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マイ・ブラザー

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マイ・ブラザー」は、このデンマーク映画のリメイクとのことです。デンマーク人が何故アフガンに? 国連軍の兵士だったんですね。しかしアフガン、イラクに多くの兵士を送り、泥沼に陥っているのはアメリカ。アメリカでこそ、この映画は作られるべきだったのかも。そして、何せジェイクが出演、兄役はトビー・マグワイアですから、とっても期待していました。アメリカからは半年も遅れて公開ですが、「プリンス・オブ・ペルシャ」と2週続けて、ファンには嬉しい限りです。もっと多くのシネコンで上映されるといいのですがねえ。私は近所で拝見できてラッキーです。

 トビーはいまや「『スパイダーマン』の」と形容されてしまいますが、「サイダーハウス・ルール」「楽園をください」の繊細な演技が印象に残っており、むしろ「スパイダーマン」を演ると聞いたときは「?」でした、彼に合うのかしらって。杞憂でしたけどねー。それでもやはり、トビーの、特に「楽園をください」の初々しさが忘れられません。奇しくもBBMと同じアン・リーの手になる佳作です。トビーの役名が「ジェイク」だったのも何かを感じます。今回、トビーとジェイクは兄弟役で競演ですが、ジェイクもBBMでトビー同様「最後のイノセンス」をうまくキャッチしてもらい、それは永遠に映像に残るのです。もちろん、ヒースも。

 と、見る前に上記を書きました。見終わった今は「プリンス・オブ・ペルシャ」、もう一度見たいかも~。ジェイクの役どころはプリンスから180度転換して、出所したてのダメダメ男でした。まあ途中までなんですけどね。一方の兄はエリート軍人。父の愛は一心に兄に注がれています。ところが、皆さんご存知と思いますが(今日の記事は基本的にネタばれなしです)、アフガンに派兵された兄は別人になって戻ってくる。その理由がもう、ヘヴィなんてものじゃないです。こりゃ確かに人生おかしくなるわ、というか、こんなんで家族と何もなかったように平和な生活に戻れるの? シェリダン監督がインタビューで語っているように「時には生は死よりも辛い。」を痛感してしまいました。本当にシビアな映画ですが得るものも多いです。ぜひご覧ください。

 さて、トビーとジェイクは兄弟に見えるのか? 性格や置かれた立場なども含め、あまり似ていない兄弟には見えましたね。ジェイクは「NYじゅうのタクシードライバーに『僕はスパイダーマンじゃないですよ』と言わないで済ますためにも」この映画に出たそうです。トビーとは少し顔が違うと証明するために、ですって。といったエピソードより私は、弟役がジェイクに決まったことでトビーが本作の出演に興味をもった、という事実が嬉しかったです。トビーいわく「ジェイクとスクリーンであんな関係を築くのは面白いだろう」と。実際、2人の激突シーンは怖いくらいの迫力でした。それだけでも見る価値があります!

 兄の妻役のナタリー・ポートマンもよかったですね、芸達者なのは知ってましたが、あまり出演作を見たことがなくて。若いのにたいしたものと唸りました。そしてジェイクと同じくらいに楽しみだったのが父親役のサム・シェパード。だいぶお年を召しましたが、さすがの存在感、複雑な父親がぴったりです。兄弟だけでなく父と息子たちにも焦点が当てられた映画です。そういえば「父の祈りを」もシェリダン監督。拷問シーンが怖くてまだ見てないのですが、なんとかしよう。「マイ・ブラザー」を見た今なら乗り越えられるかも?

 で、最後にまたジェイクの話ですが。弟役が似合いますねー。「プリンス…」でもやんちゃな三男でしたが、次男というと「遠い空の向こうに」が思い出されます。あの映画でもフットボールが得意な兄の陰で次男ホーマー(ジェイク)は父から軽視され、それでもロケットを飛ばすという夢に向かって進んでいくことができました。ホーマーが夢を抱いたスプートニクスの打ち上げは1957年10月。「マイ・ブラザー」で兄が出征するのが2007年10月。きっかり半世紀であり、その間の出来事(主にベトナム戦争とイラク・アフガン問題)を思うと暗澹たる気持ちになります。もう「遠い空の向こうに」のような時代は過ぎてしまった。アメリカの現実は「マイ・ブラザー」的なものでしょう。そして10年の時を経て、ジェイクが両方の映画に出演したことが、何か象徴的に思えるのです。

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