哀愁

DVD 哀愁

販売元:ビデオメーカー
発売日:2005/11/19
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 2002年の春、ジュード・ロウの舞台「Dr.Faustus」を見に、はじめてロンドンに行った。
 ロンドン~パリを結ぶ列車ユーロスターが出るウォータールー駅そばに、会場のYoung Vic劇場はあった。ホテルから劇場まで20分かけて歩いた。テムズ川にかかるウォータールー橋からは歴史的建造物がよく見えた。向こう岸にはロンドン・アイ。

 たった3日で4公演鑑賞、ほとんどホテルと劇場の往復しかできなかった私にとって、この橋からの眺めは唯一のロンドン観光だった。
 ピカデリー・サーカスには、ジュードに捧げる花を買いに行っただけ。黄色のチューリップを買い求め、日本から持参した紺色の和紙でラッピング。リボンがイメージと違ってしまい、急遽、予備の水色の和紙でリボンを作って結んだ。
 その花束を大事にかかえ、強風のウォータールー橋を渡ったことを、はっきりと覚えている。

 あの時、映画「哀愁」(40・米)のことなどきれいさっぱり忘れていた。原題が[Waterloo Bridge]だと覚えていたにも関わらず。
 主人公のマイラは、この橋の上で運命の人と出会って愛を誓い、夢やぶれて、同じ橋の上で命を閉じる。霧に煙るロンドン。ウォータールー橋の上からの眺めもはっきりしないが、確かに私が見たのと同じ風景のようである。

 第一次大戦中のロンドン。ヴィヴィアン・リー扮するバレリーナが、ウォータールー橋の上で軍人(ロバート・テイラー)と出会い地下鉄の構内(防空壕)恋が芽生える。美男美女の悲恋映画、これぞメロドラマという極めつけの1本である。

 再見して、しみじみ思ったのは、この時代の映画は美しいスターのものだったのだなあ、ということ。あまりの哀しさ美しさに涙が止まらない。

 はじめて「哀愁」を見た学生時代。私は自分がこの映画の舞台・ロンドンに行けるなんて思いもしなかった。ナマのバレエの舞台を見ることも。ヨーロッパもバレエも、私にはあまりに遠い世界だったのだ。

  それがルネサンス絵画を見るためにフィレンツェへ、ジュードの舞台を見にロンドンへ、バレエを見るためにパリやボルドーへ、平気で出かけていくようになった。
 この小心者の私が? 本当に人間ってどうなるかわからないものだ、と「哀愁」を見ながらつくづく思った。

 ところで「哀愁」にはお守りとして「ビリケン」が出てきます。大阪名物かと思ったら、元は舶来なんですねー。
http://www.tsutenkaku.co.jp/hiroba/hiroba.html

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マイ・ビューティフル・ランドレット

マイ・ビューティフル・ランドレット スペシャル・エディション DVD マイ・ビューティフル・ランドレット スペシャル・エディション

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2005/03/11
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 さっき「ラスト・オブ・モヒカン」でダニエル・デイ・ルイスの映画は、それまでちゃんと見たことが、と書いたが、実はかなり前に見ていたのだ。「マイ・ビューティフル・ランドレット」を公開時にちゃんと見てました@シネマスクエアとうきゅう。87年日本公開だっていうからだいぶ前だ。当時、代々木に住んでいた私、歌舞伎町なら歩いて見に行ったかも。

 昨年、やっとDVD化されたとき、なつかしい、とレンタルで再見したが、実は私、レンタル落ちのビデオを持ってました。

 85年制作かー、監督は「プリック・アップ」のスティーブン・フリアーズ、こっちの方が先に作られた。テレビ用の作品だったが、好評につき公開されたとか聞いた気がするが? 今見てもなかなかの力作だと思う。

 当時はもちろん、ゲイのカップルの映画だっていうのでいそいそと見に行ったのだ。それもロンドンっ子とパキスタンの移民青年の愛。ダニエルにとっても初主演映画かな。やせた兄ちゃんだなーというくらいで、あまり強い印象は残っていないが。

http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=40588

 イギリスの移民差別を、この映画で思い知った。パキスタン系は「パキ」と呼ばれて蔑視される、胸が痛かった。再会した幼馴染のジョニー(ダニエル)とパキスタン系のオマール(ゴードン・ウォーネック)。ジョニーには悪い仲間がいて、彼らは移民とみるや難癖をつけてリンチにも及ぶ。ジョニーとオマールは、まるでロミオとジュリエット?

 02年にロンドンに行ったとき、入国審査で私はあっさり通してもらえたが、隣のカウンターにいたインドだかパキスタン系の家族は、しつこく尋問されていた。「甥の家に滞在する」とか言っているのに、だ。それでまた、この映画のことを思い出した。

 そういえばジュード・ロウはこれを見て演技者になりたい、と思ったらしい。けっこうラブシーンもしっかりあるのだが、ジュード、これを見て何を思ったのか。ダニエルの演技に惹かれたのかな。舞台はジュードの地元、南ロンドンだし。あまり環境が良い地区ではないそうだが、ジュードの出身地だと思うと親しみが湧く。

 この映画に限らないが、イギリスのゲイものって、ちゃんとベッドシーンなど描くからたいしたものだ。ネクタイをしたままのオマールのシャツの胸をはだけさせ、胸をまさぐるダニエル、良かったわ♪ 他にもっと濃厚なシーンも。アメリカはやっと「ブロークバック・マウンテン」で追いついた?

 愛の前には人種も性別も関係ないんだな、と書いてしまえばそれまでだが、失業にあえぐ街でコイン・ランドリーで地道に商売し自立していこうとするオマールと、ジョニーとがうまくいきますように、と祈りたい気持ちになった。

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恋におちたシェイクスピア

恋におちたシェイクスピア DVD 恋におちたシェイクスピア

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2006/01/27
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 映画「エドワード2」を見る気になったのは、原作がクリストファー・マーロウと知ったからだった。シェイクスピアと同時代に生きた劇作家で、「フォスタス博士」も書いている。
 2002年の春。ジュード・ロウの「Dr.Faustus」ロンドン公演に当たって、私は燃えていた。マーロウはジュードが大好きな作家、と聞くと色々調べたくなるではないか。
「エドワード2」も、原作を読むよりは映画を見たほうが話が早い、というわけで見たのだった。

 29歳の若さで世を去ったマーロウ。酒場の喧嘩に巻きこまれたらしいが、彼はスパイで、暗殺されたという説もある。どちらにせよ、大変な才能の持ち主で、長生きしてたらシェイクスピアを凌ぐ大作家になったかも。

「恋におちたシェイクスピア」には、このマーロウが登場(チャプター8)、「ロミオとジュリエット」を書きあぐねているシェイクスピアに酒場でアドバイスを与える。
 演じたのはルパート・エヴェレット。既に人気作家として不動の地位を築いていたことが、よくわかる。
 シェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)は、マーロウの前で「フォスタス博士」の有名な台詞を口にする。
「Was this the face…(この顔か、千の船を出航させ、トロイの塔を焼きつくさせたのは)」
 悪魔に魂を売り、あらゆる快楽を手に入れたフォスタスが、トロイのヘレンを呼び出させ、対面する時の台詞だ。
 ジュードの舞台では、ジュードが鏡に向かってこの台詞を言っていた。ちょっとナルシスティックな演出?

 酒場のシーンの後の役者のオーディションでは、応募者がそろいもそろって「Dr.Faustus」の、この部分を演ずるのだ。
 次から次へと「Was this the face…?」、笑ってしまった。

 そして、「ロミオとジュリエット」! ひょんなことから恋人ヴァイオラ(グウィネス・パルトロウ)と舞台で共演することになったシェイクスピア。
 2人の口から出てくるのは、ゼフィッツェリの「R&J」サントラ版で耳慣れた台詞の数々だった。
 なつかしさに涙があふれた。英語を理解したのではない、繰り返し味わった音楽のように、耳に残る台詞の数々。久しぶりだっただけに、ぐっときてしまった。

 ところでジュードはマーロウの映画を作りたいと、ずっと前から言ってるのだけど。その後、話は進んでいるのだろうか、早く見たいものだ。
いつまでも待ってるからね、ジュード。

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さらば美しき人

さらば美しき人 DVD さらば美しき人

販売元:キングレコード
発売日:2004/12/08
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 この映画の紹介記事を読んだときの衝撃は忘れない。

(ここからめちゃくちゃネタばれなのでご注意)

 兄妹の近親相姦、しかも妹はあのシャーロット・ランプリング。人妻で兄の子を妊娠、そして最後は兄に心臓を抉り出される。まだお子ちゃまだった私は、あまりのことに絶句した。そして、猛烈にこの映画を見たくなった。が、例によって田舎では上映されず。

 原作はシェイクスピアと同時代の作家ジョン・フォードによる「あわれ彼女は娼婦」。そのことだけをしっかりと胸に刻み込み、年月が流れた。

 かなりの時間がたち、一時、豊川悦司が好きだった私。彼が「あわれ…」の舞台に出演、と聞いて色めきたった。兄のジョヴァンニ役だろう。が、そのときは、もう舞台は終わっていた。(涙)

 さらに月日が流れ、私はジュード・ロウのファンになった。01年、「スターリングラード」により、ジュード熱はピークに。そして下記の本で、彼が99年10月にロンドンで豊川と同じジョヴァンニ役

を演じたことを知る。めちゃくちゃ似合っただろうなあ。

フェイス ジュード・ロウ Book フェイス ジュード・ロウ

販売元:キネマ旬報社
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Tis Pity She's a Whore (Revels Plays(Reprint)) Book Tis Pity She's a Whore (Revels Plays(Reprint))

著者:John Ford,Derek Roper
販売元:Manchester Univ Pr
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Book あわれ彼女は娼婦 心破れて

著者:ジョン フォード
販売元:白水社
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 この01年の秋、BBCのネットラジオで、ジュードが出た[Tis Pity She's a Whore]が放送されると知ったときの驚喜! 放送は午前3時から、アナログ接続でぶつぶつ切れたが、なんとか最後まで録音できた。ジュードがあの声で[Kiss]と言うだけで頭がグラグラした。このグラグラはかなり後まで尾を引いた。英語の原作(上記の洋書)もゲットして録音を聞きながら少しでも理解しようと努めた。解説も読んだ。

 近親相姦の原因として、当時の良家の子女は一緒には育てられなかったことが挙げられていた。なので、妹が兄を見たとき「あの立派な方は誰?」と嬉しそうに言うのだ。こういう悲劇を招かないためにも、男女のきょうだいは一緒に育てましょう?

 ややあって、ようやく映画「さらば美しき人」をビデオで見ることができた。ただし字幕なしのビデオ。ストーリーは小田島さんの訳、ジュードの録音などで把握できたから、さほど困らなかったが。

 シャーロット・ランプリングがとにかく美しい。AmazonのDVDのレビューにもあるが、この作品の彼女は最も輝いているのではないか。私は妄想した、ありえないカップルを。すなわち、この映像の彼女と、99年当時のジュード。「Tis Pity…」でのジュードは、「彼の祖母でさえ恋してしまうような美しさ」と絶賛されたそうだ。残念ながら映画のジョヴァンニ役の役者はいまいち好みではないので。

 凄惨な映画である。最後はほとんどの登場人物が死んでしまう。シャーロット・ランプリングも、最初に書いたように、兄の手にかかって死ぬのである。しかし美しい。

 血まみれの画面はさすがに辟易したが、この時代が血塗られたものであったことを垣間見せてくれる作品である。

 これも「別れの朝」と同じキングレコードからリリース。DVD化は快挙といえるだろう。

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