華氏911

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 イラクから帰還したアメリカ兵にPTSDが多いそうだ。そうだろうなー、と思いつつ、9・11についても書いておくべきなんじゃないかと思った。このブログは耽美とゲイ術がメインだけど、少しは現実も見ておりますよ、といいたいのか、私。

http://square.umin.ac.jp/tadafumi/PTSD.html

 9・11。そりゃ衝撃だったし、テロは憎い。でもアメリカがどうして世界中から嫌われるのか、少しは考えてみたら、と思ったのも事実だ。

 個人的には、9・11の半月後にマルタ行きが控えていた。旅行サイトのBBSは、この時期、旅行に出て大丈夫だろうか、とか、家族や周囲が反対している、といったカキコがたくさんあった。どこにいたって死ぬときは死ぬ、そんなに心配なら部屋にこもって毛布を被っているしかないだろう、という意見が寄せられ、同感した。部屋にこもったところで安全ではない。トラックが突っ込んでくるかもしれないし。

 マルタ方面としては格安のツアーを見つけ、遅い夏休みをとって楽しみにしていた。マルタ騎士団に思い入れがあり、ぜひ本拠地を訪ねてみたかったのだ。あんなリーズナブルなツアーはそうないはず、チャンスを逃してなるものか。

 当日、成田に着くと、2組がキャンセルしたと知らされた、もったいない。とても楽しい旅だったのに。マルタは旧イギリス領なので、テロの標的になる恐れがまったくないわけではなかったが、東京の方がよほど危ないだろう。マルタは平和そのものだった。9・11の影響といえば、帰国便ではナイフ、フォークがプラスチック製品に変わっていたことくらい。

 ツアーでご一緒した方々もブッシュに責任があるのでは、と口々に言っていた。彼が落選してたら、9・11は起きたかどうか。「フロリダのおじいちゃん、おばあちゃん、なんてことしてくれたの」という方もいた。

 冬が近づき、ユニセフからアフガニスタンの子供たちへの緊急援助の要請が届いた。難民となった彼らは食べ物にも事欠く有様、冬は寒さが厳しくテント生活では生死に関わるのだそうだ。アメリカへの寄付は膨大な額にのぼったが、アフガンへ目を向ける人は少なかった。ビンラディンの行為は許されないことだが、だからって空爆していいのか。危険にさらされるのは武装テロリストではなく、非力な一般市民だ。

 そうこうするうち、「華氏911」が日本でも封切られ、けっこうなヒットを記録した。わざわざ見に行く気はしなかったが、わりと早めにテレビでオンエアされので見た。以下はその時の日記である。

2004年11月24日(水)

 マイケル・ムーアの意図はアメリカそのものの批判とか、思い通りに作れたのだろう、ブッシュ嫌いにはちゃんと納得できる出来のようだ。

 かの超大国に最初に「?」を感じたのは、アグネス・チャンがLAに留学したときのエピソード。TVであまりにアメリカのニュースしか流さないのでアグネスが学友に疑問をぶつけると、「だってアメリカが世界の中心だもの、当然よ」という答えが返ってきた。
 アグネスはショックを受けたというが、私も同様だ。たかが北米大陸のみの大リーグ野球の王者を決める戦いが「ワールド・シリーズ」なのは、そのせいか。サッカーがアメリカで人気薄なのはアメリカが世界一になれないスポーツだからだっていうし。
 
「華氏911」を見て、義弟は「結局、貧乏人が戦争に借り出されて命を落とすってことか」と言った。
 アメリカは志願制なので、戦争に行きたい人だけが行くのかと思ったらそうではない。職のない若者は危険を冒してでも志願するしかない、生活は保証されるしうまくいけば生還できるし。

 そういえば、イラクでアメリカの物資を運ぶ会社も高給なのだそうだ。危険だがお金に困っている労働者が多数、応募しているらしい。犠牲者も多いのだけど。
 8歳の甥は死体が出てくるときだけ画面に見入っていた、「首がないの?」と首なし死体にこだわるのは、香田証生さんの事件を知っているわけではなく、たぶん見たばかりの「スリーピー・ホロウ」の首なし騎士に毒されているんだろう。イラクで人質になり「自己責任」という言葉を流行らせた3人もちらっと登場したっけね。

 イラク戦争はすぐに終結したのだが、「戦争が終ってからの方が、死んだ兵隊さんの数が多いんだよ、どうしてだろうねえ」と思わず甥に愚痴ってしまった私。

「ブッシュが絶対に再選されないように祈っているよ。そして早くまた皆に会いたい。」
 ある兵士の手紙を遺族が読み上げる、そう、この手紙が届いた1週間後に彼は戦死したのだ、ブラック・ホーク(ヘリコプター)が墜落して。

 彼の願いも虚しくブッシュは再選されてしまった。でも、早くもベトナム戦争なみの泥沼化を呈しているイラク情勢。その張本人として、ブッシュは末永く歴史に汚名を残すだろう。
 それはブッシュ落選を願いつつ散った兵士への、せめてもの手向けだ。 

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