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ボーイ・ミーツ・ラブ(2)

1884635_1 3月14日に書いた感想の続きです。前のは下記より。

http://emmanueltb.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_7347.html#comments

 3月14日といえば、2回目の「BBM」を見た2日後、ますますこの映画に入れ込み感情のコントロールができなくなってました。煮詰まっていたというか、「BBM」の閉塞した世界(周囲から理解されない愛)に自分も迷い込んでいたようです。で、あまり期待せずにこのDVDを見ました。すると、信じられないほどの開放感!

 まるで出口の見えない長いトンネルを歩いていて、いきなり目の前に光があふれたような気持ちでした。それは「BBM]とはあまりに違う世界。国も時代も違うんだから当然とはいえ、あまりにさばけた世界に唖然呆然。

 前の感想にも書きましたが、なんてったってロンドンっ子のジャイルは親公認で男の恋人と同棲してるのです。しかしインド人の主人公アリムは母親にゲイであることを隠してます。

★ここからネタバレになるのでご注意ください。ラストまで書いちゃってます。読んでから見ても面白さがそがれることはないと思いますが。

 アリムの母は、早くに夫を亡くしました。生活はあまりラクではありません。一方、彼女の妹は富豪と結婚。アリムと同世代の息子は、もうじき、やはりいいとこの娘と結婚が決まっている。母がロンドンに飛ぶのは、アリムにも早く結婚してほしい、孫の顔を見たい。というよりは妹への対抗心なのです。「私も勝ちたい」とロンドンに向かいます。

 しかし従兄弟の結婚式の日。アリムと従兄弟が肉体関係をもっていたことが分かります。式のさなか(祝宴は3日続く?)従兄弟はアリムに迫るのです。アリムは、いまはジャイルを愛しているから、と拒みます。と従兄弟は「愛だって? 男なんて楽しむだけでいいんだ」。この男、肉欲のことしかないんです。当然、花嫁にも愛のかけらもなく利害関係だけの結婚。

 そのやりとりを、アリムの母が聞いていました。そしてアリムに「そんなにジャイルを愛しているのね」と理解を示します。ロンドンでもジャイルは母と仲良くしたいとロンドン案内などして好感をもたれていたんです。ジャイルが息子のゲイの恋人とのことでぎくしゃくしちゃいましたけど。

 なんて腐れた従兄弟でしょう。母は妹にアリムとあなたの息子が…、と伝えますが、なんと妹の答えは「知ってたわ。息子の部屋から声が漏れてて」。母、「Oh,my god!」。すると妹、「そう、そう叫んでた」(爆)。

 この母と息子。開いた口がふさがりません。愛なんてどこにもない、ただもう金と世間体。それが身に沁みた母は、アリムとジャイルの仲を許し、妹とは縁切りです。甥の結婚式の途中に帰宅しちゃうんだから、そういうことでしょう。体裁が悪いので、妹は必死に引き止めてましたが。

 アリムの母は、ジャイルが言った様に「ちゃんと分かる人」でした。遠い世界(third worldと言ってたようですが)の人でも、いちばん大切なものは何か、きちんと理解してくれたのです。「勝つ」とは息子が金持ち女と愛のない結婚をすることではない。愛する人と幸せならそれでいい。息子の恋人が男でもいいじゃないか、だってあんなにいい人だもの。

 といった大ハッピーエンドで、私は心から満足しました。

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コメント

spring-nさん、こんにちは。
この映画にもコメントありがとうございます。楽しんで頂けてよかったです。

>BBMばかり見ていると、悲しみのスパイラルに落ち込んでしまいそうなので

そうなんですよね。「悲しみのスパイラル」って詩的ですね。「ぐるぐる」よりいいわー。(笑)

>ロンドンでは同性カップルってそんなにフツーなんですか?って拍子抜けしそうな展開ですね。

あっけらかんとしすぎで眉唾に思えてしまいました。イギリスも以前は同性愛にすごく厳しかったはずなのに、いまや同性婚OKなんですよね、すばらしー!

>どこでもそれくらい普通のことであっていいと思うんですが。両親も呼んで記念パーティー。いいじゃないですか。

さばけた両親ですよねー。だからこそジャイルみたいな素敵な青年が育った気もします。

>カイル・マクラクラン扮するケイリー・グラントが最初何のことだか分からなくて

あれは判りにくいですよ。確かにある意味、お父さん的な存在でしたし。

>全体的にほのぼのとしてほっとする映画でした。
(たぶんBBMが基本になっちゃってるからだと思います。普通はコレ“ほのぼの映画”じゃないですよね(笑)。)

確かに普通は「ほのぼの」とは言わないかも。BBMに比べたらほとんどが「ほのぼの」映画かもしれません…。

>ウソでもハッピーエンドの別バージョンを見たいよ~って思ってしまいます。

やっぱり下山・即トンズラですか。(笑)
アルマも最初は傷つくでしょうけど、モンローさんがいるし、ラリーンだってジャックと出会うこともなく…、ああ、また悲しみのスパイラル~。


投稿: びあんこ | 2006年7月26日 (水) 10時56分

こんにちは。
びあんこさんのおススメで(笑)私も見ちゃいました。
BBMばかり見ていると、悲しみのスパイラルに落ち込んでしまいそうなので、たまにはお気楽に見られるのがいいですね。(その点『ロック・ユー!』はとってもハッピーになれて良かったです。)

さてこの映画も、時と場所が違うとこんなに明るい....というか(^_^;)。
え?ロンドンでは同性カップルってそんなにフツーなんですか?って拍子抜けしそうな展開ですね。(笑) いや、私はどこでもそれくらい普通のことであっていいと思うんですが。両親も呼んで記念パーティー。いいじゃないですか。

感想は、ジャイルがとても素敵です~。(なんて深みのない感想なんでしょう。(#^.^#)) なんと言ってもエスコートの仕方が実にスマート。アリムのお母さんじゃなくてもくらくらっときそうです。
落着いているし、前向きだし、ちょっと浮気っぽい感じがまたおチャメで。
見た目も最初「....」と思ったんですが、見慣れるとカッコイイです(笑)。それにしては妹がおブサイクで、出てくるたびに「わーお」ってちょっと引きます(笑)。
アリムの八の字まゆ毛のインド顔は微妙に....なんですが、ママが美人でかわいかった。ジャイルとのデートシーンは年齢差がわからなかったわ。

で、実はカイル・マクラクラン扮するケイリー・グラントが最初何のことだか分からなくて(^_^;)。 お父さん?とか。
どこ見てんでしょうね、私は。
(そういえば、『ドニー・ダーコ』のパトリック・スウェイジといい、このカイル・マクラクランといい、私の記憶の中では溌剌とした青年だったのに、知らない間に年月が過ぎていたんですね....。)

アリムの叔母さん&従兄弟親子は、絵に描いた様な拝金・体裁人間なんですが、これもわかりやすすぎてなんか憎めないと言うか。
全体的にほのぼのとしてほっとする映画でした。
(たぶんBBMが基本になっちゃってるからだと思います。普通はコレ“ほのぼの映画”じゃないですよね(笑)。)

イニスもジャイルくらい前向きに考える性格だったら良かったのにね。ジャックの両親に「話せばなんとかわかってくれるさ!」って。ま、BBMがハッピーエンドのロマンチックコメディーになりそうだけど。

ちなみに、びあんこさん提案のハッピーエンドの『BBM』では、

*山を下りた時点で2人でトンズラ。(笑)

に1票です。アルマもラリーンもあんまり傷つけないしね。
BBMは、山で芽生えたカウボーイ同士のハッピーエンドの恋物語。(ありえない....(-_-;))
でも、何度見ても悲しい結末になるので(あたりまえですが)、ウソでもハッピーエンドの別バージョンを見たいよ~って思ってしまいます。

投稿: spring-n | 2006年7月24日 (月) 20時41分

kママさん、こんにちは。

見てくださったのですね、嬉しいです。コメントも感謝ですー♪
BBMのせいで激しく行き詰っていた頃に見たこのコメディに救われました。なのにどうしてイニスとジャックはあんなことに、と悲しくなりましたが…。

>妹は何も気付かず(考えず)、多分一生姉を理解する事は無いでしょう。

そういう人が多そうですが。大事なものに気づけたアリムのママは偉いですよね。ジャイルがまた、本当にいい青年で。両親は物分り良すぎるし。

>良かれと思ってしている事が子供を苦しめていたら、やりきれないです。

よく話し合うことが大事ですよね。一方的に期待されると子供も苦しいし。親の期待に応えようと無理して潰れないとも限りません。
私は親にはなれませんでしたが、子供の立場で考えることはできるかも。でも年齢的に母の発想になったり?

>ラブシーンについてかなり緊張する難しい場面と言ってた様ですが『BBM』を見た後の私には
「え~?あれが~???」

それは確かにいえますね。ベッドシーンはけっこうしっかりあったので、そういう意味で難しかったのでしょうか。
でもBBMの場合、デリケートで心理的に難しそうなシーンでしたから。

>「よく頑張ったね(^_^)v」と二人に言ってあげたい気分です。(と、何故か『BBM』の話に行き着いてしまうのでした)

私も2人をほめたいです。BBMに行き着くのはぜんぜん構いません、私もどの記事を書いててもBBMが念頭に♪

>ハッピーエンドの『BBM』

*山を下りた時点で2人でトンズラ。(笑)
*再会シーンで、トンズラ。(爆)
*イニスの離婚を機に二人で暮らす。
*3度目のキャンプの後でイニス、テキサスに移住、ジャックと…。
*最後の逢瀬のあと、ジャックの実家に行って強引に牧場再建。

ハッピーエンドになるチャンスは何度もあったんですよね…。


投稿: びあんこ | 2006年7月10日 (月) 19時12分

こんにちは。

これ、びあんこさんを知らなかったら絶対見てないと思います。良い映画でした。教えて下さってありがとうございます。

アリムもジャイルスも可愛かった。そしてケイリー・グラントの幻のカイル・マクラクランも、すっかり素敵なおじさまになってて。(彼を初めて見たのは『デューン砂の惑星』で超美形!と思ったら『ツイン・ピークス』で「あれれ?」と、、)
ここでは「あれれ?」の線ですが、良い味出してますね。

アリムの母の思いこみは、世の全ての息子を持つ母親の犯しがちな過ちだと思います。妹は何も気付かず(考えず)、多分一生姉を理解する事は無いでしょう。私は、やはり息子を持つ母として気を付けねばと強く思いました。
良かれと思ってしている事が子供を苦しめていたら、やりきれないです。

出演者のコメントで主役の彼が、ラブシーンについてかなり緊張する難しい場面と言ってた様ですが『BBM』を見た後の私には
「え~?あれが~???」
って感じですね。(比べられるものでも無いですが)
ヒースとジェイクのラブシーンが如何に大変なものだったか、改めて考えずにはいられません。「よく頑張ったね(^_^)v」と二人に言ってあげたい気分です。(と、何故か『BBM』の話に行き着いてしまうのでした)
こういうハッピーエンドの『BBM』を考えてみるのも如何でしょうか?たまには、、気分転換に、、。

投稿: kママ | 2006年7月10日 (月) 16時19分

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