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ひめゆりの塔

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 今日、6月23日は沖縄の鎮魂の日。第2次世界大戦、日本で唯一、戦場となった沖縄のかたがたの心情は、戦後生まれで、のほほんと生きてきた私などの想像を絶するものがあるでしょう。私がこの映画をリバイバルで見たのは20歳の頃でした。あまりにもショックだと涙も出ない映画もあることを、本作と「海軍特別年少兵」で知りました。去年もおととしも、この映画を記事にしたいと思いつつ、「真実からはほど遠いほど描写は甘い。甘すぎる。」というレビューに、腰が引けてしまって。

 でも、今年の私は居直っています。「確かに甘いのかもしれない。しかし20歳の私は涙も出ないほどショックを受けた。少なくとも本作により『ひめゆり部隊』の真実の一片を知ることができた。映画化されなければ、あのショックは受けなかったし、ひめゆり部隊に関しても『沖縄の人は大変だったのねー』で終わっていたはず。ただ『甘い』で済まされるのは不本意だ」と。そもそも、「甘い」の一言ですべてを一刀両断したつもりの輩が多すぎる。その「甘い」作品がなければ、「ひめゆり」の存在を知らずに人生を終えた人も多いのでは? 

 もう十数年前の話です。社員旅行で沖縄に行ったとき、バスの若いガイドさん、20代半ばだと思いますが、真剣に「ひめゆりの塔」の説明をされていたのに、何せ物見遊山ですから、まじめに聞いてる人は少なかったと思います。本当に申し訳なく、せめて「ガイドをありがとうございます、私は『ひめゆりの塔』の映画を見ています、沖縄の方々のお気持ちが、少しはわかっているつもりです。」とお伝えしたかったのですが、勇気がなくて、そのままになってしまいました。でも、あの件で、やはり沖縄の皆さんは、若い方でも、親や祖父母の代のお話を聞いており、故郷が戦場となったことを我が事として受け止めているんだ、と感じ入りました。

 53年公開、といえば、製作は前年でしょうか、昭和27年、戦後数年です。当然、沖縄はアメリカの占領下、撮影は千葉で行われたと聞いています。モノクロの画面、出演者の演技は真摯で、結果、私は涙も流せずに、頭が真っ白なまま帰路に。同様の衝撃を受けた「海軍特別年少兵」も、そういえば今井正監督の作品でした。「ひめゆりの塔」を、今井監督は82年にも撮っています。返還後の沖縄で撮影したかったのでしょうね。そちらは見ていませんが、53年の作品の方が、評価が高いようです。

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