« 北北西に進路を取れ | トップページ | 哀愁 »

コールドマウンテン

コールドマウンテン DVD コールドマウンテン

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2006/01/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「BBM(15)」で紹介したダイアナ・オサナのエッセイ、[CLIMBING BROKEBACK MOUNTAIN]。あの中に「コールドマウンテン」についての記述があってビックリした。

  この作品もラリーとダイアナは脚本を書こうとしていたのだそうだ。が、原作はあっという間にベストセラーになり、権利料が高騰、要するに話は流れた。「BBM」と違ってあちらは大長編、オデッセイにもたとえられる話だし脚本化は大変…、と、20行にわたってエピソードが語られる。相当に未練があったのだろうか?

 私はジュードのファンだから、「コールドマウンテン」の公開を心待ちにしていた。ルーマニア・ロケの頃から情報を集め、新しいスチール写真がネットで公開されるたびにときめいていた。しかし、356Pもあるという原作を読む気にはならなかった。「ことの終わり」にも書いたが、映画がよければそれでよい、ジュードが主演だから、長々した原作を読まずとも、映画だけでいいに決まっている。

 監督は「リプリー」でもジュードと組んだアンソニー・ミンゲラ、共演陣も豪華だし、南北戦争の話、という以外は本当に楽しみだった。またもや戦争もの。「スターリングラード」でいいかげん戦争ものにウンザリしていた私は(そのくせ映画館で14回も見た)あれこれ不安だった。

「コールドマウンテン」を映画館で2回続けて見て、私はほとんど泣き通しだった。インマン(ジュード・ロウ)は思い人のエイダ(ニコール・キッドマン)とわずかに言葉を交わし、たった1度キスをしただけ。それで別れ、南軍兵士として戦い、傷つき、エイダからの手紙で脱走を試みる。[Come back to me is my request.]エイダの元に帰り着きたい一心。

 障害は山ほどある。どこにも、どんな時代にも良心的な人とあくどい人がいて、ある人はインマンを助け、ある人は陥れようとする。助けてくれる人たちの善意と、エイダに会いたいという思いの強さが上回った分、インマンは命をつなぎエイダの元へと歩き続ける。

 自然の描写がとても美しい、ことにインマンのふるさとは。しかし、「スターリングラード」の、瓦礫と化したスターリングラード市街と比較にならないほど緑豊かで美しいインマンの故郷も、脱走兵狩のために陰惨な地と化してゆく。そんなことも手伝って、私は映画館で2回見るのがやっとだった。

「スターリングラード」もそうだったが、ジュードが出なければ絶対に見なかったであろう映画だ。もう戦争ものはたくさんなのだ、本当に。

 とはいえ、大変な力作で一度は見ておいたほうがいいと思う。私だけがあんな思いをするのは不当だ、同じショックを受けてみろ、というのが本音なのかもしれないが。

 帰宅後、精神のバランスをとるためにバレエ「眠りの森の美女」のパ・ド・ドゥ(男女2人の踊り)を4回続けて見た。夢がいっぱいの演目を何度も見ることで、やっと平静な気持ちを取り戻したのだった。

|

« 北北西に進路を取れ | トップページ | 哀愁 »

ジュード・ロウ出演作」カテゴリの記事

映画こ」カテゴリの記事

コメント

真紅さん、こんにちは。

「コールド・マウンテン」、本当に見ていて辛い映画でした。その割りに続けて2回見て、ずっと涙が止まりませんでした。

ジュードはこの作品でアカデミー主演男優賞にノミネートされましたが、それだけのことはある深い演技でした。

BBMのDVD、もう開封されたのですよね。熱い感想を嬉しく拝読しました。
またそちらにも遊びに行きますので♪

投稿: びあんこ | 2006年10月 5日 (木) 10時30分

びあんこさん、こんにちは。TB、届いておりますでしょうか。(もしダメでもまたトライしますね)
さて。別の山に登ってしまいました。今更ですがジュード・ロウっていい役者さんですね。
コメンタリで、アンソニー・ミンゲラが自分はジュードのファンなんだ、と言っていたのが印象的でした。
辛い映画ですね。私も戦争映画は嫌いです。でも観てよかったと思っています。
BBMのDVD、まだ開封もしてないんですよ。開けたら最後、浸り切りたいと思っています。
だからここ最近のびあんこさんのエントリはお預け状態です。早く読みたくて、でも我慢・・。
ではでは、また来ますね。

投稿: 真紅 | 2006年9月25日 (月) 22時16分

チュチュ姫さん
TBのこと連絡しなくてごめんなさい。結構かんたんに出来るんだ、と嬉しがってTBしてるうちに、どこに付けたか分からなってしまいました。

ナタリー・ポートマン健気でしたね。あんな寂しい場所に乳飲み子と二人取り残されたら…と思うとぞっとします。インマンの隣で泣く姿、最後に兵士を撃ってしまうところなど短い出番ながら印象が強いです。

投稿: びあんこ | 2006年2月23日 (木) 06時24分

びあんこ姐さん、
この記事もTBしてくれたのですね。ありがとう。
私は、記事にも書いたとおり、ナタリー・ポートマンの役の女の子が可哀想と思いました。私は自分が怖がりなので、あんな状況に置かれたらアタマおかしくなってしまうと思います。

投稿: チュチュ姫 | 2006年2月22日 (水) 22時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コールドマウンテン:

» DVD【コールドマウンテン】 [ぱんどら日記]
しばらくの間ずーっと本ばかり読んで文字の世界に浸っていたが、ここのところ映像作品にムクムクと興味がわいている。で、オンラインのレンタルDVDショップに登録した。 レンタルショップは前にも利用していたが、ち... [続きを読む]

受信: 2006年7月27日 (木) 10時36分

» 最後に辿り着く場所〜『コールドマウンテン』 [真紅のthinkingdays]
 チャールズ・フレイジャーのベストセラー小説を、アンソニー・ミンゲラが 映像化したこの作品は、戦争映画であり、恋愛映画でもあり、女同士の友情物語 でもある。南北戦争の末期、南軍兵士であるインマン(ジュード・... [続きを読む]

受信: 2006年9月25日 (月) 21時50分

« 北北西に進路を取れ | トップページ | 哀愁 »