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悲願千人斬

M0042640901 変なのがつくとイヤなのでTBはお受けしませんが。文字通り「千人を斬り殺す」悲願の話でございます。主君の若君を殺され、その菩提を弔うために、なんですか? だからって人を斬るなよー、と思ってしまうのですが。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062620774/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-2004234-7919944

 そもそも、この小説の存在を知ったのは、皆川博子さんの短編「具足の袂に」がきっかけ。この中できょうだいが親の留守にいけない物語を色々読む、といった設定だったかと思います。

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 きょうだいが耽溺した作品の中では、国枝史郎の「神州纐纈城」と並んで私の興味を引いたのが「悲願千人斬」。主君の若君を殺された男が、斬って斬って斬りまくり、その間を侏儒がうろつきまわる血みどろの世界、という説明に猛烈に魅かれた。

 当時、タイミングよく講談社から大衆文学館という文庫コレクションが発刊。「神州纐纈城」を読むことができた。http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person255.html

 このシリーズなら「悲願千人斬」を取り上げてくれるかも、とリクエスト葉書を出した私。その甲斐あって文庫化されたんだけど、いざ読んでみたら、なんだかちっとも耽美ではないのだ。皆川さんの〔予告〕の方が、よほど想像力を掻き立てる凄絶美があった。

 で、その皆川さんの「具足の袂に」には、「湖の孤城に幽閉された婚約者の姫を救いに行く若武者の話」も紹介されていた。姫は眠り続けているのだという。まるで「眠れる森の美女」だ。しかもラストには、姫が実は男だった、という恐ろしいどんでん返しがある!

 私はこの話が読みたくて読みたくて、とうとう皆川さんにお手紙を書いた、どうしたら読めるのでしょうか、と。すると、紫のインク、流麗な文字のお返事が届いたではないですか、感激! お返事にはこうあった。「ゴメンね、あの話は嘘なのよ。」

 がーん! 「湖上の眠れる姫」は皆川さんの創作だったのだ。なんとか皆川さんに実際に書いていただきたかったのだが~。

 皆川ワールドとも縁遠くなってしまったので、それが実現したのかどうか知る由もない。が、今でも私は鮮やかに想像できる。湖上の城でこんこんと眠り続ける美姫(実は男性)の幻を。

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