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オスカー・ワイルド

獄中記 Book 獄中記

著者:田部 重治,オスカー・ワイルド
販売元:角川書店
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Music オスカーワイルド

アーティスト:サントラ
販売元:ポニーキャニオン
発売日:1998/03/18
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 先日、フランスのネットラジオを聞いていたら、耳慣れた「オスカー・ワイルド」のサントラのメロディが流れてきてびっくりした。
 なんとワイルドの子孫(次男の甥?)がワイルドについてだか伯父についてだか語っていたようだった。意外なところで意外な出会いが。

 大好きなジュード・ロウとの出会いの映画である。ワイルドの、きれいで我侭な愛人ボウジーを演じたジュードは撮影当時23歳の若さ。パーティでのワイルドと出会うシーンの美しさ。輝く金髪、挑戦的な瞳、くっとあごを上げわずかに傲慢さを漂わせる。初見時には「ベニスに死す」のタジオ登場シーンに匹敵する、と感嘆したものだった。

 しかし当初のジュードのイメージはけして良いものではなかった。ポスターを見て「きれいだけど好みじゃない」と思ってしまったのだ。
 やっぱり見るか、という気になったのは、テレ東の「シネマ通信」で大胆なベッドシーンを目にしたのと、ワイルドがオトコに走ったのが結婚後と知ったから。既婚者がゲイになる心理を知りたかったのか?  
  
 ジュード、いやボウジーは美貌もさることながら性格の激しさ嫌らしさが秀逸だった。暴君の父、甘やかすだけの母のもとで、ついに大人になれなかった不運の子。当時は、なんてタカビーなの、大嫌い! であった。
 映画館で4回見、その後、ビデオでも幾度となく見たくせに、私はいつまでたってもボウジーへの怒りが消えなかった。

 我侭な人間を見せ付けられるのが嫌だったのだ、と今はわかる。「自分さえ我慢すれば…」タイプだった私にとって、周囲の迷惑かえりみず自己主張を押し通す人間は苦手、逆にうらやましかったのかもしれない。
 しかし、それは彼らの未熟さ、満たされなさの裏返しで、けしてうらやむようなことではないのも、映画を通じて理解してきたことだ。作品そのもの、というよりアクターのインタビューによって、なのが情けないけど。

 ジュードは父親の問題がボウジーの性格形成に大きな影響を及ぼしていることを語っていた。映画でもワイルドがそんなことを言っているのに、なかなか気づけなかった私。
「愛されずに育つと大人になれない」とジェームズ・フランコが「容疑者」特典映像のインタビューで話していたが、まさにその通りだ。
 アダルト・チルドレンとは結局、じゅうぶんに愛を得られないまま成人してしまった人間なのだろう。彼らは親に反発するが、それは愛を請うているのだ。

 映画のラストは、出所したワイルドと、とびきりの笑顔で彼を迎えるボウジーの再会シーン。わずか3ヶ月で破綻した暮らしのことは、テロップで流れるのみ。喜びの再会で映画を終わらせた監督のやさしい視点を感じたものだった。

 それにしても未だにDVDが発売されないなんて、本当にもったいない。
 オーランド・ブルームもちょっと顔を出してるし売れそうなんだけどなあ。

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コメント

悠雅さん、こんにちは。こちらにもコメントありがとうございます。
最高に美しいジュード@ボウジーを久々に思い出し、当時の興奮がなつかしいです。

>オスカーのスティーブン・フライも、家庭での姿とボジーに翻弄される姿、法廷での姿、
いろんなオスカーをとても丁寧に演じていて大正解だと思いました。

素晴らしいワイルドでしたね。フライ氏はかつてはコメディ演技で人気を博したそうですが。「ゴスフォード・パーク」でその片鱗が見られますね。

投稿: びあんこ | 2006年5月18日 (木) 09時21分

びあんこさん、こんばんは。
TB,コメントありがとうございました。
ジュード作品を観続けていた時期、レンタルを探しても探しても見つからなかった作品でした。
昨日ようやく念願が叶って観ることができました。
ジュードの美しい倣岸さは、彼ならばこそ。
オスカーでなくても、惹かれてしまう人が多いことでしょう。
オスカーのスティーブン・フライも、家庭での姿とボジーに翻弄される姿、法廷での姿、
いろんなオスカーをとても丁寧に演じていて大正解だと思いました。

投稿: 悠雅 | 2006年5月17日 (水) 23時16分

judesiennaさん、こんにちは。
またまたコメント嬉しいですー、久々にジュードのお話がたくさんできました。
私もかなり醒めてきた感は否めませんが、これはジュードとの出会いの作品だし今も大好きです。ロンドンまで舞台を見に行ったのはいい思い出です。


>ジュード自身、切れ易いのは彼と父親の関係に起因している

そうなんですかー。父親の影響って本当に大きいと思います。ボウジーと父親の関係に、ジュードは自分たち親子を重ねてみていたのかも。キレてる演技がリアルすぎて見ていて辛いです。

よろしかったら、また遊びに来てくださいね。

投稿: びあんこ | 2006年5月 1日 (月) 03時22分

ジュード自身、切れ易いのは彼と父親の関係に起因している、というのをイギリスのファンが書いてました。
父親が相当厳格で怒りっぽい人だったようです。一方で優しく美しい母親。ジュードの見てて危ういのは、この辺からかもしれません。

それにしても、びあんこ様のジュードファン歴は長くて濃いですね。
一度本物に会ってみたいんですけど、そんな熱情もだいぶん減ってきた昨今です。

投稿: judesienna | 2006年4月30日 (日) 16時45分

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