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愛人/ラマン 最終章

愛人/ラマン 最終章 DVD 愛人/ラマン 最終章

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2003/06/26
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 訪ねてきたファンの読者と、初対面のその日から同棲を始めてしまう。作家はデュラス、ファンは38歳年下のヤン・アンドレア。96年3月にデュラスが世を去るまで、この関係は16年続いたという。

 と聞いてぜひ見たかった「愛人/ラマン 最終章」(01・仏)。デュラスに扮するのは名女優ジャンヌ・モロー。ヤンにはやさしげなエメリック・ドゥマリニー。大作家にかしずく青年といった役どころがぴったりだ。 
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD32994/?flash=1
 
 5年もデュラスに手紙を書きつづけたヤンは、ついに彼女に逢いに海辺の町に行く。いきなり原稿をタイプさせられたりして向こうのペースに巻きこまれる。泊まっていくのも自然のなりゆき。デュラスが命じたら逆らえない感じだ。数日後、ヤンは同棲相手に電話する。「僕の荷物は売り払って、家賃の足しにして」。

 作家とは気難しいものだろう、特にデュラスは難しい人だったらしい。ヤンは突然出ていけと言われ、スーツケースを窓から放り出されたりする。やむなく外に出て、海岸で夜を明かす。砂だらけの体で戻ると、デュラスは笑顔で迎える。

 ある時はパーティでヤンを無能よばわりするデュラス。怒って席を立つヤン。しかしそばにいてと懇願され、また元通り。そんなことの繰り返し。
「デュラス最後の愛人」と呼ぶには、またこの作品を恋愛映画と呼ぶのには、ためらいを感じる。38歳の年齢差、大作家とそのファンという関係、デュラスの不遜な態度、ヤンの従順。大作家デュラスだから、こういうこともあって不思議ではないのだが、うーん。

「人間の死について書くのが作家。愛人の死について書くの。」 
 デュラスの言葉通り、ヤンもそうしたのだろう、そして、この映画が生まれた。

 ジャンヌ・モロー以外に、デュラスを演じられる女優がいるだろうか、この役は実に彼女にぴったりだ。相手役のドゥマリニーも、これほどの大女優と共演できて、デュラスに対するヤンのような気持ちだったのではないか。さぞやいい経験になったことだろう。
 モローもまた激しい人らしい。結婚式の前日、指輪をローヌ川に投げ捨ててパリ行き夜行列車に飛び乗ったと何かで読んだが。

 あなたは本当に僕を愛していたのですか?

 思い出を辿るたび、ある時は愛されていたと確信し、ある時はやはり違うのではないかと疑う。その繰り返し。ヤンの問いは、これからも、きっと死ぬまで続くのだろう。

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