« 蝶の舌 | トップページ | ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ »

存在の耐えられない軽さ

存在の耐えられない軽さ DVD 存在の耐えられない軽さ

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2006/01/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 タイトルだけで敬遠しつづけた作品である。ようやく見る気になったのだが、171分と知って、また腰がひけた。
 が、借りた以上は見ずには返却できない、いざスタート!

 舞台はプラハ。ダニエル・デイ・ルイス扮する脳外科医トマシュはプレイボーイ。「軽さ」とは彼のこの性向のことか、と思わせるほどに次から次へと女遍歴を重ねる。このへんからもう、はあーっとため息。軽い、軽すぎる。
 かといってミラン・クンデラ原作でプラハの春を描いた映画なのだから、そのうち重くなるのでは、と期待して見つづける。
 プラハの春。68年春だったろうか、私はほんのお子ちゃま、だがソ連のチェコ侵攻に身震いし、今度こそ戦争だ、と怖くなったのを覚えている。

 トマシュはテレーザ(ジュリエット・ビノシュ)と恋におち、まじめに将来を考えたのだろうか、とりあえず落ち着いたように見え、二人でプラハを離れるが、またトマシュの軽さが再発である。
 結局、その軽さが耐えられず、テレーザは二人の愛犬を連れて自由のないプラハに戻る。と、トマシュも彼女の後を追うのだ。いいのか、自由のない国に戻ってしまって。2度と国外に出られず、脳外科医として働けなくなっても、彼は恋を選んだのか。

 このあたりにきて、ようやく軽さは影を潜め、かといって重くもならず、プラハの春も、それほどインパクトのある描かれ方ではなくて、私は途方にくれたのだった。
 やはり子供時代、遠い日本でソ連の暴虐に震えた時のほうが、よほどショックを感じた気がする。

 88年の作品(米)だからベルリンの壁崩壊は翌年に迫っていたのだ。幾多のトマシュやテレーザが、あれで自由になったことだろうか。
 映像でしか見たことの無い美しいプラハを、いつか訪れてみたい。

|

« 蝶の舌 | トップページ | ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ »

映画そ」カテゴリの記事

ダニエル・デイ・ルイス出演作」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 存在の耐えられない軽さ:

« 蝶の舌 | トップページ | ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ »