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夏の嵐

夏の嵐 DVD 夏の嵐

販売元:紀伊國屋書店
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 Mizumizuさんの「アン・リー監督はヴィスコンティアン? (続き)」という記事はBBMフリークにとってたまりません! ヴィスコンティの映画「夏の嵐」とBBMに、こんなに類似シーンがあるとは。一応ヴィスコンティは好きなんですが未見の作品も多く、「夏の嵐」もそのひとつでした。しかし、こんな事実を知ったら見ずにはいられません! いやー、ゴージャズな名作ですね、そしてイタリア独立運動の時代、とくれば「山猫」を思い出してしまいます、のめりこむようにして見ました。

 BS2で来月、「夏の嵐」の放映があるそうです。その情報もMizumizuさんから教えていただきました。ありがとうございます!

9/4 夏の嵐 午後1時から
9/5 ドキュメンタリー 午後1時から
9/5 白夜 午後2時から

 他にもヴィスコンティの長編デビュー作「郵便配達は2度ベルを鳴らす」など、9月のBS2は見逃せませんね。「揺れる大地」は学生時代、自主上映会(?)で見ました、なつかしー。当時はビデオもない時代、ロードショーや2番館以外で名作を見るチャンスは滅多になくて勇んで出かけたのを覚えています。

 さて、「夏の嵐」です。まず、Mizumizuさんの記事、そして私のこの記事も、映画を見てから読まれることをお勧めします。BBMとの類似シーンはなるほど確かにありました。リー監督がこの映画を見ていることは間違いないと私も確信。見ていて、非常にオペラ的な映画だと感じました。どこがどうとは上手くいえないのですが。冒頭にはオペラのシーンも出てきますし。

 そのオペラシーンですが、Wikipediaには「映画に使われた『イル・トロヴァトーレ』」として【筋書の荒唐無稽さなどから非常に「イタリア・オペラ的」作品と考えられており、多くの映画作品でとりあげられている。】とあり、「夏の嵐」も紹介されています。【Senso「夏の嵐」(1954年): ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。1866年、オーストリア帝国支配下のヴェネツィアのフェニーチェ劇場で「見よ、恐ろしい炎を」が歌われた際、観客がその歌にイタリア独立・統一へのメッセージを読み取り暴動が発生する、というシーンが描かれている。 】

 BBMと似た点ですが、リヴィアがフランツを訪ねていくシーンの残酷さはジャックが離婚成立の報を受け、イニスに会いに行く場面とだぶりました。フランツは「(戦争中で危ないから)来るなと言ったのに」と、すっかり金目当てだったという正体を明かしてしまいます。この居直りは、離婚しても一緒に暮らせないと(口には出さなくても宣言したも同然)態度で示したイニスと似ているような。

 もちろんイニスはフランツと違って済まないと思っているのですが、「離婚成立」としか書いていない葉書を受け取ったらジャックがどう解釈するか? それを考える余裕はイニスにはなかったでしょうけどね。結局は娘たちとの時間を優先したのだし。

 そしてフランツは何故、リヴィアにあそこまで冷酷に接したのでしょう、リヴィアがああした行動に出るとは予想できなかったのでしょうか? 否、フランツはもう、人生に疲れきっていたのでは? とはいえ自殺する勇気もない、金が尽きるまで自堕落に暮らして後は野となれ山となれ? 誰かに引導を渡してもらいたかったのでは。リヴィアに「殺してくれ」と甘えてみたのかもしれません。穏便に済ませる方法はいくらでもあったはずなのに、あそこまですべてを暴露し、リヴィアを追い詰めるのは危険すぎる。むしろリヴィアに密告され、死にたいという欲望があったのでは、とふと思ったのでした。

 書きたいことは山ほどあるのですが、とりあえず今日はここまで。改めて書く元気が出てきたら、また書きますねー。

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コメント

びあんこさん、こんにちは!
ご覧になったんですね。アン・リー監督への影響、と思ってみると、意外な発見がある映画です。
そう、フランツは精神が崩壊してるんです。彼の破滅願望があの罵りになったともいえるんですね。
そして、フランツをそうさせたのは、戦争。これは実は、ラスト、コーションにもつながるテーマなんですね。
フランツの「愛」を信じようとするなら、命がけでリヴィアのところにしのんできた情熱、そして、リヴィアからお金を巻き上げて去るときの、フランツのなんともいえない表情(このシーンは、彼のまとった白いマントが非常にきれいです。何度か振り返ったりするフランツのモーションも、きれいに撮ってます)しかなく、愛は幻想か、思い込みか、あるいは真実か、観客に考えさせるようにできています。
この映画は撮影に1年もかけた大作ですが、そのあと、ヴィスコンティがかつてモーションかけて振られたジャン・マレーをキャスティングして、わずか7週間で撮った白夜も、ロマンチックで残酷な名作です。よろしければどうぞ。
拙ブログでも白夜は取り上げていますので、また読んでください。

投稿: Mizumizu | 2008年8月16日 (土) 18時35分

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