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劔岳 点の記(2)

もうひとつの劔岳 点の記 Book もうひとつの劔岳 点の記

著者:山と溪谷社
販売元:山と渓谷社
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 期待が大きすぎたのか? ちょっと中だるみ&進行状況が遅いような。ドキュメタリー映像に過ぎない、とか、カメラマン監督の限界、とか、厳しいレビューが多い本作。いちばん気に入ったのは、「右に出るものなき地道に積み重ねられた映像」ですね。どなたも気にされてないようですが、とにかく私は音楽の使い方に疑問でした。渺々(びょうびょう)たる風の音を、場違いなバロック音楽が消してしまうとは。いらいらしましたが、それ以外に大きな疑問はないのです。

【カメの歩みのように少しづつしか進まない本作に、
マスコミが、陸軍本部が、いらつき結果を求めるように、
本作に焦れてしまっている観客の様子も目に浮かぶ。
観測隊の目的は初登頂でなく観測点の設置、そして地図の完成なのだ。
作品内でその視野の狭さを露呈する軍部首脳たち、
それと同じことが観客の中でも起きているのかと思うとちょっと面白い。】

 ちょっと皆、早急に結果を求めすぎてない?

 オウム真理教にエリートたちが入信した謎にも、「結果(結論)が即示される教義が支持されたのだ」と聞いて、あほかいな、と思いました。真理の謎が、そう簡単に解き明かされてたまるもんですか。宮澤賢治は言いました、「人は何のために生まれてきたのか。それを解き明かすために生まれてきたのだ」と(正確な表現ではないですが)。ある意味、便利な言葉ではあります。人は一生、自分探し?

「志」を映画に求めた木村監督。69歳の監督初挑戦は、確かにカメラマン出身、の限界を示したかもしれない。それでも、あれだけの映像美。小説では決して味わえない、現実の立山(太刀山)、その中でも、登頂した者がない、とされていた剱岳。挑んだ測量士たちの愚直さ。支えた案内人も、「山に登りたい人を助けたい」、それだけの愚直さ。それらを描いた。剱岳に登ってはならない、という「立山信仰」を奉ずる彼の息子との葛藤も引き起こす。そして…。

 正直、歩みののろさを感じた部分もありました。しかし、最初から最後まで、自然の厳しさ、美しさは圧倒的。実際に剱岳の頂上まで登ったキャストが味わった撮影の過酷さを思えば、その対価として、一人でも多くの人に見て欲しい、ヒットしてして欲しい、という願いは当然のこと。

 また先ほどのレビューからの引用ですが、私も同感です。昭和生まれの明治男=木村大作監督の意気に感じて、是非、映画館で見て欲しいです。

【時間と情熱を惜しむことなくかけたことが作品から伝わってきて、
それを一緒になり支えた俳優・スタッフの存在が感じられ、
観終わって実に感慨深いものが残っている。
また自然のすごさ、素晴らしさ、
その魅せる映像美はさすが撮影(監督)というものがあり、
ストーリー展開は今流の時間の流れからいってゆったりではあっても、
一行の歩みは確実に前進している】

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