イージー・ライダー(2)~追悼 デニス・ホッパー

イージー★ライダー コレクターズ・エディション [DVD] DVD イージー★ライダー コレクターズ・エディション [DVD]

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2010/03/19
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 大変遅くなりましたが、デニス・ホッパーについて書きます。74歳、まだ早すぎる死ですが、うーん。思えば自分もいい年なんだから、年長の彼らが先に旅立っていくのは不思議ではないのですが、あの人も~、と思うと寂しいですね。なんといっても中坊の私が大ショックを受けた最初のアメリカ映画。前の記事はこちらです

 今でもはっきり覚えています、ラストシーン、炎上するバイクを淡々と映し出し、カメラが上空に引いていき。なんの変哲もないアメリカの町外れの情景。バイクが燃えている、それだけが違和感だけれど。はみ出し者は、何の疑問も持たれずに、こうして消されていくのだと知ってゾーッとなりました。

 デニス・ホッパー、この映画の監督も務めたのですね。いや、実に鮮烈な映画でした、音楽もロック! でもろ好みでしたし。フランスやイタリアの映画にばかり目が行き、アメリカ映画なんて、だった私に衝撃を与えた作品です。ピーター・フォンダの「デニスはポップアートを映画に持ち込んだ。僕らはそれまで、馬が走っていたアメリカのハイウェイの画をガラッと変えた。」という発言も頷けます。

 デニス・ホッパーの存在は、この映画では実はあまり印象がなく、なんといっても「スピード」の悪役ぶりに震え上がったのですが、後に、本当に遅くなりましたが「ジャイアンツ」を見て、青年時代のデニス・ホッパーと遭遇。あれも新鮮な体験でした。

 でも、彼にとってはやはり「イージー・ライダー」が特別中の特別な作品だったのですね。撮影した街である、ニューメキシコのタオスに埋葬してほしいと遺言を残していたそうです。心からご冥福をお祈りします。

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イノセント・ラブ(2)

イノセント・ラブ DVD イノセント・ラブ

販売元:タキコーポレーション
発売日:2006/11/03
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  コリン・ファレル情報です。明日の夜、「S.W.A.T」が地上波で放映されます。1度レンタルで見たのですが感想を書いてませんでした、再見して感想を書かないと。

51dr39saxnl  本日は昨日の「ゾディアック」とは逆に、日本版のDVDジャケットがひどい、というお話です。左記が海外のものですが、絶対にこっちのほうがいいですよね。日本版はコリンが正面を向いていますが、だからなに、です。本作でのコリンの演技はとてもリリカル、左記のジャケット写真がぴったりです。なんでこんな訳のわからない改悪をするのでしょうか? 邦題もなってない、といってしまいますよ、もう!

 前の感想でキスシーンの映像を紹介しましたが、後にBGMはモーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」で歌われる3重唱(No.10 Terzettino  第10曲 小三重唱)だと判明しました。私も大好きな歌ですがタイトルがわからなくてー。「風よ穏やかに」というのですね。こちらで聞けます。歌詞は下記の通りです。

Soave sia il vento,         風よ、穏やかに
Tranquilla sia l'onda,      波よ、静かに
Ed ogni elemento          そして自然のもの全て
Benigno risponda          慈愛に満ち、聞き届けたまえ
Ai nostri desir              私たちの願いを
(Fiordiligi, Dorabella e Don Alfonso)

「日曜日は別れの時」でもこの歌が何度か流れましたが、他にも使用している映画がたくさんあるのかもしれません、名曲ですものね。05年の「クローサー」でも使われたそうです。

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イノセント・ラブ

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  大のお気に入り映画「めぐりあう時間たち」のマイケル・カニンガム原作、となれば絶対よさそう、と思いつつなかなか見るチャンスがなかった同作品。ついに見ましたー。結果、いつも同じこと言ってるけど、どうしてもっと早く見なかったの!? そして、なんなのこのジャケ写は、この邦題は。邦題に合わせるなら元のコリンの横顔の方がよほどしっくりくるしA HOME AT THE END OF THE WORLD(この世の果ての家)という含みのある原題も生かしてほしかったです。

 自身ゲイであるカニンガム、主人公ボビー(コリン・ファレル)とジョナサン(ダラス・ロバーツ)の交流は心に沁みました。この映像では「兄弟のキスだ」とボビーは言っていたけど。別のダンスシーンも良かったし、高校生のボビー(エリック・スミス)がジョナサンの母(シシー・スペイセク、さすがの存在感)と踊る場面もなかなか。このエリックくんが気に入ったのですが年齢不詳? 「コールド・マウンテン」に出ていたそうですが記憶にないのですー。

「めぐりあう…」同様、あの病気がこの作品にも影を落とします。そして遺灰のエピソード。BBMを思い出して泣けます。BBMが気に入った方はきっとこの映画も好きになってくれそう、と勝手に思っております。

 唐突ですが、コリン・ファレルの魅力は「意外に首が細い」ことではないでしょうか? 眉毛のせいで濃ゆい顔に見えるコリンですが、けっこう首が細いしガタイもそんなに出来てない感じ。それが持ち前のピュアな資質とあいまって頼りなげで放っておけない、どこか脆い面を感じさせるのでは? 

 年上の女性相手に初体験で泣いちゃうシーンとか、私はけっこうコリンに似合って見えました。アレキサンダー大王もいいですが、パンを焼いたり赤ちゃんのおむつを替えるコリンも大好きです。いちばんいいのはコリンは女より男といた方が似合うこと、ですね。うーん。なんでこの役を引き受けたのでしょう、もちろん脚本(カニンガム)が素晴らしいのは認めますが。コリンもインタビューで美しい脚本と言ってましたね。

【本を読み終えるころは涙があふれて文字を読むのに苦労しました。家や家族をもとめて心の旅を続けた二人がたどり着く場所…忘れられない一冊になりました。そして、胸が一杯のまま見たDVD、原作者が脚本を執筆していますが、ストーリーがやや端折られていて説明不足かなぁと感じました。でも、とてもきれいにまとめられている映画です。】

 といった感想を頂いております。映画は97分、短いですよね。やはりはしょってあるのですか。でも確かにきれいにまとまってました。あの家もとっても素敵! ラストは余韻を残します、きっとあのあと…と希望を抱かせます。シシー・スペイセクが「私は2日で読破しました。未読の方は本屋に走って!」とインタビューで語っていたし…、この際、原作を読むべきでしょうか。

 こちらは真紅さんの感想です。自分で記事を書くまでは、と読まないできましたが、やっぱり原作は素晴らしいのですねー。同記事から「イノセント・ラブ」の感想に飛べます。

この世の果ての家 Book この世の果ての家

著者:マイケル カニンガム
販売元:角川書店
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いつか晴れた日に(2)

いつか晴れた日に―分別と多感 Book いつか晴れた日に―分別と多感

著者:ジェーン オースティン
販売元:キネマ旬報社
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Sdd24509 ←以前出ていたDVDのジャケ写、私はこっちの方が好きです。

 原題の[Sense & Sensibility]は「分別と多感」という意味なんですね。分別をわきまえなければ、と自戒しつつ愛をおさえきれないエリノア(エマ・トンプソン)を思い出します。エマは脚本も担当、その苦労は並大抵ではなかったようです。当時のインタビューによれば、長女エリノアが分別で次女マリアンヌが多感? エリノアは両方もっていたと思うけど。

☆以下、ネタバレになりますのでご注意ください。

 エリノアが愛するエドワード(ヒュー・グラント)には秘密の婚約者ルーシー(イモジェン・スタッブス)がいた。それをルーシー自身の口から知らされ「誰にも内緒に」と念を押されたエリノアの衝撃! のちにマリアンヌから何故うちあけてくれなかった、と詰られて「秘密にしてくれと当の本人から頼まれたからよ。誰にも話せない秘密がどれほど苦しかったか!」と感情もあらわに言い放つ。

 今回(2)を書きたくなったのは昨日出た「キネマ旬報」の「BBM特集」のアン・リー監督論を読んだからです。このシーンが「BBM」の[I wish I knew how to quit you.]や「ウェディング・バンケット」で偽装結婚をするにあたって「芝居をするのは苦しい」とういう台詞と共に紹介されていたから。

 エリノアの告白には泣きました。どんなに辛かったか想像できますから。エドワードは、のちに「若く仕事もないときで、深く考えずに婚約してしまった」といった風に弁解しますが。もしやエドワードも自分を、と思っていたエリノアは突然、エドワードの婚約者から、彼に滅多に会えない悩みを打ち明けられるのだから。何を信じていいかわからなくなりますよね。一応、エドワードも説明しようとはしたのだけど。でもそういうときって必ず邪魔が入ることになっている。

 そしてマリアンヌの恋人、ウィロビー。彼もまた運命の女性と出会う前に軽はずみなことをしでかしていた。結果、金の算段はつくが愛するマリアンヌを永久に失う。ラスト、彼女とブランドン大佐(アラン・リックマン)との結婚式を遠い丘から見守るウィロビーの姿にほっとしましたけど。それまで大佐の口からしか彼の本心は聞かされていなかったので。「キネ旬」でも、そのシーンについて触れてました。映画ならではですよね、台詞ではなく映像で分からせる。

 リー監督の映画、これからせっせと見なくては。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=29042

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いつか晴れた日に

いつか晴れた日に DVD いつか晴れた日に

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2005/09/28
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 アン・リーが19世紀初頭のイギリスを舞台に、古風なラブストーリーを監督。脚色はエマ・トンプソンでゴールデン・グローブ賞とアカデミーの両方で脚色賞、受賞ですか。

 貧乏な家の娘は金持ちの家には嫁げない。いいお嬢さん、とか言っといて、いざ自分の身内と愛し合ってて、となると掌を返したような態度。おそろしい世界でした。主人公の姉妹だって、父の遺産をちゃんともらえれば、それなりの暮らしが出来たはずなのに。ほんとに嫌な世界!

 エマは耐える姉エリノアを堅実に演じてましたねー。妹マリアンヌにはケイト・ウィンスレット。けっこう奔放な恋をする。非常に対照的なふたりですが、そろって手痛い失恋か、と思わされた後で…。もしやサイテーの結末か、と心配しちゃいました。

 ヒュー・グラントは相変わらず煮え切らない男、地でやってます? アラン・リックマンが渋くていいわー、過去のある男。彼も耐えた後で春が巡ってくる、よかったよかった。「ラブ・アクチュアリー」同様、エマとの共演が良かったです。夫婦役ではないんですが。「ダイ・ハード」の冷血テロリストのイメージがやっと払拭されたような。

 途中でどうなることかと思ったけど、おおむねハッピーエンド、ということで。下記のレビューにあるけど小津的な人情話の一面も? やはり原作が古風だからか。恋の芽生え、発展。何の約束もない別れ、そして決裂へと。それぞれの失意と悲しみを姉妹はよく耐えたなあ。と、うるうるしてしまいました。

 リー監督は女性のこまやかな心理を描くのがうまいって言われるけど、これ見て納得です。他にはだいぶ前に「ウェディング・バンケット」を見たきり。「楽園をください」もとっても見たいのだけど。トビー・マグワイアとジョナサン・リース・マイヤーズの共演。南北戦争が舞台というので辛そうだけど、やっぱり見ておきたいなー。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10410/?flash=1

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依頼人

ザ・クライアント 依頼人 DVD ザ・クライアント 依頼人

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2005/08/12
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 面白さでは定評があるJ.グリシャム原作作品の「依頼人」(94・米)。「ニューオーリンズ・トライアル」も良かったが、こちらも10年以上たった今も忘れられない作品だ。

 貧しい母子家庭に育った少年マーク(ブラッド・レンフロ)。殺人を目撃したことで犯人と連邦検事官ロイ(トミー・リー・ジョーンズ)の両方から追われることになる。マークはレジー(スーザン・サランドン)を弁護士として雇う。

 最初はレジーを信用していなかったマークだが、次第に心が通じあっていく。マークがLed ZeppelinのTシャツを着ているのを見てレジーが「ツェッペリン好きなの?」
 気を引くために理解があるふりをしているのだ、とマークが「ZEPの1~4のアルバムのタイトル」を質問すると、レジーはちゃんと答える。ちょうど彼らのデビューから聞いていた世代なのだろう、にやにやしてしまった。

 このオバさん、やるじゃん、といった感じでマークもレジーを信頼していく。ところで彼女には離婚で娘を夫方に奪われ、アルコールに溺れた過去があった。それをネタにゆすぶりをかけるロイ。レジーが、ちっちゃな女の子の靴を抱きしめて泣くシーンがせつない。

 といった感じで物語りはクライマックスを迎える。無事、マークは証言を終え、「証人保護プログラム」制度により、名前を変えて遠く離れた土地に旅だっていく。もうトレーラー暮らしとはおさらば、母や弟も一緒だ。
 11歳の依頼人マークと、彼を息子のように愛しく思った弁護士レジーは、しっかりと抱き合い、別れていく。
 マークの明るい未来を、そしてレジーと娘の再会を祈りたい気持ちだった。

 この映画では、スーザン・サランドンの渋い演技が光っていた。その昔「ロッキー・ホラー・ショー」で、キャーキャー煩かった新婚さんとは思えない演技派に変身したのね。

 でもってマーク役のブラッド・レンフロがいいなあ、とずっと思っていたのだが。J.フランコ目当てで見た「デュース・ワイルド」に主演していたのだった。なんか…、ぷっくりしてイメージ違うよう、くすん。なかなか理想通り育ってくれないのが名子役。今度はいつ、どんな映画で逢えるだろうか。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10634/index.html?flash=1

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イングリッシュ・ペイシェント

イングリッシュ・ペイシェント Music イングリッシュ・ペイシェント

アーティスト:サントラ,マールタ・シェベスチェーン,フレッド・アステア
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:1997/04/09
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  なんて哀しい映画なんだろう。
 見終わったあと、哀しみが胸全体を覆い、なかなか気が晴れなかった。

 冒頭、アフリカの砂漠で撃墜され炎上する複葉機。
 パイロットは火達磨になり、全身に大火傷を負う。それが主人公の「イングリッシュ・ペイシェント」(レイフ・ファインズ)なのだ。

 ケロイドで判別もつかなくなった顔。肺の内部も焼け爛れ、余命いくばくもない。そんな彼がイタリア北部の野戦病院に転送されてくる。看護婦ハンナ(ジュリエット・ビノシュ)の手厚い看護を受けるうち、彼は次第に記憶を取り戻し、語りはじめる。

 整った顔立ちのレイフ・ファインズが特殊メイクでケロイドの病人を静かに演じる。
 アフリカでの禁じられた恋。戦争に翻弄され、大事な恋人キャサリンを失ってしまう。
「僕はもう死んだ」と彼は語る。

 自由にならない手足。呼吸さえ困難で、横たわったまま回想にふける。
 砂漠で見つけた「泳ぐ人たち」が描かれた洞窟。ここはかつて海か川だったのか? その洞窟で、キャサリンが永遠の眠りに? またもや胸が痛くなる。

 ハンナも心に傷を負っている。恋人は戦死、親友は目の前で爆死。「イングリッシュ・ペイシェント」を助けようと尽力したのは恋人を看取れなかったからなのか。

 原作は、とても複雑でどう映画化するのか危ぶまれた作品だという。
 ミンゲラ監督の脚色力には大変なものがあるらしいが、この映画を見た限り、そんな原作とは想像もつかないし、原作を読まずとも満足だ。
 アカデミー賞をいくつも獲った傑作、と聞くだけで見るチャンスがなかなか。ようやく見られて満足である。

 命とはなんだろうか。
 かつて私は、なんとか名を残したい、身は滅んでも誰かの心に残っていたいと熱望したものだった。
 今はもう、そんな野望も捨て去った。私はただ消え去るのみ。「イングリッシュ・ペイシェント」もそんな心持ちだったのではないか。

 緑豊かなイタリアの地から、彼はキャサリンのもとに静かに旅立っていった。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD30115/index.html?flash=1

ココログフリー

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イン・ザ・ベッドルーム

イン・ザ・ベッドルーム DVD イン・ザ・ベッドルーム

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2005/01/01
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 ニューイングランドの小さな町の開業医マット(ニック・スタール)と妻ルース(シシー・スペイセク)。夏休み、息子のフランクが帰ってくる。近所の年上女性ナタリー(マリサ・トメイ)と恋に落ちるフランク。彼女は二児の母で暴力夫のリチャードとは別居中だが、リチャードは離婚に応じない。そしてナタリーの家でフランクがリチャードに銃で撃たれて…。

 一家の平和で満ち足りた生活は失われてしまった。一人息子を奪われた夫婦の嘆きは計り知れないものだったが、「事故」として、せいぜい15年の刑で終るだろうと聞かされ更にショックを受ける。その上リチャードは保釈され、町で夫妻と顔を合わせることも。
 マットは、ついに自分の手でケリをつけようと決意する。

 フランクとナタリーが出会わなければ、リチャードが素直に離婚に応じていれば、悲劇は防げたのかもしれない。ルースはナタリーを良く思っていない。そんな母を安心させるように、フランクは「ひと夏の恋だよ」と言うが本心は結婚を考えていたのだ。

 やがて夫婦の確執や、フランクに対する考えの違いなどが暴露され、ただ息子を失った哀しみに沈む夫婦の話ではないことがわかってくる。
 ルースを訪ねたナタリーに、無言で平手打ちをくわせるルース。その意味ものちに明らかになる。

 しかしまあ、シシー・スペイセクとマリサ・トメイの演技を感じさせない演技の見事なことよ。2大オスカー女優の競演、なんてキャッチフレーズをつけてもいいのだが、蛇足か。さらりとして深く、心にずしんと重たく残る当作品の白眉だ。

 ニュー・イングランド。アメリカでも早くに開けたこの地方は、おちついた町並みといい、なにか郷愁を感じさせる。特に舞台となった町は海に面していて、たいへんに景色が良いところだ。マット夫妻の家も花があふれる理想的な建物だった。

 ブルガリアン・ヴォイスの合唱を指揮するルース。公演は、フランクが眠る墓地で行われた。鎮魂の歌はフランクに届いただろうか。あれは、ルース自身の罪をあがなうための歌でもあったのか。
 静かな静かなラストだ、この静けさが永遠に続くことを祈るのみ。
 

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イージー・ライダー

イージー★ライダー コレクターズ・エディション DVD イージー★ライダー コレクターズ・エディション

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2005/12/16
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「モーターサイクル・ダイアリーズ」の予告を見たとき、思い出したのがこの映画。
 それまで私にとって、バイクが出てくる映画といえば、イコール「イージー・ライダー」(69・米)、けっこうショックな映画だった。
 ステッペン・ウルフの[Born To Be Wild](ワイルドでいこう)は映画公開前に大ヒットした曲で、私も好きだったが、それをバックに改造バイクで2人の若者(ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー)が疾走する。腕時計を捨て、時間に縛られない旅。自由を求めて?

 しかし順調な旅ではなかった。ラスト、南部の小さな町で、2人は異端者を敵視するカウボーイ・ハットの男に、虫けらのように射殺される。
 炎上するバイク、カメラが退いていき、のどかな風景の中に吹き上がる炎、思春期の私にはとてもショックだった。アメリカの田舎町の排他性を思い知らされたのは、この映画によってだと記憶している。日本の田舎も排他的だけど、まさか射殺はないだろう。

 主演のピーター・フォンダは名優ヘンリー・フォンダの息子、こうした映画に出演(製作兼務)することが父親への反逆と、当時書かれていたような。
 ドロップ・アウトした二人の前に現れるのが若きジャック・ニコルソン。アル中弁護士だが、堅苦しい生活を捨て旅に加わる。夜討ちで撲殺されたんだっけ、恐ろしいことだ。

 あの頃、ハリウッドは低迷し、映画館で煌いているのはヨーロッパ映画ばかり。そこに現れたのがアメリカン・ニュー・シネマだった。
「俺たちに明日はない」「明日に向かって撃て!」などだ。そして「イージー・ライダー」。あの改造バイクは日本で大流行、社会問題にまで発展したのだった。

「イージー・ライダー」はカンヌで新人監督賞受賞(デニス・ホッパー)、J.ニコルソンはアカデミー助演男優賞にノミネート、芸達者なカレン・ブラックも出ていたようで、なかなかの豪華キャスト。
 アメリカ映画界の王道を歩んでいた父親と、ピーター・フォンダはその後、和解したと聞いたような、彼らの親子関係が気になってしまった。ピーター・フォンダ、今はどうしているのだろう。ブリジット・フォンダの父親でもあるのだけど。

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ifもしも…

「時計じかけのオレンジ」を見たのは20代だった。凄いな、とは思ったがそれほどの衝撃でなかった。やっぱりこういう反逆モノ(?)は世の中に対して「コノヤロー」な10代に見なければ。
 といった話を知人から聞いて、深く納得。私もこの映画を見たのは20代半ば、マルコム・マクダウェルの印象は高校生の時に見た「ifもしも…」(68・英)の方がよほど強烈。
 この作品もDVDになってない。「たのみこむ」(商品化をリクエストするサイト。お気に入りにリンクしてます)に頼み込みたい作品がどんどん増えるなあ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GTPV/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-2004234-7919944

 舞台は名門パブリックスクール、マクダウェルはいかにも校風に合わない反逆児。素行不良のため先輩にお尻をムチで叩かれたり(屈辱の表情が最高)するうち、蜂起を決意。クルセイダース(十字軍)を結成する。
 メンバーには女の子もいたっけね。体操のうまい先輩にあこがれる美少年とか、いかにもパブリックスクールなエピソードもあったが、常に三つ揃えでビシッときめていた上級生(マクダウェルのお尻叩いてた)が嫌らしくて忘れられない。

 地下室に大量の武器を発見したクルセイダーズは、開校500年記念祭の当日に蜂起、校舎にたてこもる。屋根の上から、「やめなさーい、話せばわかる」みたいなことをほざく校長の額を撃ちぬくラストシーンは鮮烈だった。
 製作当時はまさにスチューデント・パワーが吹き荒れた時代、私も権威主義にはウンザリしていたので、スカッとさわやかな気分で映画館を出たのだった。

 入学式から日がたっておらず、うららかな春の夕、同級生が自転車で橋の上を渡っていったのを覚えている。「ifもしも…」の自転車シーンのせいだろうか。
 不思議なリズムとコーラスの音楽をバックに、草原でマクダウェルが自転車をこぐ。後には蜂起に加わった女の子が立って両腕を広げていたような。なかなか美しいシーンだった。

 こうした断片的なエピソードしか覚えてない映画の場合、資料がないと何も書けないのだが、そんなとき大きな助けになるのが「洋画ベスト&ヒット作全集」(筈見有広・講談社+α文庫)。

 戦後まもなくの46年から93年までの重要作品559本が紹介されていて、とても便利。やはり製作年や監督くらいは押さえておきたいもんね。同書によれば「ifもしも…」は69年カンヌ・グランプリ受賞。アンダーソン監督は「怒れる若者たち」世代に属するのだそうで。

「洋画ベスト…」は中古ならまだ手に入りそう。
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