうではない。職のない若者は危険を冒してでも志願するしかない、生活は保証されるしうまくいけば生還できるし。

 そういえば、イラクでアメリカの物資を運ぶ会社も高給なのだそうだ。危険だがお金に困っている労働者が多数、応募しているらしい。犠牲者も多いのだけど。
 8歳の甥は死体が出てくるときだけ画面に見入っていた、「首がないの?」と首なし死体にこだわるのは、香田証生さんの事件を知っているわけではなく、たぶん見たばかりの「スリーピー・ホロウ」の首なし騎士に毒されているんだろう。イラクで人質になり「自己責任」という言葉を流行らせた3人もちらっと登場したっけね。

 イラク戦争はすぐに終結したのだが、「戦争が終ってからの方が、死んだ兵隊さんの数が多いんだよ、どうしてだろうねえ」と思わず甥に愚痴ってしまった私。

「ブッシュが絶対に再選されないように祈っているよ。そして早くまた皆に会いたい。」
 ある兵士の手紙を遺族が読み上げる、そう、この手紙が届いた1週間後に彼は戦死したのだ、ブラック・ホーク(ヘリコプター)が墜落して。

 彼の願いも虚しくブッシュは再選されてしまった。でも、早くもベトナム戦争なみの泥沼化を呈しているイラク情勢。その張本人として、ブッシュは末永く歴史に汚名を残すだろう。
 それはブッシュ落選を願いつつ散った兵士への、せめてもの手向けだ。 

| | コメント (0)

その他のカテゴリー

▲アン・リー監督作品 ▲ジェイク・ジレンホール出演作 ▲ヒース・レジャー出演作 ▲ブロークバック・マウンテンⅡ(51)~ ▲ブロークバック・マウンテンⅣ(151)~ ▲ブロークバック・マウンテンⅧ(351)~ ▲ブロークバック・マウンテン ▲ブロークバック・マウンテンⅢ(101)~ ▲ブロークバック・マウンテンⅤ(201)~ ▲ブロークバック・マウンテンⅥ(251)~ ▲ブロークバック・マウンテンⅦ(301)~ ▲私見・アカデミー賞 △LGBT映画 あ △LGBT映画 い~お △LGBT映画か、が行 △LGBT映画さ、ざ行 △LGBT映画た、だ行 △LGBT映画な行 △LGBT映画は、ば、ぱ行 △LGBT映画ま行 △LGBT映画ら行 △LGBT映画わ行 △「腐女子」を考える △ジェンダー関連 △ドラマ ある日どこかで アーサー王伝説 エド・ウッド関連 クリスト・ジフコフ出演作 サッカー ジェラール・フィリップ出演作 ジェームズ・フランコ出演作 ジェームズ・スペイダー出演作 ジャック・ガンブラン出演作 ジャレッド・レト出演作 ジュード・ロウ出演作 ジュード・ロウ関連映画 ジョニー・デップ出演作 ダニエル・デイ・ルイス出演作 ドラマ パリの本 ポール・ニューマン出演作 レオナルド・ディカプリオ出演作 ヴァンサン・ペレーズ出演作 ヴィスコンティ作品 人形アニメ 写真集 小説あ行 小説か行 小説さ行 小説た行 小説な行 小説は行 小説や行 市川雷蔵出演作 年下の彼 忘れられないコミックス 忘れられない小説 忘れられない随筆 戦争の記憶・ヨーロッパ 日本映画あ行 日本映画か行 日本映画さ行 日本映画た行 日本映画な行 日本映画は行 日本映画ま行 日本映画や行 日本映画ら行 映画あ 映画い 映画う 映画え 映画お 映画か 映画き 映画く 映画け 映画こ 映画さ 映画し 映画す 映画せ 映画そ 映画た 映画ち 映画つ 映画て 映画と 映画な 映画に 映画ね 映画の 映画は 映画ひ 映画ふ 映画へ 映画ほ 映画ま 映画み 映画む 映画め 映画も 映画や 映画ゆ 映画よ 映画ら 映画り 映画る 映画れ 映画ろ 映画わ 映画書籍あ行 映画書籍か行 映画書籍さ行 映画書籍た行 映画書籍は行 映画書籍ま行 映画書籍や行 映画音楽 滝口雅子詩集 猫いろいろ 私のルーツ 美術書CATS 美術書あ行 美術書か行 美術書さ行 美術書た行 美術書な行 美術書ら行 能楽 華氏911 追悼 伊福部昭 *Football *コメディ映画あ行 *コメディ映画さ行 *コメディ映画た行 *コメディ映画ま行 *コメディ映画や行 *家族問題 サンドラ様blog開設お祝いカード