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バタフライ・キス

バタフライ・キス DVD バタフライ・キス

販売元:キングレコード
発売日:2001/03/21
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 ある方の推薦で見ました、BBMに出会うまではベスト1だったそうで、それは見なくては、と。私にとって初のマイケル・ウィンターボトム監督作。とてもとても心に痛い映画でした。

 舞台は北イギリス、ランカシャー地方。連続殺人を重ねるユーニス(アマンダ・プラマー)。彼女に惹かれ、行動を共にするミリアム(サスキア・リーヴス)。「殺されるだけの理由があるのよ」とミリアムどこまでもユーニスをかばう。出会うべくして出会ってしまった2人。

 ユーニスが探すジュディスという女性は誰? と思ったら聖書に出てくるホロフェルネスを殺すユディトの事だと本人が明かしている。他にもキリスト教的なテーマがあるのだけど、台詞に出てくるのでBBMと違って、とっても分かりやすいです。

Genta  これは17世紀イタリアの女性画家、アルテミジア・ジェンティレスキによるユディトです。男性画家がこわごわ、といった感じでユディトを描いているのに対し、女性のアルテミジアだけが召使との共同作業でホロフェルネス殺しを見事に表現してます。他の画家との差を見てください、女性2人のこのたくましい腕。あのカラヴァッジオでさえへっぴり腰なユディトを描いてます、それほどに「女が男を殺す」画題はタブーだったのか。

 剣が垂直に、十字架のように描かれていることに注目。若桑みどりさんによれば、これは正義を行っている象徴とのことです。

 アルテミジアは女性画家のパイオニアとして苦労しながら画業にいそしんだ模様。男の仕事に踏み込んでいった女性は皆、茨の道を歩んだのでしょう。アルテミジアを題材にした映画「アルテミシア」が日本でも公開されたのに未見、ソフトも出ていないようで残念。

「神に見捨てられた人間だから何をしてもいいのだ」とユーニス。体には自分で巻いた鎖が重たげだ。そしていくつものタトゥー。彼女は見捨てられたキリスト、と思えなくもないし、ミリアムを聖母マリアに例えたレビューもあった。ユーニスがユディトで、ミリアムが召使、と私は感じた。女主人に協力してホロフェルネス(に象徴される、女に欲情を抱く全ての男)を殺し続ける。

 ラスト、ユーニスの望みをミリアムは叶えてやります。鉛色の海とピンクの夕陽が泣きたいほどに美しい。何故こんな結末に? あまりにも傷ましい映画、やはりどこかBBMに通じるものがありますね。ジャックが、或いはイニスが、最後にあんなことを「半身」に懇願しなくて良かった、と思ったのは事実です。淀川長治さん、けっこう褒めてます。文楽の××ものですか、言えてるかも。どうにも切ない映画でした…。

 アマンダ・プラマーって「パルプ・フィクション」に出てたそうだけど、ぜんぜん覚えてません。ティム・ロスと組んでたって、彼も出てたのか。(汗)見直してみようかな…。

パルプ・フィクション DVD パルプ・フィクション

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2006/06/23
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