ある日どこかで(2)

ある日どこかで Book ある日どこかで

著者:リチャード マシスン
販売元:東京創元社
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「ある日どこかで」に主演した故・クリストファー・リーヴ氏の未亡人、ダナ・リーヴさんが亡くなりました。まだ44歳、とてもショックです。非喫煙者なのに肺ガンが原因でした。お子様もまだ10台前半のはずです、そんな若くしてご両親を失うなんて。

 ダナさんのご冥福を心から祈ります。

http://cnn.co.jp/showbiz/CNN200603080006.html

 この「ある日どこかで」は私の恋愛映画ベスト1です。下記に感想をまとめてあります。

http://emmanueltb.cocolog-nifty.com/blog/cat1121813/index.html

http://www.ueda.ne.jp/~peg/

 上記は日本のHP。公開から26年もたつのに、未だに熱心なファンが多く、そしてファンは増え続けているようです。公開時は全く注目されなかったのが、じわじわと信奉者を増やしていった稀有の名作です。

 私は「BBM」が、そのような映画になることを(幸い「BBM」は公開前から注目されていましたが)確信しつつあります。今は幼すぎて「BBM」を見られない人たち、まだ赤ちゃんだったり、これから生まれてくる人たちが、10年20年先に、「こんな名作があったのか!」と目を見開き虜になる。「BBM」は「ある日どこかで」と同様、語り継がれ常にファンを増やしていく映画になるでしょう。

「ある日どこかで」とめぐり合えて、私は本当に幸せでした。

 改めて、リーヴ夫妻に哀悼の意を表します。

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ある日どこかで

ある日どこかで DVD ある日どこかで

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2005/11/25
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 初対面の見知らぬ老婦人は、リチャードに何かを握らせ[Come back to me.]と一言告げて去る。「帰ってきてね」とはどういうことなのか、リチャードにはまったく思い当たる節がない。それでも老婦人がくれた金時計が気に入ったリチャードは、それを肌身離さず愛用。そして8年後、すべてが明かされる…。

 これはタイム・トラベルものです。そして究極のラブ・ストーリー。タイム・トラベルの設定をアホらしいと思った方は私とは友達になれないと思いますが、ご興味もたれた方、ぜひご覧くださいね。今ならDVDも980円! 下記は日本版公式HPです。

http://www.ueda.ne.jp/~peg/

 そして以下の日記、とても長いです。完璧ネタばれでもあります、ご注意ください。

 最後に主演のクリストファー・リーブの訃報(04年10月)にも触れてます。いま読み返して涙が…。改めてご冥福をお祈りします。

(1)2004年7月23日(金)

 心がささくれだったとき、無性に見たくなる映画がある。
「ある日どこかで」。何気なくレンタルした20年も前のこの作品が、「心の1本」になるとは思いもしなかった。
カルトな人気を誇る映画だとは聞いていた。あの「スーパーマン」のクリストファー・リーヴの演技が素晴らしいとも。
「ある日どこかで(原題:Somewhere in Time)」というタイトルも意味深だ。
週末に見るつもりだったが、ふとオープニングが気になった。どんな始まり方なのか、とビデオをセット。

 1972年のシカゴ。大学卒業まじかのリチャード(C.リーヴ)が、初の戯曲を上演した夜。
成功を祝って皆が盛りあがる中、最後列に座っていた人物がいた。立ちあがり、静かにリチャードに近づいていく。
白髪の老女はリチャードの背に手をかける。振り向いて怪訝な顔になるリチャード。
リチャードの手を包み込むようにして何かを握らせる。
"Come back to me."(帰ってきてね)と。老女は去る。
 もちろん、リチャードには訳がわからない。老女が手渡したのは、金色の懐中時計だった。

 もう11時半頃だったけれど、私はビデオを止められなくなった。

 老女は満足気に帰宅する。出迎えた女性が「お芝居いかがでした?」と聞いても応えない。
 部屋に入り、脚本の表紙のリチャードの名を愛しげに指でなぞる。
 ラフマニノフのビアノ曲が流れる。

 一転、舞台は8年後、リチャードの部屋。売れっ子脚本家になっているが、ひどいスランプ中だ。
 気分転換に旅に出るリチャード。ふとミシガン湖の島にあるグランド・ホテルに車を向ける。白亜の豪奢なホテルである。
 老いた従業員のアーサーがリチャードの世話をする。アーサーが言う「以前お会いしたような?」

 ホテルの資料室に足を踏み入れたリチャードは、何かを感じて振り向く。そこには、美女のポートレートがあった。魅惑的に微笑む彼女に、リチャードは一目ぼれしてしまう。
 彼女はエリーズ・マッケナという女優で、1912年に、ホテル付属の劇場に出演したのだという。いつまでも写真に見入り、食事中も彼女のことしか考えられないリチャード。眠ることもできず、また写真を見に行く。

 図書館でエリーズついて調べたリチャードは、彼女の晩年のポートレートを発見、驚愕する。8年前、彼に懐中時計を手渡した老女その人だったからだ。

 続きは、明日にでも。

(2)2004年7月25日(日)

 ストーリーの続きです。
 エリーズの自宅を訪ねたリチャードは、彼女が懐中時計をくれた当夜に亡くなったことを知る。
 エリーズの部屋には、グランドホテルをかたどったオルゴールがあり、蓋を開けると、あのラフマニノフの曲が流れるのだった。
「僕の大好きな曲だ!」
 どうしてもエリーズに逢いたくなったリチャードは、時を遡る、ほとんど意志の力で。当時のお金を用意し、時代に合った服をあつらえて。
 1912年の宿泊名簿に自分の名があることをつきとめ、リチャードはエリーズに会えることを確信する。

 ついに25歳のエリーズ(ジェーン・シーモア)に出会ったリチャード。エリーズは「あなたなの?」と。いつか運命を変える男が現れる、とマネージャーが告げたのだそうだ。
 そのマネージャーの妨害でリチャードは縛り上げられ、エリーズはリチャードを残して次の巡業地に発ってしまう。

 朝。ホテルのポーチで、がっくりとうなだれるリチャード。
庭の植えこみから、エリーズが姿を現す。ややあって、「リチャード!」振り絞るような叫びをあげ、階段を駈け上がる。
 転げるように駆け下りたリチャードと、踊り場で熱い抱擁。
 リチャード:「もう逢えないかと…」
 エリーズ:「あなたをおいて行きはしないわ」(Oh,never.Never,never,never!)

 しかし、楽しい時は続かなかった。ふとしたことで、リチャードは元の世界に戻ってしまうのだ。
 もうどんなに念じても1912年には戻れない。絶望が残されただけ。
 思い出の場所をさまようリチャード。エリーズと初めてあった湖岸や楽しく語り合った公園は、ゴミが散乱する荒地と化していた。

 部屋に閉じこもり、食事もとらないリチャード。アーサーが医者を連れてきた時は手遅れだった。
「いい青年なのに、何があったのか」
 闇が広がり、やがて白い光がいっぱいに広がる。初めて逢った時の、眩しいほどに美しいエリーズが、リチャードを出迎える。

 初見の時は、なんてひどいラストだろうと思った。若い彼を連れていくことはないではないか。
 でも、すぐにこれでいいのだと思いなおした。リチャードにとってエリーズのいない人生は死に等しいし、エリーズは60年もリチャードを探し求めていたのだ。

 白光に包まれた2人はこの上なくしあわせそうで、何度見ても涙が出てしまう。エリーズの60年の孤独が報われたことが、我が事のように嬉しくて。

(3)2004年7月29日(木)

「ある日どこかで」のDVDをゲットした。昨年末にリリースされていたのだ。
 2ヶ月待てば2枚で1枚キャンペーンの対象になるそうだが、とても2ヶ月待てなかった。(HPの情報に感謝)予告編や監督の音声解説などもついていて嬉しい。

 鮮明な映像のせいか、感動も新ただ。オープニングだけ、のつもりが通して見てしまった夜を思い出す。
 見終わった時には午前1時を回っていた。仕事中も、エリーズやリチャードのことばかり考えて、その夜、また見てしまった。
 映画は2度見ろというが、全くだ。1度見ただけでは話の流れはわかるが、見落としている部分も多い。
 2度目の「ある日どこかで」は、冒頭から「そうだったのか!」の連続であった。

 エリーズは、リチャードが脚本を書いた芝居がはねた後、余韻をかみしめるかのように客席にいる。その視線は60年ぶりに再会できた恋人にじっと注がれているのだ。
 彼はまだ自分を知らない。あんなに愛し合ったのに。そして今、自分はこんなに年老いて。
 老いた姿を愛しい人の前に晒すのは勇気がいっただろうが、あの金時計を彼に渡さなければ、彼と出会うことはできないのだ。
[Come back to me.]
 この言葉に、エリーズの60年の想いが凝縮されている。

 帰りの車の中で、エリーズは脚本を胸に抱いていた。
 車はグランド・ホテル(夜景も美しい!)に立ち寄り、やがてエリーズの部屋へ。窓からは思い出の劇場が見える。

 ラフマニノフのレコード(パガニーニの主題によるラプソディ)に針を落とし、安楽椅子に揺られながら、感慨にふけるエリーズ。胸にリチャードの処女作の脚本を抱いている。彼の作品に出演する夢はついに叶わなかったが、リチャードと再会できたのだ。

 そのまま音楽が続いて、場面は8年後のシカゴへと移る。エリーズとリチャードの絆を感じさせて大好きな場面だ。
 グランド・ホテルに車を向けるリチャード。
 本当にきれいなホテルなのだ。いつか私も行ってみたいなあ。

(4)2004年10月12日(火) 追悼 クリストファー・リーヴ

 クリストファー・リーヴが亡くなった。今朝のニュースに「スーパーマン」の写真が登場した瞬間、嫌な予感がしたが、やはり彼の訃報だった。
 私は「スーパーマン」は未見である、私にとってC.リーヴは何よりもまず心の一本「ある日どこかで」のリチャード・コリアーであった。愛する女性を求める情熱的な青年であり、愛ゆえに悲劇を迎えるリチャードだ。

 C.リーヴは95年の落馬事故で車椅子生活を余儀なくされ、闘病中であった。「ある日どこかで」DVDに収められたインタビューでは、生死の境をさまよった体験談も語っており、決して予断を許さないリハビリ生活なのだと胸が痛んだ。でもいつかきっと映画界に復帰してくれる、彼なら奇蹟を起こせると信じていたのだが。享年52歳、あまりにも早い死だ。

「ある日どこかで」は、私にとっては最初から最後までツボだらけの映画だが、特に、グランド・ホテルの階段をリチャードが駆け下り、エリーズ(ジェーン・シーモア)が駆け上がって踊り場でしっかりと抱き合い再会を喜び合うシーンがたまらない。

 翌朝、楽しげに語らう2人の姿も忘れられない。直後に悲劇が待っているのも知らず、将来を語り合う。この場面を撮影した日は、ちょうどC.リーヴに奥方のおめでたの知らせが届き、撮影現場はお祝いムード一色だったとか。
 
 今年は「ある日どこかで」の公開25周年、きっと記念イベントも開かれただろうが、世界中の「ある日どこかで」のファンはどんなに哀しんでいるだろうか。あの映画は、永遠に輝くリチャードとエリーズの愛を私たちに残してくれた。
 ありがとう、Mr.リーヴ。心からご冥福をお祈りします。

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