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殺陣師段平

黒澤明 脚本作品 : 殺陣師段平 DVD 黒澤明 脚本作品 : 殺陣師段平

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2002/09/06
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 市川雷蔵主演、ということで楽しみに見始めたら、真の主演は中村鴈次郎、中村玉緒のお父さんですね。しかもDVDは「黒澤明の脚本」が売りらしい? パケ写は横長の写真を縦に使ってますが、上が段平、下がインテリ眼鏡の雷蔵です。

 大正6年、大阪。鴈次郎演じる殺陣師の段平は、すでに初老。新国劇を旗揚げした沢田(市川雷蔵)に自分の殺陣を披露するが、歌舞伎の型にはまっている、と相手にされない。
「リアリズムに欠けている」との指摘に「リアリズムってなんだす?」「写実だよ」「へえ、写真?」というわけで滑稽なほどに無知な段平。
 段平は喧嘩でリアルな殺陣を会得、彼の殺陣により新国劇は大入り満員の盛況となる。地方巡業も順調。だが段平の妻は、その頃…。

 中村鴈次郎、なんと上手いのだろう。立ち回りのことしか頭にない大酒飲み。妻お春(田中絹枝)は腕のいい髪結い、典型的な髪結いの亭主である。
 まるで大きな赤ん坊のような段平だが、みょうに可愛く憎めないキャラクターなのである。殺陣への情熱、没頭ぶりはバカがつくほどで、だんだん応援したくなってくるのだ。

 立ち回りから卒業したい沢田のもとを離れ、段平は京都の片隅で命を終えようとしていた。
 が、京都南座に新国劇がかかると聞いて、最後の力を振り絞って南座に駈け付ける。
 死の床でも段平は、国定忠治の殺陣を沢田に披露、じーんときてしまった。

 雷蔵も大学出のめがねのインテリ役者を好演、何をやっても似合うなあ、うっとり。舞台シーンでは国定忠治や月形半平太などの殺陣を存分に見せてくれている。
 役者の力を改めて思い知った。62年作品、日本映画が輝いていた時代、こんな面白い映画がごろごろしてたのだろう。だから昔の映画はやめられない。

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コメント

LOLAさん、こんにちは。
雁治郎さん情報、ありがとうございます。「浮草」「鍵」など、噂に聞く名作にもご出演なのえすね、見たいですー。

ところで、P.シェローは脚本、監督専門だと思ってました、ひえー。「ラスト・オブ・モヒカン」にも出てたんですか、あの、どんな役でしたのでしょう、よろしければ教えてください。アメリカでの英仏領地争いの映画ですから、フランス勢もたくさん出てましたが。見当がつきません。

そして「傷ついた男」もタイトルしか存じませんが、検索してみて見たい~、と悶絶しています。H.ギベールにも猛烈に興味が~、今頃になって、ですけど。
パリでもご覧になったのですか、素晴らしい!
またお話を聞かせてくださいね、楽しみにしております♪

投稿: びあんこ | 2006年2月 7日 (火) 05時46分

びあんこさん、こんばんは。 お返事ありがとうございます。
うっかりしていましたが、おふたりは「金閣寺」でも共演されていますよね。 柄の全く違った役で、ほんとに 役者やのう!です。鴈治郎さんの「浮草」での色気もなんともいえません。「鍵」と同じく京マチ子さんと夫婦役です。
ところで、好きなゲイものは、いろいろありますが、熱中したということでは、P.シェローの「傷ついた男」でしょうか。 はじめて、H.ギベールの名前を知った映画でしたし、原作を毎日読んでた時期もあり、パリの映画館にも見にいったり。 シェローは「ラスト・オブ・モヒカン」にも出ていますが、若い時の美しさといったら。。。 止まらなくなるので このあたりで。    また、おじゃまさせていただきます。

投稿: LOLA | 2006年2月 6日 (月) 23時17分

LOLAさん、はじめまして!
コメントありがとうございます、「殺陣師段平」、ずーっと前から気になっていた作品なので、レンタルで見られて嬉しかったです。
そして、思いがけず雁次郎さんのラブリーな一面を見ることができてよかったです。玉緒さんは、お父様のお茶目な部分も受け継いでらっしゃるのかも?

>小津監督の「浮草」「小早川家の秋」や 「鍵」の怪演とか

雁次郎さん、たくさんご覧になってるんですね、私はいずれも未見です。もっと日本映画を見たいのですけどー。どうしても雷蔵出演作に絞られてしまい。それでも雁次郎さん、いろいろ出てらっしゃるので、そちらもいずれアップしたいです。

今は旧シネマ日記からの転載が多く、だんだん普通のペースに移行するでしょうけど、またよろしくお願いします。
ぜひ、また遊びに来てくださいね。
よろしかったらLOLAさんのお気に入りのゲイものも教えてくださいませ。

投稿: びあんこ | 2006年2月 3日 (金) 05時04分

はじめまして。 ゲイ能関係に興味があるので、読ませていただいていたのですが、大好きな鴈治郎さんのことがとりあげられているので思わずメールしてしまいます。 本当に 上手い歌舞伎役者であるにも関わらず、スクリーンの中でも いいですよねぇ。大体、舞台の人が映画やTVに出ると ちょっと、演技がくどかったりするのですけど。 小津監督の「浮草」「小早川家の秋」や 「鍵」の怪演とか。 めがねの沢正を演じた雷蔵さまは もちろん素敵です。
毎日、たくさん アップされているので ほんとうに 楽しみです。
また、おじゃまさせてください。 長いコメント失礼しました。。。

投稿: LOLA | 2006年2月 2日 (木) 23時41分

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