映画は予告篇が面白い

ホリデイ (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第2弾) DVD ホリデイ (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第2弾)

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2008/06/12
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映画は予告篇が面白い (光文社新書) Book 映画は予告篇が面白い (光文社新書)

著者:池ノ辺 直子
販売元:光文社
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ホリデイ」ではキャメロン・ディアスが予告篇製作の仕事をしてましたね、製作過程も覗き見られて、とっても面白かったです。ジャック・ブラックは映画音楽家ですし、未見の方、特に映画製作の撮影以外の過程に興味のある方にオススメです。

 そう、私も常々思っていました、「映画は予告篇(のほう)が面白い」と。この本は、予告篇製作集団「バカ・ザ・バッカ」代表の池ノ辺 直子さんによるもの、なかなか興味深いです。6年前の発行ゆえ扱われている映画はちょっと古めですが、私的に思い入れのある映画に関しての記述にはへえーっと感心。たとえば「シッピング・ニュース」は「イメージが暗いけど、暗い中にも明るい部分もあるんだ、というところを出さないといけないのでしんどかった」。

「チョコレート」も似た苦労があったようです。映画会社は暗い映画だと客が来ないから明るくしてくれとか無茶なことをいってくることもあるそうです。だから予告と本編のイメージが全く違う映画が存在するの? でも「チョコレート」では(予告を)無理に明るくする必要はないと担当者が言ってくれて気が楽だったと。よかったですね?

 映画を見に行くと最初にCMが入りますが、そちらは映画館の収入になるそうです。が、予告篇は無料で流すのだとか、そりゃ宣伝になりますもんね。予告で期待して見に行った映画もたくさんありますし、期待はずれだったことはあまりないです。予告もオリジナルと日本独自のものはかなり違ったりして、DVDに予告が入ってると必ず見ますが、見比べるのも面白い。ほとんど予告が同じというケースは、たぶんオリジナルに字幕をちょっとつけて終わりなんでしょう。

 本編が出来てないうちに予告を作らざるを得なかったりと苦労も多いようですが、知られざる予告篇製作の舞台裏を垣間見られて楽しい本です。池ノ辺さん宅のHPにもいろいろ資料があります!

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映画を見ると得をする

Book 映画を見ると得をする

著者:池波 正太郎
販売元:新潮社
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 シネマディクト(映画狂)池波先生のすてきなエッセイ。構成はごくシンプルです。

 第1章 何を観ようかと迷ったときは
 第2章 見方によってもっと面白くなる
 第3章 なぜ映画を観るのかといえば

 それぞれが読みやすく細分化されてます。どこから読んでも面白く、読み返すたびに発見が。たとえば第2章の「贔屓の監督なりスターを持つことには、プラスもあるがマイナスもある。」

 好きな監督やスターの作品は必ず見ますよね。何年もそうしているうちに彼らは変わっていく。成長する人もいればダメになる人も。

 その人がつくる映画以外に、その人自身の人生が見えてくるって。なるほど~です。確かに色んな感慨は湧く。長期間にわたって同じ監督の作品を見てきたことはないかもしれないけど、「向こうが変わると同様、こっちも変わっている」。そうなんだろうねー。

 だから特定の監督、スターでないと映画を観ない、というのも一つの見方、と池波先生。でも、どんな映画でも面白そうなら全部観る、というやり方もあると。「色んな種類の映画を観る事によって偏見をなくしていこう。」と思っていると。

 こんな池波先生だからこそ、80年代初頭の問題作「メーキング・ラブ」(GLBT映画ま行に収録)も素直な視点でご覧になっている。そのやわらか頭のゆえんか、先生ご自身、「鬼平」シリーズに「夫婦浪人」が主人公の短編を書いてらっしゃるのでした。

 好きなジャンルしか観ない人は視野が狭く自分勝手なタイプが多い~、と。でも、わかる気がする。自分は絶対正しい、という思い込みは怖い。もしかして間違ってるかも、とか他人の意見も聞いてみようかな、という柔軟性がないのね。気をつけなくちゃ。

 私もヒジョーにシュミが偏ってますが、ミーハーゆえに色んなアクターを好きになり、彼らの出演作を追っていくと自然に色んなジャンルを観る事になる。

 例えばジュード・ロウ。彼が出てなければ戦争映画が苦手な私は「スターリングラード」も「コールド・マウンテン」も見なかっただろう。クローネンバーグの「イグジステンズ」もね。意欲作「ガタカ」すらパスしたかもしれない。ほんと、これらは観られて良かったです。いまお熱のジェイクとヒースにも感謝。「チョコレート」「ドニー・ダーコ」あたりは、彼らが出てなかったらパスしていたに違いないもの。

 自分を変えたい、もっと人間としての幅を広げていきたいなら色んなジャンルのいい映画を観ること、だそうです。うーん、そうかそうか。

 池波先生、ありがとうございます。おかげさまで、また映画を観たくなりました。

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メーキング・ラブ

10m 「メーキング・ラブ」というタイトルだけ見るとH満載映画みたいだが、シリアスなドラマである。「ある愛の詩」のアーサー・ヒラー監督による82年のアメリカ映画。下記の紹介にあるように「夫に男の愛人ができたことから起きる愛の破局を描く」問題作だ。http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD8896/index.html

 一応ビデオも出ていたようだが、今じゃ入手は難しそう。リアルタイムで見られて良かった。結婚後にゲイに目覚めた夫の話、と聞いて絶対に見たかったのだ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000064VM0/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-2004234-7919944

 あらすじ(結末も)を読むと、82年当時、アメリカでこんな映画が作られていたのか、と改めて驚嘆する。当時はあまり感じなかったが、現在のアメリカ映画ではゲイの扱い方が、ヨーロッパ映画に比べて慎重というか遅れてるっていうか。「メーキング・ラブ」を見たからこそ、やっぱりアメリカは進んでる、という印象を受けたのだと今は分かる。

 実は池波正太郎が「池波正太郎のフィルム人生」の中でこの映画について書いているのだ。たいへん肯定的に捉えている、と感じた。「アメリカ映画のホモ・セクシャルも、ついにここまできたか…」と率直に書いておられる。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101156158/wwwkokkoyacom-22/503-2004234-7919944

 医師ザックがクレアと結婚して8年が過ぎた。二人の仲はうまくいっている。しかし、ザックがゲイに目覚めたことで波紋が広がる。冒頭のシーン。出勤するザックの車の横をバイクに二人乗りの青年が通る。後ろの青年は前の彼の腰に腕を回していたかもしれない。ザックは二人をじっと見つめる。この導入部、大好き。

 やがてザックの前に作家のバートが現れる。彼はゲイであることを隠さない。ザックは奔放な彼に誘われるままベッド・イン。自分がゲイであることに気づかされる。告白されたクレアの怒り。「だましてたのね!」違うって、目覚めが遅かっただけ。結婚後にゲイだって自覚したんだから仕方ないじゃん。

 ザックはしかし、バートと別れる。煮え切らない態度のザックを、バートは許せなかったようだ。「次にこういうことがあったら、心をはっきり決めないと」みたいな台詞を残してバートは消える。クレアの説得には時間がかかったが、ザックは結局、離婚する。

 数年後、ある訃報がきっかけで元夫婦は再会する。ザックは男性の恋人と同棲中。クレアは再婚して子供もできた。ラストは穏やかな再会シーン。互いに祝福しあえる関係になったのだ。

「クレアが、男を求めて去っていく夫についに理解を示すのと同様、この映画を見終えた私たちも、われ知らず、彼らの生き方に理解をもつようになってしまう」との池波先生の言葉に深くうなづいた。ハリウッドも大味な大作ばかりでなくこういう作品こそ、DVD化してほしいものだ。

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