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カリフォルニア物語

カリフォルニア物語 (1) Book カリフォルニア物語 (1)

著者:吉田 秋生
販売元:小学館
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「カリフォルニア物語」。長らく記憶の底に沈んでいたマンガだが、「BBM」に夢中になっているうちにふと思い出した、この話の主人公がヒースという名だったことを!

 吉田秋生の登場はけっこう衝撃だった。少女マンガからはほど遠い画風、乾いた語り口。デビューが昭和52年というと、もう30年近く前か。

 ヒースを慕うイーヴが可愛かったな。ボールドウィンの「もうひとつの国」にもイーヴってキャラが出てこなかったっけ? それはさておき、イーヴはヒースへの報われない思いを抱いたまま死んでしまう。

「おまえ、おれにキスしてほしがってたよな」って、冷たくなったイーヴの唇にキスするヒース、せつなかった。生きてるうちに1度でいいから、どうしてキスしてやんなかった!? と本気で腹がたったなあ。

 NYの冬の厳しさ。ヒースの孤独。細部は忘れてしまったが、このふたつは鮮明に覚えている。なにか映画のようなマンガだった。しょーもない映画を、あの頃の日本マンガ(の一部)は超えていたのではないだろうか。

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忘れられないコミックス」カテゴリの記事

コメント

ぽちさん、こんにちは。

>イーヴがヒースと別れて、ヒースに良く似た男と寝るシーンが、ジャックのメキシコ行きとシンクロ

そ、そんなシーンまであるのですね!
これはますます再読しないと。再読、再見しないといけないものがどんどんたまっていきますー。

投稿: びあんこ | 2006年6月 5日 (月) 08時57分

びあんこさん、
コメントレス、ありがとうございます。

>確かにイーヴの気持ちに応え過ぎてジャック状態になったら…と想像しますが。
>吉田秋生、深い、深すぎる~! まるっきりBBMじゃん、と焦りまくる私です。

そうですよね、イーヴがヒースと別れて、ヒースに良く似た男と寝るシーンが、ジャックのメキシコ行きとシンクロしてしまいます。
もしも、びあんこさんが再読されたら、ぜひぜひ感想お聞きしたいです~

投稿: ぽち | 2006年6月 5日 (月) 01時32分

ぽちさん、こんにちは。
こちらにもコメントありがとうございます。

>「男同士の俺たちの間に何が起こるって言うんだ。それを怖いと思って何が悪い。俺はあんたじゃない。あんたのようにはなれないんだ」

おおーっ、ヒース(と書くと誤解されそう・汗)がそんな台詞を! ころっと忘れてました。
確かにイーヴの気持ちに応え過ぎてジャック状態になったら…と想像しますが。

スウェナはなんとなく覚えてますが、

>彼が積極的に誰かを愛したことなんてない。彼は誰も愛せないのよ。自分しか見ていない

わーっ、そんな台詞が! 吉田秋生、深い、深すぎる~! まるっきりBBMじゃん、と焦りまくる私です。
へろへろな記事ではありますが、書いてよかったです、こうして熱いコメントをいただけて。マジ、私も再読しないと。

投稿: びあんこ | 2006年6月 4日 (日) 19時20分

びあんこさん
まいど、お世話になってます~

大抵の本は再読することはないからと引越時に売ってしまったり捨ててしまったりした中で、『カリフォルニア物語』はもう一度読みたくて買い直した数少ない作品です。
でも『もう一つの国』のように絶版になる本もあるので、これからは処分するときはもっと考えよう(笑)

>冷たくなったイーヴの唇にキスするヒース、せつなかった。生きてるうちに1度でいいから、どうしてキスしてやんなかった!?

生きてるうちにどうして?と私も思いました。今は同じ名前の役者が演じたBBMの彼に対しても。

でもヒースにはできなかったんですよね。
『カリフォルニア物語』の中で、イーヴの気持ちに気づいていながら知らんふりをしたと、バイセクシャルのリロイという男が、ヒースを責めた時、彼は「男同士の俺たちの間に何が起こるって言うんだ。それを怖いと思って何が悪い。俺はあんたじゃない。あんたのようにはなれないんだ」と言い返します。

avalonさんがおっしゃっているように、このキャラクタはイニスを連想させます。

もう一つ、ヒースの恋人スウェナが、イーヴにヒースのことを話す場面で、彼女は言います。
「確かに彼(ヒース)は来る者は拒まないわ。でも彼が積極的に誰かを愛したことなんてない。彼は誰も愛せないのよ。自分しか見ていないのよ」
結局スウェナはそんなヒースと別れてしまうんだけど、今読み返してみると、BBMのキャシーとイニスに重なるような気がしました。

イニスが「誰も愛せない」というのは乱暴だけど「誰かを愛して積極的に行動した」ことってなかったのかなと。だからキャシーは「あなたがわからない」と言って去っていったんですよね。もちろんイニスにとって、彼女がジャック以上の存在になり得なかったからというのが一番の理由なんですけど。でもイニスはジャックに対しても、彼を失うまで、自分を変えることはできなかった。

大切に思う相手であっても、毎日毎日「明日この人が死んでしまうかも」という覚悟で接するのは本当に難しい。そして相手を失って、その喪失感の中で初めてそれがどれほどのものだったのかを知る。
アンリー監督がBBMのプロモーションの中で言っていた「普遍的な愛の物語」というのは「たまたま愛した相手が同性だったというだけ」というような問題じゃなく、この部分なのかと改めて思いました。そのために、原作ではイニスが「女性と付き合える」理由付けのようにしか語られないキャシーとの関係を映画の中では描いたのかと。つまり、誰が相手であっても自分を変えられない不器用な男として。そしてびあんこさんがおっしゃっていたように、イニスが変わったことを示す、アルマJr.の結婚式のくだりへ続いていくんですね。

投稿: ぽち | 2006年6月 4日 (日) 01時52分

avalonさん

はじめまして、コメントありがとうございます。
ジェイク来日時の記事のご紹介、感謝です。ジェイクが「もう一つの国」の愛読者だったとは。長らく放置してましたが、あわてて書棚から出してきました、これから再読します。細かいところはすっかり忘れています。いまは入手が難しそう、取っておいてよかったです。本当に情報をありがとうございました。

>生涯の中で最も心を揺さぶられた本でして、その本をJakeも読んでいてしかもBBMの撮影をしていた時期に挙げているなんて、なんだか運命を感じずにはいられません。

avalonさんにとって大事な本が…。まさに運命としか言い様がありませんね。私がこの「カリフォルニア物語」を思い出したのもヒースの名前のおかげですし。書いてよかったですー。

「もう一つの国」、読み直します。私もゲットしたときは(77年集英社文庫)のめりこんで読んだのですが、あちこち忘れてるし。(汗)

再読したら感想をアップしますね。
今後ともよろしくお願いします!

投稿: びあんこ | 2006年4月10日 (月) 19時20分

びあんこさん
はじめまして、実は以前から拝見させていただいてました。はじめての書き込みになります。
私はmixiというところでBBMに関するコミュニティをやってるavalonと申します。ところで、先日mixiの人たちのchatをしていたなかで、Jakeが2年前の5/31に来日していたことを知り、このときってちょうどBBM撮影中で、2週間だけロケ地を離れなくてはならなかったというのはこの時期だったのだと思い当たっていたわけですが、その来日記者会見の様子をネットで調べてくれた人から、Jakeがインタビューで、重要な本として「もうひとつの国」を挙げていたことに知り心底驚きました。

http://www.flix.co.jp/page/A0000649
実はこの本は私が生涯の中で最も心を揺さぶられた本でして、その本をJakeも読んでいてしかもBBMの撮影をしていた時期に挙げているなんて、なんだか運命を感じずにはいられません。
そしてこの小説は「カルフォルニア物語」を連想させるもので、作者の吉田秋生は影響をうけたものと思われ、このヒースというキャラはなんとなくEnnisを思い浮かべると話をしていたところに、びあんこさんのこちらの記事をみつけ、ついコメントを送らさせていただいたというわけです。
突然すいませんでした。
「カルフォルニア物語」映画化するとしたらヒースの役はヒース・レッジャーに。っていってももう年とってしまったから、無理かな。
「もうひとつの国」は昔読んだ時には映画化するとしたら、ヴィヴァルド:ロバート・ダウニー・ジュニア、エリック:ジェームズ・スペイダー、と思っていましたが、今ならヴィヴァルド:Jake、エリック:Heathで、二人のキャラ設定は30歳くらいだったと思うので今からでも間に合う。いつか実現しないかな、と夢見ております。
ではまた

投稿: avalon | 2006年4月10日 (月) 17時39分

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